『一億人の英文法』は何がイイ?
具体的なの勉強法は?
シリーズがある?
英文法を勉強していると、無理やり納得して先に進んでしまうことがあると思います。
「ルールだから!」と割り切って考えてもやっぱりモヤモヤが残ります。
そんなモヤモヤを解消する英文法書があります。
アメリカのダンス学部に行くためTOEFL80点を取得。帰国後は大学生向けの英語学校でTOIECや留学向けの指導をしていました。日常会話を重視していましたが、ビジネス英語も勉強しTOEIC905点をゲット
今回は『一億人の英文法』の効果的な活用法です。
※3分ほどで読み終わります。
『一億人の英文法』とは?
僕の人生の中で一番役に立った英文法書があります。
それが大西
2,000円ほど。
どんな人にオススメ?
ネイティブの感覚をつかみたい英語学習者全員にオススメです。受験生でも、TOEICを勉強している人でも、英会話をしたい人でも、誰でもです。
難しい文法用語が排除されているので、とてもわかりやすいです。話し言葉で読みやすく、やる気がれば初心者でも挑戦して問題ありません。
ただし、700ページあり内容もギッシリつまっています。
そして、中学英語を理解している初中級者の方が楽しく勉強できると思います。というのも学校で無理やり暗記した人ほど「あ、そういうことか!」というアハ体験が得られるためです。
特徴
『一億人の英文法』が出版されるまで「話すこと」を前提にした英文法書はほぼありませんでした。
日本の英文法書は、話すために必要のない専門的な情報がたくさん入っていたり、逆に話すために必要な情報が足りていない部分がありました。
・イラストが豊富(イメージで英語を理解)
・意外と知らない英文法の情報
・堅苦しくない
・コラムがわかりやすい
・話すことを目的
『一億人の英文法』は、ネイティブの感覚を説明する珍しい文法書です。
「have」の概念
haveは「持っている」と訳されます。ですが、haveの使える範囲はかなり広いです。
例えばレンタカーショップで「赤い車にします」という時、「I’ll have a red car」と使えます。
つまりhaveとは「自分の周りに置いておく」という概念がまず存在します。なので、食べるという意味にもなるし、飼っているという意味にもなります。
「be動詞」
『一億人の英文法』において、be動詞は何も意味がない、というような説明があります。
通常、be動詞は「存在」という意味がある、と教えられます。
ですが、『一億人の英文法』では文章の調整役として「be動詞」が登場します。この概念を知ると英語の運用がかなり楽になります。
誤解を解く
日本で英語を勉強しているとルールや固定概念にかなり縛られてしまい、自分でハードルを上げてしまうことがあります。
それをシンプルにしてくれるのが『一億人の英文法』で誤解を解き、英語を口から簡単に出せるようにする役割があります。そして、英会話の基本をほぼ網羅しています。
大西泰斗 先生
著書の大西先生は言語学者で、2005年からNHKの英語講座を担当しています。
2005年:ハートで感じる英文法
2007年:出張!ハートで感じる英語塾
2009年:ハートで話そう!マジカル英語塾
2013年:しごとの基礎英語(~2018年)
2021年~:大西泰斗の英会話☆定番レシピ
2018年からは、NHKのラジオ講座を持っています。
『一億人の英文法』の映像授業
『一億人の英文法』には映像授業があります。僕が教えていた英語学校にこの講座があり、映像授業のスゴさを実感していました。
本と同じで、大西先生とポール先生が一緒にペアで授業をします。

この授業を受けなくても『一億人の英文法』をしっかり読むだけで、本の内容をキッチリ理解できるので安心してください。
僕が教えていた英語学校では「大西先生の講座」と「TOEICスピーキングテスト用の講座」の2択となっていました。
大西先生の講座の方が生徒のスピーキング力アップを実感していました。
映像授業の勉強方法
実際の映像授業の流れを紹介します。
・発音(大西先生)
・文法事項の説明(大西先生)
・実際の例文を覚える(ポール先生)
・10問ほどの演習問題
最初のパートで大西先生が発音のコツを教えます。後半ではポール先生が例文を一緒に発音して覚えます。ポール先生はただ音読するのではなく、しっかりと気持ちを入れ「なりきって話す」ことを教えていました。
感情を込めて発音
下の映像はNHKの英語講座ですが、大西先生とポール先生が大事にしている「気持ちを込めて発音する」ということがよくわかる内容です。
2:27~の部分を見るとよくわかりますが、言い方を変えるだけでニュアンスが変わります。
なぜ感情を込める?
英語を英語で考えられるようになると「英語がスラスラ話せる」ようになります。
日本語で話すとき、とっさに日本語が出てくることがあると思います。この時、話す内容を脳内で考えているわけではなく、感情の条件反射で日本語が飛び出てきます。
例えば「I’m tired.(私は疲れた。)」。「脳内で考えず、何気なく口から言葉が出ている」ということがあると思います。
これを英語でもやっていきます。
・感情が出た時
・感情が動く場面に出会った時
つまり、疲れたときに、日本語の「疲れた」と英語の「I’m tired.」の両方が条件的に出てくるようになると英語が自然と口から出るようになります。
感情を込めて音読する方法
この条件反射をつくるためのポイントが「感情を込めて音読」することです。
英語の例文を音読するとき、心を込めて読んでいるでしょうか。
英語の音読では、場面をしっかり想像していきます。
①写真を使ってイメージ
②場面を想像(文章が使われる場面を想像)
こうすることで実際に同じ状況になったときに英語が自然と口から出るようになります。
すごくシンプルな方法ですが、とても理にかなっている方法です。
実践
疲れた → 頭の中で日本語から英語に変換 → I’m tired.
