「ドン・キホーテ」の第2幕のあらすじは?
見どころポイントは?
どんな踊りが見られる?
ストーリーのクライマックスを迎える第2幕。コメディ感あふれる楽しいシーンです。
そして、ドン・キホーテの夢の世界が登場します。このシーンでは、女性だけの群舞のシーンが出てきます。
バレエでは「バレエ・ブラン(白のバレエ)」と呼ばれ、整然とした美しさを象徴するようなシーンです。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります
今回は「ドン・キホーテ」の第2幕のストーリーと見どころポイントについてです。
※3分ほどで読み終わります。
王道バレエのシーン
古典バレエでは「バレエ・ブラン(直訳:白のバレエ)」という群舞の見せ場があります。
バレエ・ブランでは全員が白い衣裳を着て、幽玄で幻想的な世界を作り出します。「白鳥の湖」「ジゼル」「ラ・バヤデール」などに登場します。
「ドン・キホーテ」では白い衣裳で統一されているわけではないので、厳密にはバレエ・ブランとはいえないのですが、幻想的な「夢の場」が登場します。
「ドン・キホーテ」の主人公キトリはちゃきちゃきで活発なキャラクターですが、「夢の場」ではガラッとタイプが変わります。
ドン・キホーテの夢の中の、理想化された姿で登場するため、たおやかな踊りを見ることができます。
登場人物
1600年代のスペインが舞台です。
キトリ(ロレンツォの娘)/ドゥルシネア姫
バジル(床屋の青年)
ドン・キホーテ
サンチョ・パンサ(ドン・キホーテの従者)
ロレンツォ(宿屋の主人)
ガマーシュ(裕福な貴族)
エスパーダ(闘牛士)
メルセデス(街の踊り子)
キトリの友人たち
ロマ(ちょっと危険な流浪の民)
ドリアードの女王
アムール(キューピッド)
第1幕に関してはこちらで紹介していますので、ぜひご覧ください。
第1幕、第2幕前半の見どころを映像とともにご紹介。テクニックにあふれ、スペインの空気が香るハッピーなバレエです。
第2幕第1場:ロマの野営地
森の中へ逃げてきたキトリとバジル。そこで、ロマたちと出会う。
ヨーロッパを中心に移動生活を続ける少数民族のこと。いわゆる流浪の民で、ジプシーとも呼ばれます。ロマによるスリの被害が多く報告されるため、危険視されることが多い。
しばらく
ロマたちは人形劇を披露する。悲劇の物語を見たドン・キホーテは納得いかず、人形劇の舞台を壊してしまう。すると天候が悪くなり、風が強く吹いてくる。ロマたちは一斉に逃げていく。この混乱の間にキトリとバジルはまた逃げていく。
そして、ドン・キホーテは近くにある風車を怪物と勘違いし、
夢の場
夢から覚めたドン・キホーテ。どうにか一命をとりとめる。
ポイント
「夢の場」は、女性の群舞の美しさが際立つシーンです。
お
ボリショイ・バレエ団のプリンシパルのスヴェトラーナ・ザハーロワが東京バレエ団と共演したときの映像です。
ドリアードの女王
ドリアードの女王のバリエーションもご紹介します。
ギリシャ神話に登場する木の精霊。美しい男性や少年が森に迷い込むと、美しい娘の姿で木の中に引きずり込んでしまう。緑色の髪が特徴。
ドン・キホーテでは恐ろしい面はなく、森の妖精として登場。
マリインスキー・バレエ団のプリンシパルのアリーナ・ソーモワです。
第2幕第2場
酒場に逃げ込んだキトリとバジル。そこにロレンツォ、ガマーシュ、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサが追いかけてくる。キトリを連れ戻されてしまうと思ったバジル。
ナイフを持ち出し振り回すバジル。そのナイフを自分の胸に突き刺し、その場で倒れてしまう。駆け寄るキトリ。目を覆う周りの人たち…。
しかし、これはバジルの奇策。狂言自殺をおこない、キトリとの結婚を承諾させようとする。バジルが死んだふりをしていることにすぐ気づくキトリ。キトリは嘆き悲しむふりをして、ロレンツォに結婚を許してほしいとお願いする。キトリの愛に動かされたドン・キホーテがロレンツォに結婚を認めるよう迫る。
しぶしぶ認めるロレンツォ。結婚を認められたバジルはすぐに生き返りハッピーエンドとなる。
ポイント
ここはバジルがどれだけ観客を笑わせてくれるか、というコメディーシーンです。素直に笑い声を上げても問題なシーンです。
エスパーダにボリショイ・バレエ団の元プリンシパルのアンドレイ・メルクリエフがいます。
オススメDVD
オレシア・ノーヴィコワとレオニード・サラファーノフによるマリインスキー・バレエ団の「ドン・キホーテ」。
のちにプリンシパルになるアリーナ・ソーモワの森の女王、メルクリーエフのエスパーダ、ボリショイ・バレエ団でプリンシパルになったオブラスツォーワのキューピッドと豪華なキャストです。
3,000円ほど。

以上、バレエ「ドン・キホーテ」の第2幕の見どころポイントでした。
ありがとうございました。
バレエ作品に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。