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「コッペリア」はどんなストーリー?
見どころは?
ダンサーが人形を演じる?

バレエダンサーが人形を演じる「コッペリア」。

まばたきをしないダンサーもいてプロ根性が試されるバレエです。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります

kazu

今回は「コッペリア」の作品解説です。

※3分ほどで読み終わります。

フレッシュなキャストを楽しむバレエ

コメディ要素がたくさん入っている楽しいバレエです。

「白鳥の湖」を大規模なバレエとするならば、「コッペリア」は中規模のバレエです。

登場人物が多いわけではなく、ストーリーも複雑ではないため追うのも簡単です。

どちらかというと踊りを楽しむバレエです。

初演:1870年5月25日

パリ・オペラ座バレエ団(フランス)

振付:アルテュール・サン・レオン
音楽:レオ・ドリーブ
原作:E.T.A.ホフマン「砂男」

最後のロマンティック・バレエ

1870年に発表されたコッペリアは最後の「ロマンティック・バレエ」と呼ばれます。

ロマンティック・バレエ

理想の世界、幻想の世界を視覚化したバレエ

当時、絵画の世界では「現実をそのまま捉える写実主義」が広がっていて、機械文明が急速に発展していきます。

妖精がたくさん登場する「ロマンティック・バレエ」は飽きられはじめていました。

1867年、「パリの万国博覧会」ではたくさん新たな機械が登場します。

ダンサーが人形に

「コッペリア」はこの時代背景を反映し、等身大の機械人形コッペリアがアイディア豊富な動きをします。

ダンサーが人形を演じるというアイディアが大好評でした。

カクカクとした直線的な動きが大きな話題となりました。

さらに詳しい歴史はこちらからどうぞ。

ここからはストーリーを紹介していきます。

登場人物

ポーランドの田舎が舞台です。

主な登場人物

スワニルダ:活発で美しい村の少女
フランツ:スワニルダの恋人。気のイイお調子者の青年

コッペリウス博士:村の変わり者の発明家
コッペリア:等身大の美しい人形。コッペリウス博士がつくった

コッペリアが主役ではなく、あくまでスワニルダとフランツが主役です。

ここからは「コッペリア」のあらすじとポイントです。

第1幕

変わり者のコッペリウス博士。博士の家は広場に面している。その2階の窓辺には美しい少女コッペリアが座っている。

コッペリアが窓辺で本を読んでいる。

広場ではスワニルダやフランツ、仲間たちが楽しく過ごしている。みんなコッペリアに興味津々。だけど、コッペリアはそっけない。

スワニルダはコッペリアに手を振るがまるで無視。なんともおもしろくない…。しかも恋人のフランツはコッペリアが気になる様子。ますます気に入らないスワニルダ。

日が暮れるとコッペリウス博士が出かけていく。しかし、博士が家のカギを落としてしまう。スワニルダがそれに気づきカギを拾う。謎多きコッペリウス博士の家が気になるスワニルダは友達を連れ家に入っていく。

フランツがはしごを持ってやってくる。コッペリアが気になるフランツも博士の家に侵入してしまう。

カギがないことに気づいたコッペリウス博士。しばらくしてから戻ってくる。家のドアが開いていることに気づき慌てて家に入っていく。

第1幕のポイント

主役のダンサーから周りを固めるダンサーまで若手のダンサーが多めなのが「コッペリア」の特徴です。

若い恋がテーマとなっています。

スピーディーでパワフルな振付が多く、若手ダンサーが大活躍する作品です。もちろんベテランダンサーが登場することもありますが、若手が多く配役される傾向があります。

とくに主役のスワニルダは大抜擢もよくあります。バレエ団がどのダンサーを推しているかわかる作品となっています。

麦の穂の踊り

麦の穂を振ったとき、音が鳴ると「恋人の変わらぬ気持ちが証明される」という恋占いがあります。

この占いをモチーフにスワニルダとフランツの主役カップルによる踊り(パ・ド・ドゥ)があります。麦の穂を振っても音が聞こえない2人…。恋の行方がわからない不安な気持ちがうまく表現されている踊りです。

マリアネラ・ヌニェスとワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエ団)による踊り。

第2幕

コッペリウス博士の家に侵入したスワニルダたち。なんとも不気味な雰囲気だが、家の中には機械じかけの人形がたくさん並んでいる。スワニルダたちは好奇心旺盛にいろいろいじってしまう。

たまたまレバーを触ったとき、カーテンが勢いよく開く。そこにはコッペリアが座っている。するとコッペリアがぎこちなく動き出す。スワニルダに手を振ったと思ったら、また座って本を読む。

スワニルダがコッペリアに話しかけても反応がない。不思議に思ったスワニルダが心臓に耳を当ててみると何も音が聞こえない…。ここでコッペリアが人形だと気づく。

そこにコッペリウス博士が戻ってくる。驚いたスワニルダたち。全員逃げるように家を飛び出していく。しかし、スワニルダが逃げ遅れてしまい、コッペリアがしまわれているカーテンの中に逃げ込む。

そんな中、フランツが窓から侵入する。気づいたコッペリウス博士がフランツをつかまえ、眠り薬を盛る。コッペリウス博士は黒魔術を使い、フランツの魂をコッペリアに入れてしまおうとたくらんでいる。

フランツとコッペリアを並べ、黒魔術をためすコッペリウス博士。最初ぎこちなかったコッペリアの動きがどんどん滑らかになっていく。

実はコッペリアは人形ではなく、スワニルダがなりすましていたのだった。

眠っているフランツをどうにか助け出そうとがんばるスワニルダ。ついにフランツが起き、スワニルダと一緒に逃げ出すことに成功。

ことの真相を知ったコッペリウス博士は落胆する。最後に残ったのは服を脱がされバラバラとなったコッペリアの人形。コッペリアを抱きしめる姿がなんとも悲しいのであった。

第2幕のポイント

第2幕はスワニルダがコッペリアに化けるシーンが見どころです。

人形のフリをするスワニルダ。最初は人形に徹していますが、だんだん素のスワニルダが出てきて、コミカルなシーンです。

マリアネラ・ヌニュス(英国ロイヤル・バレエ団)による踊り。

第3幕

結婚式のシーンです。

ここからは物語と関係のない、たくさんの踊りが登場します。

「時の踊り」「あけぼのの踊り」「祈りの踊り」「麦刈りの踊り」「花嫁花婿の踊り」と印象的なタイトルがダンスについています。

ぜひダンスを楽しんでください。きっと聞いたことがある曲も出てくると思います。

最後の踊り(グラン・パ・ド・ドゥ)が人気です。

「グラン・パ・ド・ドゥ」

主役ダンサーによる、男女の踊りのことで、流れが決まっています。

・アダージョ(2人の踊り)
・ヴァリエーション(男性のソロ)
・ヴァリエーション(女性のソロ)
・コーダ(高いテクニックが必要な2人の踊り。一番盛り上がります。)

クライマックスで踊られるのが「グラン・パ・ド・ドゥ」です。

ナターリヤ・オシポワとヴャチェスラフ・ロパーチン(ボリショイ・バレエ団)によるコーダ。

映像作品

「コッペリア」は全幕作品の中でもあまり映像が発売されていません。

最新の映像として英国ロイヤル・バレエ団のDVDを紹介します。さきほど紹介したマリアネラ・ヌニュスとワディム・ムンタギロフが主演です。

映像作品としては一番おススメです。

kazu

以上、「コッペリア」のストーリー解説でした。
ありがとうございました。

バレエ作品に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。