疲れた → I’m tired.
例文の場面を想像するのは少し時間がかかります。ですが、この工程を加えるだけで、大きな違いとなります。
オススメの勉強方法
・文法事項を理解する
・例文暗記(音読)
音読に関しては『一億人の英文法』を使わず、別教材を使うのがオススメです。
『一億人の英文法』にはたくさん例文が載っています。ですが、まとまっていないので別教材を用意した方が効率的です。
文法事項を理解
まず『一億人の英文法』をしっかり読み、文法事項を理解します。1回で完全に理解するのは難しいかもしれません。できれば2周するのがオススメです。
大西先生は「10日」で読み終わることを目標としています。
これは正直キツイです。とくに例文を一緒に暗記しようとすると絶対に終わりません。
『一億人の英文法』を読む目的はあくまで文法知識を得るためです。一気に読み切ってしまいましょう。
読むペースが遅いと挫折する可能性が高いので注意しましょう。
読み終わったら英文法の辞書として使っていきましょう。
例文暗記(音読)
『一億人の英文法』を読むだけでは「話せる英語」になりません。
使える英語のためには演習が必要です。
文法問題の演習は、4択問題や、穴埋め問題、並べ替え問題に慣れている人が多いと思います。
僕は「例文暗記」をオススメします。「実際に使われている英会話の例文」の暗記です。
日本訳から何も見ず英文を暗唱できれば、とてもイイ演習になります。例文を覚える時は、しっかり感情を込め、発音も意識します。
例文をどんどん覚えていきましょう。
「暗記が嫌だ」という人もいると思います。今回紹介する参考書の例文は、実際に日常会話で使える文章です。
従来の英語の教科書だと「本当に使うのかな…」というような例文がたくさん出てきます。ですが、最近はそのまま使える例文が載っている参考書が増えました。
使える例文であれば覚える価値があります。
とはいえそれでも暗記が嫌な人は自分で英作文をしましょう。例文をアレンジする方法で、単語を入れ替えれば英文を作ることができます。
自分で作った英文は覚えやすいです。こうなると上級者レベルで、とても質の高い演習になります。
音読教材は使いやすければどの教材でも大丈夫ですが、『一億人の英文法』に対応している『一億人の英会話』『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義』がオススメです。
『一億人の英会話』音声付き
『一億人の英会話』は『一億人の英文法』に対応した音声教材です。
250ページほどで、日常会話で使われる実践的な例文が473個のっています。この例文全部覚えてしまえば、英語を話すことができるようになります。
最新版が2020年に出版されました。
1,400円ほど。
ちなみに『一億人の英文法』には対応する問題集『一億人の英文法問題集』も出版されています。これは大学受験対策(旧センター試験)が目的です。『一億人の英会話』『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義』に比べると優先度は下がります。
『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義』音声付き
大西先生は2018年から「NHKラジオ英会話」を担当しています。
とくに評価の高い2018年度版「NHKラジオ英会話」をもとに出版されました。『一億人の英文法』と関連付けられることなく出版されましたが、練習教材にピッタリです。
それぞれ1,600円ほど。
『英文法パーフェクト講義』は音読教材、演習ができるようになっています。『一億人の英文法』ほど詳しく解説が載っていないので、一緒に使うのがオススメです。
『一億人の英文法』をさらに深めたい人へ
大西先生が担当していたNHK英語講座「ハートで感じる英文法」から出版された本を最後に紹介します。
1,900円ほど。
『一億人の英文法』より項目が少いものの、解説がさらに詳しくなっています。『一億人の英文法』の続編という感じで、よりネイティブの感覚がわかるようになっています。
もともと2冊『NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法』『NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 会話編』で出版されていたものが、1冊になりました。
初心者の方へ
初心者でもう一歩手前から勉強したいという場合、こちらで参考書の紹介をしています。
イングリッシュおさるさんの【1冊だけで】文法を完璧にする本【2ヶ月で文法攻略】をわかりやすくまとめています。キク英文法、1億人の英文法、英文法のトリセツをピックアップし、2ヶ月でマスターする勉強法をご紹介。
英語のレベルチェック
自分の今のレベルが正確にわかると、学習効率がアップします。
【スパトレ】のレベルチェックは無料なのでぜひ試してみてください。精度も高く、自分に合っている参考書がわかり、モチベーションもアップします。
「話す英語」へ
「話す英語」のためには3ヶ月ほどガッツリ勉強する時間が必要で、目安は【200時間】です。
インプット:70%(リーディング・リスニング:英文法は先に終わらせ、単語は同時進行)
アウトプット:30%(スピーキング・ライティング)
4技能を効率的に最短で鍛える「スパトレ」はコスパ良しです。今やるべきことが明確にわかります。
「話すための英語」に関する勉強法はこちらでまとめています。
英語の勉強で語学力だけを上げるのはもったいないです。プレゼンテーション能力や積極性を同時に上げる方法もご紹介しています。話すための実践英語勉強法をまとめています。

以上『一億人の英文法』の活用法でした。
ありがとうございました。