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『ドン・キホーテ』第3幕のストーリーは?
特徴は?
見どころは?
『ドン・キホーテ』クライマックスの第3幕。
何も考えずに楽しめるシーンが満載になっています。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。
今回は、『ドン・キホーテ』第3幕のストーリー・見どころポイントについてです。
※ 3分ほどで読み終わります。
登場人物
1600年代のスペインが舞台です。
キトリ(ロレンツォの娘)/ドゥルシネア姫
バジル(床屋の青年)
ドン・キホーテ
サンチョ・パンサ(ドン・キホーテの従者)
ロレンツォ(宿屋の主人)
ガマーシュ(裕福な貴族)
エスパーダ(闘牛士)
メルセデス(街の踊り子)
キトリの友人たち
第2幕に関してはこちらで紹介していますので、ぜひご覧ください。
ロマの野営地、ドン・キホーテの夢の場、バジルの狂言自殺のシーンとストーリーがどんどん展開し、コメディ感があったり、美しいシーンがあったりする第2幕。踊りのポイントなども紹介しています。
ここから第3幕を紹介していきます。
といっても第3幕は、ほぼストーリーがないディベルティスマンです。
ディベルティスマンはフランス語で「余興」という意味があり、バレエでは「ストーリーに関係のない踊りを集めたシーン」を指します。
第3幕
結婚を許されたキトリとバジルの結婚式が開かれる。
盛大にお祝いが行われ、幸せな空気につつまれる。
そして、ドン・キホーテはまた旅立つのだった。
「グラン・パ・ド・ドゥ」
ガラ公演(名作バレエのハイライト集)で必ずと言っていいほど踊られるのが『ドン・キホーテ』第3幕の「グラン・パ・ド・ドゥ」です。
ガラ公演ではトリを飾ることが多く、かなり盛り上がります。3年に1度日本で開かれる『世界バレエフェスティバル』では、『ドン・キホーテ』のグラン・パ・ド・ドゥが最後の演目という伝統があります。
主役ダンサーによる、男女の踊りのことで、流れが決まっています。
・アダージョ(2人の踊り)
・ヴァリエーション(男性のソロ)
・ヴァリエーション(女性のソロ)
・コーダ(高いテクニックが必要な2人の踊り。一番盛り上がります。)
クライマックスで踊られるのが「グラン・パ・ド・ドゥ」です。
キトリのバリエーションは、扇を持つバージョンと、扇を持たないバージョンがあります。また、バレエダンサーによって踊り方が工夫されるため、ダンサーの個性が生かされる振り付けになっています。
実際の公演ではコール・ド・バレエ(群舞)によるアントレ(導入)と、キトリの友人2人の踊りが途中に追加され、通常のパ・ド・ドゥよりも豪華です。
難易度の高い技がどんどん登場し、長いバランス、アクロバティックなリフト、豪快な技がたくさん出てきます。
タマラ・ロホ、クラウディオ・コヴィエッロ
タマラ・ロホ(元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル、現イングリッシュ・ナショナル・バレエ団芸術監督)とクラウディオ・コヴィエッロ(ミラノ・スカラ座バレエ団のプリンシパル)による超絶技巧です。
恐ろしいほどのバランス感覚を持つタマラ・ロホ。最大の見せ場のフェッテでは3回転を余裕でどんどん入れてきます。
表情に気合いが入りすぎ、あまりに真剣な顔をいつもしているので賛否が分かれるところですが、僕はいつもその気合いを見るのが楽しみです。
おすすめDVD
ミハイル・バリシニコフとシンシア・ハーヴェイによる『ドン・キホーテ』のDVDです。1983年版ですが、今もなお販売され続けています。
パワフルな『ドン・キホーテ』です。バリシニコフ自身が振付をしているバージョンです。
6000円ほど。
英国ロイヤル・バレエ団より。高田茜さんがキトリ役を演じています。

以上、『ドン・キホーテ』第3幕の見どころポイントでした。
ありがとうございました。
バレエ作品に関してはこちらにまとめています。ぜひご覧ください。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。