jazz

ジャズダンスってどんなダンス?
ちゃんとした定義はあるの?
どんな歴史がある?

ジャズダンスは幅が広すぎて、説明するのが本当に難しい…。

ジャズダンスは「ジャズミュージックに合わせて踊るダンス」と思っている人が多いと思います。

間違ってはいないのですが、現在では正解とも言えません。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。ジャズダンスを勉強中

kazu

今回は「ジャズダンスの歴史とジャズダンスという言葉の定義」に関してです。

※3分ほどで読み終わります。僕が習ったことや調べたことをもとに書いていることをご了承ください。

ジャズダンスとは?

ジャズダンスの誕生は1917年。ジャズミュージックに合わせて踊るダンスが「ジャズダンス」でした。

ですが、今のジャズダンスの定義はさらに大きく広がっています。ジャズダンスはさまざまなジャンルのダンスを吸収しているため、あらゆるダンスをつなぐ存在となっています。

これがジャズダンスの特徴であり、成り立ちに由来しています。

アメリカ文化や人種の多様性、歴史、流行した音楽から大きな影響を受けているのがジャズダンスです。

ジャズダンスの歴史(誕生~1900年、アメリカ)

ちなみに1917年まで、ジャズダンスとジャズミュージックは、ほぼ同じルーツをたどることができます。

起源

ジャズダンスには2つの欠かせない要素があります。

1つ目が、アフリカ大陸からアメリカに連れてこられた黒人奴隷たち。

2つ目が、アメリカに逃れたアイルランド人たちです。

アフリカ人

1600年代、黒人奴隷は家族や部族、言葉を取り上げられ、無理やりアメリカに連れてこられます。

1774年の独立宣言のときには75万人、1865年の奴隷解放のときには400万人もの黒人奴隷がいました。

奴隷船での死亡率は8〜25%といわれていて、大西洋を渡った人数は1200万〜2000万人と推定されています。そのためさらに多くの人、とくに働き盛りの若い男性がアメリカ大陸に連れてこられました。

中でもジャズダンスに影響を与えたのがサハラ砂漠よりも南の地域、かつ西部のアフリカです。

この黒人奴隷とともにアフリカンダンスが入ってきました。

大西洋をまたぐ三角貿易 (16~18世紀) の奴隷売買

アフリカンダンスは、部族ごとに特徴的な動きがありました。

アフリカ大陸に散らばっていた黒人たちがアメリカで混ざり合い、さまざまな部族の踊りが融合されていきます。

アフリカンダンス

ジャズダンスのリズムと動きは、アフリカンダンスに大きく影響を受けています。アフリカンダンスの音楽と動きの特徴は「リズム」にあります。

アフリカンダンスは「地を踏み鳴らす」「重心が低い」「ヒザを曲げる」「身体を激しく動かす」といったスタイルです。はだしで大地を感じながら踊り、まるで身体から太鼓のリズムが鳴っているように感じられます。

踊られている地域は、ガンビア、マリ、シエラレオネ、セネガルが中心です。

儀式のため、コミュニケーションのため、歴史を伝えるため、そして日常を楽しむために踊られていました。

ジョフリー・ゴアールがアフリカンダンスにおける6つの特徴を定義しています。

アフリカンダンスの6つの特徴

1:足の裏を全部つける
2:かがんだ姿勢
3:動物をマネる
4:自由に即興で踊る
5:腕はヒジからではなく肩、足はヒザからではなくヒップから外へエネルギッシュに動く
6:勢いのあるリズム

ヨーロッパの様式美と真反対にある踊りです。当時のヨーロッパ人の記録からは「野蛮」という言葉が多く見られます。

1740年代

1740年代、黒人奴隷に対し「禁止条例」が作られます。黒人奴隷による音楽(ドラム)、アフリカンダンスが禁止されてしまいます。

ですが、黒人奴隷たちの「踊りたい」という気持ちは消えず、条例に触れない形で残ります。それがゴスペルやストンプです。

ストンプ

足を強く踏みならすダンス。また、足を踏み鳴らし、ときに手をたたき、ジャズミュージックに合わせて踊るダンス。


(ショーアップされたストンプ。本来は上半身を使わず、足を踏み鳴らするのが純粋なストンプです。)

こうして黒人の文化は残ります。

1817年

ルイジアナ州ニューオリンズでは日曜日の午後、黒人奴隷たちが道路で自由に踊ることが許可されます。

こうしてジャズダンスが発展していくことになります。

アフリカンダンスの特徴であるセクシーに腰を振る動きなど、さまざまな動きが登場します。

過激すぎるという理由で道路が閉鎖されたりということもありましたが、場所を変えダンスがどんどん発展していきました。

アイルランド

さらに、ヨーロッパからアメリカに来た人々のダンス(バレエ、社交ダンスなどなど)も取り入れられ、新たなダンスと変化していきます。中でもジャズダンスで重要な国がアイルランドです。

