ジャズダンス上達のコツ・方法3選。身体作り、リズム感、イメージ
jazz

ダンスがなかなか上手くならない?
うまくなるコツはある?
ほかのダンスでも同じ?

レッスンを受けていても自分だけ下手に感じてしまうことがあると思います。

そんなとき周りを見渡し、自信がなくなってしまうことも……。

センスかな……、と諦めるのは早いです。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。30分のショーから2時間の舞台まで出演回数は5,000回以上。ダンス、ヨガ(RYT200取得)、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています

kazu

今回は「ジャズダンス上達のコツ3つ」についての解説です。

※3分ほどで読み終わります。

上達のコツ3つ

ダンスは自分なりに楽しめばいいですが、せっかく習うならうまくなりたい!

ジャズダンスに限らず、ほかのダンスにもこのコツは適用できると思います。

ジャズダンス上達のための3つのコツ

・身体づくりができている
・視覚的センス
・リズム感

もちろんこれ以外にも大事なことはたくさんあるのですが、まずはこの3つができているかチェックしてみてください。

身体づくり

ジャズダンスの上達が早い人には2つの身体的特徴があります。

身体の特徴

「姿勢が整っている」
「柔軟性がある」

ジャズダンスは動きをコピーする能力が必要です。動ける身体であればこのコピーがスムーズにできるようになります。

ちなみに体型は関係ありません

姿勢が整っている

ダンスは姿勢が整っている人とそうじゃない人でスタート地点がかなり変わります。

姿勢が整っている、とは「体幹が強い」という意味です。体幹が強いと身体がブレることなく手・足・顔を自由に動かすことができます。

そのため体幹トレーニングを中心とした筋肉トレーニングができている人はアドバンテージがあります。

柔軟性がある

柔軟性の高い多くの人は機能的な筋肉(柔らかく身体全体がしなやかに動く筋肉)がついています。

特に振り入れのとき先生の動きを苦労せずに再現することができます。

また、身体を自由に動かしたり、大きく動かすことができるのでダイナミックな踊りになります。

ストレッチしていればダンスが上達?

僕の尊敬する先生はストレッチさえしてればダンスはうまくなる、とストレッチを最上位のトレーニングに指定していました。

足を180°上げるためにはストレッチするしかありません。足が130°しか開かない場合、180°上げることは不可能です。そのため、ストレッチはとても重要です。

これは他のダンスも同様です。身体の可動域を増やすとダンスの表現が豊かになります。

例えばヒップホップであれば胸や肩の可動域が広いとかなりダイナミックな踊りになります。

ただし、ストレッチには時間がかかります。身体はゆっくり柔らかくなっていくので、毎日ストレッチが必要で根気がいります。

視覚的なセンス

次に大事なことが視覚的なセンスです。

ダンスは目から得た情報を身体でそのまま再現していきます。

視覚的なセンス

「身体全体の意識」
「イメージトレーニング」

身体全体の意識

大事なことは、身体全体に意識があることです。この感覚が鋭い人はダンスの上達が速いです。

もっと具体的に言うと「空間把握能力」です。

空間把握能力

空中から見ているような感覚。360°から物体を捉える能力

ダンスの振付はかなり複雑です。目線、頭、上半身、腕、下半身、足、向き、動く方向、リズムといったものを同時に動かします。これを一気に捉えるためには単純に先生を見ているだけでは目がいくつあっても足りません。

振付を習うとき先生が前にいる状態で、後ろ向きに振付されることもあります。振り返りながら先生の振付を覚えるので混乱してしまうことも……。

ですが、このときに混乱しない人がいます。

この人は身体全体の意識がとても鋭いです。

空間把握能力は先生を見たあとに、自分にも適用していきます。空中から自分を見ているような感覚を持つことで踊りが洗練されていきます。

イメージトレーニング

動きを正確に再現するために重要なのが「イメージトレーニング」です。

たとえばダンスのテクニックを初めて習う場合、初見か見たことがあるかで出来が大きく変わります。

僕がはじめて「アラセゴンターン」をバレエスタジオでやったときイメージが役立ちました。アラセゴンターンはこのようなターンです。

イメージを持っていると上達スピードがかなり早まります。

振り入れのときは先生も踊ってくれますが、このイメージ力があるとさらに振り覚えが早くなると思います。

先生が持つイメージをすぐに受け取ることができれば、振り覚えが早くなります。

僕はプロとして踊っていたときはこのイメージの共有、動きを正確に再現する、ということを1番大事にしていました。

とにかく先生をよくみましょう。

プロの舞台を観に行く

プロの舞台やライブパフォーマンスを観に行ったほうがいい理由はここにあります。

舞台は3次元で情報を得ることができ、かつ自分の好きな視点から観ることができます。

映像もいいですが、映像の場合は2次元であり、かつディレクターの視点で見ることになります。これはディレクターのセンスに合わせることになってしまい自分のセンスが鍛えられづらいです。

