動的ストレッチと静的ストレッチの違いは?
運動前にするといい理由は?
体幹には力を入れる?
筋肉は温めたときにストレッチすると安全に柔軟性を向上することができます。
ただし筋肉は伸ばしすぎてしまうとリラックスモードに入ってしまい、パフォーマンスが落ちることがあります。
そのため運動前に行うべきは「動的ストレッチ」です。
今では「動的ストレッチ」が周知されているので、改めて説明する必要がないかもしれないですが、説明・効果・コツを一気にご紹介します。
元劇団四季、テーマパークダンサー。30分のショーから2時間の舞台まで出演回数は5,000回は軽く超えているんじゃないかと思います。ダンス、ヨガ、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています
今回は「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」の解説です。
※3分ほどで読み終わります。
動的ストレッチと静的ストレッチ
ストレッチは大きく分けて2種類のストレッチがあります。
それが「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」です。
身体をじっくり伸ばすストレッチで、可動域を広めることを目的とする。身体をクールダウンしたり、リラックスさせる。運動前にやらない方がイイ
はずみや反動を使い、全身を大きくリズミカルに動かすストレッチ。心拍数や血流を増加させることで体温を高める。可動域を限界まで広げ、パフォーマンスの向上やケガの防止を目的とする
方法 | 効果 | |
静的ストレッチ | 伸ばす | 柔軟性アップ |
動的ストレッチ | 大きく動かす | 筋肉を温める 柔軟性アップ |
今回紹介する「動的ストレッチ」は身体を大きく動かすため、身体がグラグラしてしまうことがあります。
ストレッチですが身体の力を抜いてしまうと、うまくいいかないことが多いです。
それはなぜか……。
相反 作用
動的ストレッチは、ストレッチ効果が増す「
相反抑制とは、「片側が緩むともう片側が伸びる」という身体の作用のことです。
力こぶをつくると腕の上側(上腕二頭筋)の筋肉が縮みます。実はこのとき裏側の筋肉が伸びています。
伸ばしたい部位の反対側にある筋肉(
動的ストレッチはリズミカルに反動を使い、関節の可動域以上まで動かすことができます。そのとき片側の筋肉に力を入れていくのがポイントです。
すると大きく身体を動かしても安定します。
筋肉は温める方がイイ
柔軟性向上を目的とする静的ストレッチも、筋肉を温める動的ストレッチも、身体が温まっていると安全に伸ばすことができます。
お風呂上がりに柔軟するとイイ、という話を聞いたことがあると思います。
筋肉が温まることで、身体は動かしやすくなります。
とくに朝イチは血流が減少しているため、筋肉の温度が低いです。そのため、朝は身体がガチガチになります。
本来の可動域に戻す
筋肉は動かさないと、どんどん硬くなっていきます。
筋肉量は20代をピークに減少していきます。40代になると顕著に減少し、年を重ねるに連れ減少幅が大きくなっていきます。
動的ストレッチをすることで、減少量を抑えることができます。
しかも、動的ストレッチでも可動域は向上します。
静的ストレッチ
補足説明として可動域を向上させる「静的ストレッチ」を紹介します。
1部位30秒、じっくり伸ばしていきます。15秒間じっくりと自分の限界まで伸ばし、15秒は少し負荷をかけて伸ばします。このとき少しは痛みを感じると思います。
ただし、負荷をかけすぎると身体の防御反応が働き、逆に筋肉が硬くなってしまうことが起きます。そのため、少し痛いくらいに留めましょう。
身体が温まっているときにストレッチを行うと伸びやすいので、レッスン後・運動後や入浴後がゴールデンタイムです。レッスン前や運動前は絶対にやらない方がいいです。筋肉がゆるくなってしまい、力が入りづらくなってしまいます。
ストレッチは毎日おこなうのが理想です。
ちなみに、もし1回忘れたとしても、翌日に2回やれば取り戻すことができます。
毎日同じメニューでもまったく問題ありません。
狙うは肩甲骨 、胸郭 、股関節
動的ストレッチでは主に「肩甲骨」「胸郭」「股関節」をストレッチします。
多くの筋肉が集まっていて、硬くなりやすい部位です。
肩甲骨が外側に開いていくと猫背になり、姿勢が悪くなってしまいます。
胸郭は、背骨(胸椎)、肋骨、胸骨を指します。肺を守っている骨で、胸郭が硬くなると呼吸が浅くなっていきます。そして、呼吸が浅くなるとさらに筋肉が硬くなるという悪循環に入っていきます。
股関節は歩行するために欠かせません。歳をとると足腰が弱くなっていきます。その原因ともなるのが股関節まわりの筋肉が硬くなることです。骨がもろくなってしまう原因にもなります。
1日1分でも大丈夫
実はこの3部位をそれぞれ20秒ずつ動かすことができれば、1日1分でも大丈夫です。
ただし、運動を行う場合や、パフォーマンス向上を狙う場合は5分~10分ほど行いましょう。
4つのコツ「体幹に力を入れる」
動的ストレッチは基本的に4つの部位に力を入れ続けています。ヨガの動きと共通しています。
・骨盤底筋群(おしりの穴をキュッと締める感覚)
・おなか(おへそをおなかに引き込む感覚)
・首(あごを引き、頭を首の真上まで後ろに引く)
・前鋸筋(肩を下げ脇の下に力を入れる)
4つの部位に力を入れつつ、全身を空気でパンパンにするイメージで、圧力を外側に広げていきます。すると身体のズレなく正しい位置で効果的にストレッチすることができるようになります。
筋肉が温まりやすく、可動域が広がりやすいです。
ヨガをもう少し深めたい人に向けた記事です。宗教性が苦手な人にもライトな観点からヨガを見つめます。
呼吸は深く
筋肉は関節を動かす役割を持っています。筋肉がしなやかになれば関節の可動域も広がっていきます。
深い呼吸でストレッチの負荷を上げ、可動域を広げることができます。これは筋肉の特性に関係しています。
色素タンパク質「ミオグロビン」が多く含まれる赤筋は赤く見え、少ないことで白筋は白く見えます。ミオグロビンは酸素を貯蔵する役割を持ちます。
白身の魚と、赤身の魚で考えるとわかりやすいです。海にいる回遊魚は持久力が必要のため赤身魚、白身魚は敵から逃げるために瞬発力が必要です。
ストレッチで伸ばす筋肉は赤筋にフォーカスしていきます。そのため深く呼吸をすると筋肉が柔らかくなっていきます。
動的ストレッチのおすすめ動画
説明が丁寧なのでとてもわかりやすいです。
ヨガの動きがたくさん入っているのが特徴です。
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今回は「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」についてでした。
どうもありがとうございました。