ニューヨーク・シティ・バレエ団には日本人がいる?
KJ Takahashiさんとは?
どんな経歴の持ち主?
海外のバレエ団で活躍しているたくさんの日本人。同じ日本人が出演していれば応援したくなると思います。
僕はニューヨーク・シティ・バレエ団が大好きなのですが、長い間日本人のダンサーがいませんでした。
そんな中、最近気になる名前がありました。それが「KJ Takahashi」さん。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり
今回はニューヨーク・シティ・バレエ団「KJ Takahashi」さんの紹介です。
※3分ほどで読み終わります。
ニューヨーク・シティ・バレエ団と日本人
1986年に入団した堀内元さん以降、ニューヨーク・シティ・バレエ団に日本人のダンサーの姿はありませんでした。
というのも現在、ニューヨーク・シティ・バレエ団はVISAのサポートをしてくれないため、永住権がない外国人の入団がかなり難しいバレエ団です。
堀内元さんが最後のVISAのサポートを受けたダンサーというのを、昔どこかの記事で読んだ気がします。
堀内元さんはその後プリンシパルに昇進し、15年間活躍しました。
スーパーオールマイティダンサー
「KJ Takahashi」さんはバレエダンサーより、ヒップホップダンサーとしての方が有名です。
ヒップホップのジャンルとしてはフリースタイルの「アニメーション」という部類に入ると思います。とにかく動きがなめらかで、観ていて気持ちいい。
あまりにヒップホップが達者なのでバレエと結びつかなかったのですが、ついに謎が解けました。
経歴
本名「高橋啓」さん。ニューヨーク・シティ・バレエ団では「KJ Takahashi」として名前を登録しています。
ニューヨーク・シティ・バレエ団についてはこちらをどうぞ。
ニューヨーク・シティ・バレエ団の歴史やレパートリー、特徴などをご紹介。日本人のKJ Takahashiさんも在団しています。またサラ・ジェシカ・パーカーが理事をつとめています。
2010年:Ballet Academy of Texas(テキサス・バレエ・アカデミー)でバレエをはじめる
2012年:youtubeにダンスをアップ。一躍有名に
2016年:ニューヨークのSAB(School of American Ballet:スクール・オブ・アメリカン・バレエ)に入学
2019年:ニューヨーク・シティ・バレエ団の研修生に
2021年:ニューヨーク・シティ・バレエ団の正団員に
国籍はわからないですが、日系人という方が適当かもしれません。
マイケル・ジャクソンやマーキューズ・スコット(youtubeの再生回数1億回)に影響を受けヒップホップが大好きだったKJ Takahashiさん。どんどん才能を伸ばします。お父さんがその才能のスゴさからyoutubeにビデオをアップし、あまりのうまさに一気に有名になります。
そして、Ballet Academy of Texas(テキサス・バレエ・アカデミー)でヒップホップのレッスンを本格的に始めます。2~3年がたつと先生からバレエのレッスンをとった方がイイというアドバイスを受けます。
ニューヨークに移動し、15歳のとき受けていたバレエクラスの縁でニューヨーク・シティ・バレエ団の「ロミオとジュリエット」の公演に出演します。はじめてディヴィッド・H・コーク劇場(ニューヨーク・シティ・バレエ団の劇場)に立った時の感想をこう言っています。
「この人たちと一緒にいたい。」
そしてSAB(School of American Ballet:スクール・オブ・アメリカン・バレエ)に入学し、本格的にバレエの技術を磨いていきます。
ヒップホップとの2本柱
バレエのレッスンに通っている間もヒップホップの活動も継続しています。1週間に1本の動画投稿も継続されています。
現在、youtubeの登録者数は驚異の42万人超え。バレエダンサーでありながら、「Xcel Talent Agency」という事務所に所属し、ヒップホップのダンスイベントや大会にゲスト出演を続けています。
ちなみにマキューズ・スコットから「才能がある」とyoutubeで言及されていました。
ニューヨーク・シティ・バレエ団の正団員に
身長がそこまで高くない印象ですが、テクニックが必要な役をたくさん踊っていくことになるんじゃないか、と予想します。
バランシン振付の「タランテラ」。超絶技巧のテクニックが必要なダンスの動画がアップされています。リハーサルと本番が入っています。
ジャンプの高さ、回転速度の速さなどテクニックの強さがありますが、それ以上に音への感性の高さがわかります。
バランシン振付の作品を踊るダンサーとして個性がピタッとハマっていると思います。
コンテンポラリーのテクニック
ニューヨーク・シティ・バレエ団は毎年新作を何本も発表します。
中でもジャスティン・ペックという有名な振付師がいます(2021年公開の映画「ウエストサイド・ストーリー」の振付も行っています)。
ニューヨーク・シティ・バレエ団の常任振付家のジャスティン・ペック。ミュージカル「回転木馬」ではトニー賞最優秀振付賞を受賞。ブノワ賞にノミネート。30代前半の若手振付家の中でも頭一つ飛び抜けていてスピルバーグ版ウエスト・サイド・ストーリーで振付もしています。
ジャスティン・ペックの作品ではスニーカーで踊る作品や、ヒップホップの動きを取り入れた作品があります。
高橋さんに本当にぴったの作品で、観るのがとても楽しみです。高橋さん自身もこう語っています。
「バレエは、ヒップホップとコンテンポラリーダンスをつなぐ存在。ヒップホップの波のような動き、スムーズな動きがコンテンポラリーダンスにすごく役に立っている。」
ジャスティン・ペックの作品「Made This for You」を紹介します。
素敵なメッセージ
高橋さんは、次世代のダンサーにこんなメッセージを残しています。
「バレエダンサーも幼少期にいろいろなジャンルのダンスを経験しておいた方がいい。いろいろなダンスの表現を知っておくことで、ダンスの表現の幅が広がる。」
すでに他の誰とも違うバレエダンサーである高橋さん。ニューヨークに行ったときは要チェックです。

今回は「KJ Takahashi」さんのご紹介でした。 ぜひぜひチェックしてみてください。
ありがとうございました。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。