フランチェスカ・ヘイワードって知ってる?
jazz

「キャッツ」の主人公のバレリーナは誰?
フランチェスカ・ヘイワードはどんなキャリア?
キャッツのヴィクトリアってどんな役?

フランチェスカ・ヘイワードがキャッツに出演することになり、すごく楽しみにしていました。映画版キャッツの公開に先駆け、主演のフランチェスカ・ヘイワードと監督のトム・フーパーが来日しました。

キャッツの予告編をみてフランチェスカ・ヘイワードが気になった方たくさんいるんじゃないでしょうか?

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。

kazu

今回は「キャッツの主人公ヴィクトリアを演じるフランチェスカ・ヘイワード」をご紹介します。

※3分ほどで読み終わります。

イギリス名門バレエ団のトップダンサー

フランチェスカ・ヘイワード(Francesca Hayward)は、イギリスで1番のバレエ団である「英国ロイヤル・バレエ団」のプリンシパルです。プリンシパルとはダンサーの中でも一番上の階級の名称で、公演では常に主役級の役を踊ります。およそ100名ほどいるバレエ団の中でも男性女性合わせて、16人しかいません(ゲストダンサーを除く)。

ロイヤル・バレエ団での紹介ページでは、今まで踊った役を見ることができます。Francesca Hayward — People — Royal Opera House

2016年、23歳の時にプリンシパルに昇進。この時、日本人の高田茜さんと平野亮一さん、そしてアレクサンダー・キャンベルの4人が同時に昇進し、日本でもニュースになりました。

アレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワード、平野亮一さん、高田茜さんがプリンシパルに昇進

左からアレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワード、平野亮一さん、高田茜さん

Photographed by Andrej Uspenski

23歳でプリンシパルに

フランチェスカ・ヘイワードは黒人のルーツを持つバレリーナ(お父さんがイギリス人、お母さんがケニア人)です。誤解を恐れず言うと、バレエ界で黒人のダンサーがトップまで行くのは、アジア人と比較にならないくらいとても難しいことです。

それだけ珍しいので、とても目立ちます。フランチェスカ・ヘイワードの場合は、いい意味でとても目立つダンサーです。身長は158cmほどで、バレエダンサーとしてはとても小さいですが舞台にいるとすぐに目が行きます。華があるダンサーなので、23歳でプリンシパルに昇進したのも納得です。

経歴

1992年:7月4日誕生
2001年:3歳でバレエを始める
2003年:11歳でロイヤル・バレエ・スクール入学
2010年:ケガでロイヤル・バレエ・スクールを卒業していないが、学位は取得。英国ロイヤル・バレエ団入団
2013年:ファースト・アーティストに昇進
2014年:ソリストに昇進
2015年:ファースト・ソリストに昇進
2016年:プリンシパルに昇進

静謐せいひつ(静かで安らかなこと)は普通、人に使うことはない表現ですが、この静謐という2文字がとても似合います。身長がとても小さいのに、すごく大人びた印象があります。舞台でキャピキャピしているイメージはまったくなく、いつもどこか影を感させます。踊りへの情熱が伝わり、芯にある強さを感じます。

プチ情報

愛称は「フランキー」。恋人は同じくロイヤル・バレエ団でキャラクタープリンシパルを務めるトーマス・ホワイトヘッドです。17歳の年の差があります。

バレエでは王様、お父さん役のような「踊りよりも演技力が必要な役」があります。その役を演じるダンサーのことをキャラクターダンサーと呼びます。トーマス・ホワイトヘッドは一番上の階級のキャラクタープリンシパルです。

この投稿をInstagramで見る

 

Tom Whitehead(@tgw75)がシェアした投稿

女優バレリーナ

エキゾチックな雰囲気を持り、演技力の高いダンサーです。フランチェスカ・ヘイワードが所属する英国ロイヤル・バレエ団は、演劇的なバレエ団といわれています。踊りのテクニックだけでなく、演技センスに長けたダンサーがそろっています。

フランチェスカ・ヘイワードの当たり役は演劇的バレエといわれる「ロミオとジュリエット」のジュリエットや、「マノン」のマノンです。「マノン」では、入団2年目か3年目あたりに主役に抜擢され、とても評判のいい舞台となりました。特にこの2作品は、演劇センスが求められる作品です。

演技力を評価されているフランチェスカ・ヘイワードですが、「キャッツ」が初めての映画出演です。

「エンターテインメント業界のトップが集まっている」という内容の動画です。フルメイクした状態の「キャッツ」よりも、普段着で行うリハーサルの方が少し魅力的に見えてしまう映像です。

キャッツの白猫ヴィクトリアとは?

今回、フランチェスカ・ヘイワードは映画版「キャッツ」で白猫のヴィクトリアを演じています。

舞台版では、全身が真っ白なのでどこにいてもすぐに見つけることができます。そして、歌のソロはありません。歌よりも踊りが優先される役で、バレリーナが配役されることが多いです。特に冒頭にヴィクトリアの美しいソロがあります。月明かりの元、美しいポーズの連続が続きます。こちらは過去の舞台版の映像です。

映画版のキャッツでは、ヴィクトリアのキャラクター設定が舞台版とは異なります。ヴィクトリアが主役となり、「Beautiful Ghosts」という曲が新たに書き下ろされていることも大きな違いです。この曲は、キャッツのオリジナルの作曲家のアンドリュー・ロイド=ウェバーとテイラースウィフトによる合作です。

映画版ではフランチェスカ・ヘイワードが歌声を披露しています。最初、フランチェスカ・ヘイワードが配役されたと聞いたとき、すごくピッタリだと思いました。しかも、歌を聞けるとは思わなかったので、すごく嬉しかったです。

名だたる歌手に囲まれて、ダンサーのフランチェスカ・ヘイワードがソロを歌っているので、要注目です。

スクリーンで!

日本では「ロミオとジュリエット」の公開が控えています。2020年3月6日(金)からTOHOシネマズシャンテ他で、全国ロードショーが始まります。バレエ版の「ロミオとジュリエット」をそのままイタリアの街で撮ったもので、バレエファンの間ではすごく話題になっています。

DVD化されています。

こちらは英国ロイヤル・バレエ団で同じくプリンシパルのマルセリーノ・サンベとの「ロミオとジュリエット」のリハーサルの映像です。

この投稿をInstagramで見る

 

Francesca Hayward(@frankiegoestohayward)がシェアした投稿

本人の踊りを観るチャンスあり

2019年ロイヤル・バレエ団が来日公演を行いました。フランチェスカ・ヘイワードもその時来日していました。僕が観に行った日には残念ながら出演者していませんでした。

ロイヤル・バレエ団は日本でも人気があるので3年に1度くらいのペースで日本公演を行っています。ですので、次は2022年あたりに、生の舞台を日本で見るチャンスはあります。

またこれからは映像作品の収録もたくさん行われると予想できるので、気軽に観られる機会も増えていくと信じています。

kazu

今回は「フランチェスカ・ヘイワードのご紹介」でした。
ありがとうございました。