1700年代、イングランドを追い出されアメリカ大陸にやってきたアイルランド人たち。

とくに1845年~1849年までアイルランドに飢饉が襲います。それでもイングランドから搾取される日々。これによりアイルランド国民の2割が餓死したとされています。

生き残った人々の2割ほどが経済的に苦しみ国外に脱出する人が急増します。その多くがアメリカを目指し、1850年代からの70年間ほどで3,500万人が移民となりました。

そして、アイルランド人と一緒に伝統舞踊であるジッグ・ダンスが入ってきます。

ジッグダンス

ケルトをルーツに持つゲール人は木靴を履く習慣がありました。木の床を踏み鳴らす踊りを楽しんでいて、誰が1番速く踏めるかを競っていました。

数百年かけて「ジッグダンス」となります。

テクニックが進化すると木靴で踊りづらくなり、革靴で踊るようになります。ですが革靴では音が鳴りません。そのため革靴の先に硬貨を靴底につけ音を鳴らすようになります。

ジッグダンスは上半身をあまり動かさない特徴があります。これは寒い地域だったため省エネが目的、と言われています。

それに加え16世紀、アイルランドはイギリスに支配されてしまいます。これによりアイルランド固有のゲール語や伝統文化、もちろんジッグダンスも禁止されてしまいます。

家の中まで監視があったため、窓から覗かれても大丈夫なよう上半身は動かさず下半身だけ動かす踊りが定着したとされています。

アイリッシュダンス

こちらはジッグ・ダンスがさらに洗練されたアイリッシュダンス。1990年代に登場した「リバーダンス」は世界を席巻しました。

アメリカの伝統舞踊

伝統舞踊のことをヴァナキュラーダンスと呼びます。ヴァナキュラー(vernacular)とは「土着の」「その土地固有の」という意味です。

ふつう伝統舞踊は、その国の先住民族のダンスを指します。アメリカの場合、ネイティブアメリカンのはずですがそうではありません。

アメリカのヴァナキュラーダンスは、奴隷として連れてこられた黒人たちの踊りと、ジッグダンスの融合です。

とはいえ踊っていたのは主に黒人たちでした。

ジャズダンスの誕生(1830年代)

「ジャズ」という言葉がいつ登場して、誰が言いはじめたのかは謎のままです。

ですが、いつからか「ジャズ」という言葉が使われはじめました。

ジャズ

足のリズム、手のリズム、歌のリズム、3つの要素を組み合わせたものが「ジャズ」

このときジャズの綴りは「Jass」でした。1917年、オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドが「Jazz」と使いはじめ浸透します。そのためジャズダンスの正式な誕生は1917年という場合もあります。

1830年代は「ジャズダンス」という言葉が誕生した、という方が正確かもしれません。

1840年代「ソフトシューダンス」

そしてジッグダンスから新たな動きが生まれます。それがソフトシューダンスです。

音を立てずにしなやかに踊るダンスです。

跳ねたりすることなく、足の裏を地面にしっかりつけ吸い付くような踊りです。ソフトシューダンスの流れを受けるのがムーンウォークです。

音を鳴らす必要がないため、木靴や固い靴を履かなかったことからソフトシューと名付けられています。

ジッグダンスがのちにタップダンスとなり、ソフトシューダンスがジャズダンスになります。

ジャズダンスとは?

最後にもう一度ジャズダンスについて考えます。

ジャズダンスは、その時代に流行したダンスを吸収していきます。そしてジャズダンスの枠からはみ出したダンスが新たなジャンルとして細分化していきます。

ヒップホップはもともとはジャズダンスから派生しましたが、スタイルが確立されていくとジャズダンスの枠に収まらなくなってしまいました。そしてヒップホップというジャンルが誕生します。

とはいえ、ジャズダンスっぽいヒップホップも存在します。この場合、ジャズヒップホップと呼ばれます。逆にヒップホップの要素が強いジャズダンスのことをヒップホップジャズといいます。

こう考えるとジャズダンスはさまざまなダンスをつなぐ存在と言えます。

ジャズダンスは表現の自由がかなり許されているダンスです。自分の表現したいように踊れるのがジャズダンスです。定義にそこまでこだわりすぎず、どんどん表現してみてください。

ダンサー体型を目指す筋トレ・体幹トレ

ダンス上達のために身体づくりは欠かせません。身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。

ダンサーのような軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。

1,500円ほど。

オンラインレッスン

ルーティーンを持つためにプロに頼ることは、時短かつ効率的です。オンラインレッスンはコスパがよく、先生が一流で、内容も充実しています。

筋トレ・ストレッチ・ヨガ・ピラティスを月3,300円ほどでほぼ受け放題できる「SOELU」。

ヨガに特化した業界大手の「LAVA」は月2,000円ほどでほぼ受け放題です。

ダンサー体型を目指すトレーニング情報をまとめていますので、ぜひご覧ください。

kazu

今回は「ジャズダンスの登場とその定義」の紹介でした。次回に続きます。
ありがとうございました。

次の記事はこちら↓