舞台を観に行ったり、ダンスパフォーマンスを生で観ると、自分のセンスが磨かれたり、洗練された技術の知識を得られたりと、確実にダンスが上達しやすいです。

表現力

これは補足の情報ですが、絶対に必要な能力なので追記します。

同じ振付を踊っているはずなのにダンサーによって雰囲気がまったく違うということがあります。

これが「表現力」です。

E-girlsの「シンデレラフィット」のリハーサル映像です。

みんなの息がぴったりで、動きも正確です。ですが、見ていると同じダンスのはずなのに、好みのダンサーが……。

この細かい違いが表現力です。

ちなみに初心者でも表現力が光っている人がいます。これはその人が生きてきた中で見てきたもの・聞いてきたものに大きく影響を受けています。

気づかないうちに自分の持っているセンスがダンスで表現されていきます。

ダンスは活力を吹き込む

ダンスがスポーツと異なるのはこの表現力です。

ダンスは動きを覚えるだけではダメです。動きを覚えたあとに自分のイメージをどんどん追加していくことでダンスの表現力がついていきます。

曲に合わせて踊るときは何をイメージして踊るのかがとにかく大事。これができている人の踊りはとても魅力的です。

演技力が高い人も表現力があります。ミュージカルでダンスの経験が浅く踊りがなんとなくぎこちないのに目が行ってしまう人がいます。演技力が高い人です。とくにパフォーマンスでは動きの正確性よりも、表現力が高い人に視線が行ってしまいます。

初心者に多いのが踊りに夢中で顔が真剣になってしまうこと。とくに日本人はこの部分が苦手とされています。

真面目に踊るのはとても大事です。でも踊りはもっと楽しいものです。

僕はどの芸術よりも人々に活力を吹き込む力があるのが踊りだと思っています。

この活力をダンサーが発するべきだと僕は思います。これはどのレベルのダンサーにも共通する考えです。

リズム感

最後はリズム感です。リズム感とは「音楽のテンポに合わせる感覚」のことです。

リズム感はセンスなのか……。

そうだと思います。ですが、そうでないとも思います。

僕はリズム感には2種類あると思っています。

2種類のリズム

1:自分のリズム
2:周りの人に合わせるリズム

自分のリズム

音楽を聞いて自然と身体が揺れる。これが自分のリズムです。

このリズムの取り方にはかっこよく見えるときとダサく見えることがあります。

これがセンスです。

ただし、リズム感のイイ、悪いはあります。

リズムにズレることなく、テンポに合わせて身体を動かすことができることが「リズム感がある」とされます。

早取り・遅取り

ただし、正確にテンポを刻むことだけがリズム感ではありません。

実はリズム感においてすごく細かい話があります。ダンスの世界では「早取り」「遅取り」と呼ばれます。

早取り・遅取り

早取り:テンポに合っているものの、微妙に早い
遅取り:テンポに合っているものの、微妙に遅い

バレエでは「早取り」の傾向が強く、ストリートダンスでは「遅取り」の傾向があります。

バレエでは大きなジャンプがよく登場します。動きが大きい分、リズム通りに動くと「動きの頂点」と「音の頂点」がズレてしまうことがあります。音楽にピタッと合うようにするため早取りする場合があります。

一方、ストリートダンスでは音を少し遅くとることで動きが重くなります。ただし、あまりに遅いとズレてしまうので、ほんの少しタメをつくるくらいの感覚です。ずっとタメを作っているとコテコテのラーメンを食べてるような感覚になってしまうので、ここぞというときに使うがおすすめです。

音楽にピタッと合うのが基本です。ですがリズムは個々人の持つ固有の感覚があります。

周りのリズムに合わせる

それに対し周りの人に合わせるリズムがあります。

これがダンスでは重要です。

先程説明した早取りと遅取り。両方ともテンポが微妙に違うだけなので、音にピタッとハマっている人と踊ってもあまりズレは感じません。

ですが、早取りの人と遅取りの2人が一緒に踊ると、ズレ幅が大きくなるためバラバラに見えてしまいます。

個々人が勝手に自分の気持ちいいリズムで踊るとこういう現象が起こります。

これを解決するのが「周りのリズムに合わせる」ことです。

自分で振付をしない限り、リズムは振付師に合わせる必要があります。

このリズムをいかに感じるとることができるか。僕はこれがダンスにおけるリズム感だと思っています。

先生のリズムに合わせ、周りで踊っている人のリズムに合わせていく。

自分ひとりで踊るのではなく、周りに合わせる感覚を身に着けていきましょう。

リズムを合わせるとは?

リズムを合わせるのは、ランナーの後ろにピタッとつく感覚に似ています。

ランニングで苦しくなったときは、一緒に走る人の後ろにピタッとつき、リズムを合わせると一気に疲れにくくなります。

風よけとしての効果だけでなく、リズムを人に預けることによって、自分でリズムを考える必要がないからだと僕は思っています。

リズムを考えるのは思いのほか力を使います。

なので、ダンスのレッスンでは先生や周りの人達にリズムを預けると、ランニング同様に楽になると思います。

自分のリズムも鍛える

それと同時に自分のリズム感は鍛えていきましょう。世の中には音やリズムがあふれています。

自分の心地いいリズムがあると思いますが、これは大切にしていくべき感覚です。

例えば電車に乗るとさまざまなリズムであふれています。電車自体がビート刻んでいます。通り過ぎる信号の音。人々の歩く音。そこから自分でリズムを見つけ出していきます。

そのリズムを見つけていくと、自分のリズム感が鍛えられていきます。

周りの人にリズムを合わせられるようになったら、次のステップです。

自分の感覚を鍛え、ダンスで表現していきましょう。

以上、ダンス上達のコツ3つでした。ほかにも大事なことがたくさんあるので、また記事にしていきます。

ダンサー体型を目指す筋トレ・体幹トレ

ダンス上達のために身体づくりは欠かせません。身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。

ダンサーのような軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。

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kazu

今回は「ダンス上達のコツ3選」でした。
ありがとうございました。