クレシャは苦悩?
苦悩をヨガで取り除くことができる?
苦悩のメカニズムとは?
ヨガには「幸せになる」のではなく、「不幸な状態を改善していく」という考え方もあります。
不幸には段階があり、自分が現在どこにいるかで対処法が変わる、とヨガは分析しています。
元劇団四季、テーマパークダンサー。ニューヨーク留学中にヨガにハマる。ヨガ歴15年以上でRYT200に挑戦中です
今回は「クレシャ(苦悩)を理解する」方法です。
※3分ほどで読み終わります。
世界幸福度ランキング
生きていれば楽しいこと、ツラいことがあります。果たして日本で生きているのは幸せなのか…。
ということで世界の幸福度ランキング2021年版(2018年-2020年に調査)のご紹介です。
世界幸福度の7つの指標青色:国民一人あたりのGDP
緑色:社会的サポート(困った時に助けてくれるものや信頼できる人がいるか)
黄緑色:健康寿命
黄色:人生選択の自由(人生で何をするか選択の自由があるか)
赤色:気前のよさ(過去1カ月にいくら募金したか)
オレンジ色:汚職や腐敗の認知(国やビジネスに汚職・腐敗が蔓延しているか)
紫色:世界最低の国の平均値(2.43)と3年間の調査で出た各国の残余値国連世界幸福度ランキング2021年版
日本は149カ国中、56位と決して高い数字ではありません。
ただし、前回は62位だったので6つ順位は上がっています。とはいえまだまだ改善の余地がありそうです。
今回は幸福を追求するのでなく、苦しみをなくす、という方法を紹介していきます。
『ヨーガ・スートラ』
ヨガには『ヨーガ・スートラ』という紀元後300年~400年頃に
「心の活動を止めることで魂を安定させることがヨガの目的である」と『ヨーガ・スートラ』に書かれています。
魂が安定していれば心が浮き沈みしても大きな影響を受けることなく生活することができるようになります。
ヨガをデジタルデトックスのヒントとして使うこともおススメです。
心の浮き沈みの原因をクレシャ(苦悩)と言います。
クレシャ(KRESHA)
クレシャは「毒」という意味があります。クレシャがある、とは苦悩のある状態のことで、苦悩は浄化していく必要があります。
そのために、苦悩のメカニズムをヨガが分析しています。
1:アヴィデヤ(間違った知識)
2:アスミタ(エゴ)
3:ラーガ(いい思い出に基づく執着)
4:ドヴェイシャ(悪い思い出に基づく執着)
5:アヴィニベイサ(死への恐怖)
なかなかわかりにくいので、「誤解からこじれてしまう人間関係」を例に考えていきます。
1:アヴィデヤ、2:アスミタ、3:ラーガ、4:ドヴェイシャ
自分のことを嫌っているんじゃないか、と感じているとします。その人の態度から、つい自分も相手に冷たい態度をとってしまったとします。すると、その人も自分への印象が悪くなってしまいます。そこから負の連鎖が続き、仲がこじれてしまうことがあります。実際には何もなかったはずなのに、ちょっとした勘違いから間違った方向に行ってしまいました…。
間違った知識(1:アヴィデヤ)から、被害妄想が生まれてしまいました。被害者意識がどんどん強くなることで相手への不満が大きくなっていきます。悪いのは相手で自分ではない、自分が間違っているはずはない、というエゴ(2:アスミタ)に発展してしまいます。エゴは自分を傷つけます。
もしこの2人が以前楽しく会話していたとしたら、その記憶から「あのときはあんなに楽しくしていたのに…」「きっと自分のことを嫌いだからあんな態度をとったんだ」と決めつけてしまうこともあります(3:ラーガ)。
多くの人が過去に人間関係がこじれてしまったという経験を持っていると思います(4:ドヴェイシャ)。今回の件とは何も関係ないはずなのに、昔の違う記憶とリンクしてしまうことがあります。被害妄想が強い状態では、心が悪い方向へ行きやすい状態になってしまいます。その結果、さらにさらに関係が悪化してしまう…。
これが1番目~4番目までのクレシャの流れです。
5:アヴィニベイサ
5番目の状態は、1番目~4番目に関係なくいきなり襲ってくることがあるので別に考えます。
本来、死への恐怖は「誰かに殺される」という具体的な状態でない限り身近なものではありません。ですが、そうした状態にないにも関わらず死への恐怖を感じてしまうことがあります。
特に苦悩が深くなると、漠然と「ただ死をただ恐れてしまう」という状態にまでいたってしまうこともあります。
この状態で甘い言葉をかけられてしまうとコロッと傾いてしまい、人生でとんでもないことが起こることもあります。詐欺に近い新興宗教、ネズミ講などなど。
気をつけていきましょう。
クレシャの深刻度
クレシャの状態は4つの段階に分けることができ、どの段階にいるかでどれだけ深刻かわかります。
1:プラスプタ(よく眠れない状態)
2:タヌ(心が色々なことを考えている)
3:ヴィッチンナ(問題を認識している)
4:ウダーラナム(完全に苦悩が表面化し解決できない)
4つの段階は、身体の浄化作用に似ています。
身体に害のあるウイルスが体内に入ったとします。睡眠不足だと身体の浄化作用がうまく働きません(1:プラスプタ)。そうこうしているうちにウイルスがどんどん増殖してしまいます(2:タヌ)。知らないうちに、身体の内部で疲労がどんどん蓄積されていきます。すると身体がSOSのサインとして熱や痛みを発します(3:ヴィッチンナ)。ようやく身体に問題があることに気づきます。ですが、この状態を放っておくと何が原因かわからず、取り返しがつかなくなってしまうことがあります(4:ウダーラナム)。
段階ごとに対処法があり、自分がどの段階にいるかをまず理解する必要があります。若い番号に近いほど、対処が楽になります。その時点で解決するのが理想ですが、第4段階になったとしても冷静に対処していきます。そして、ステップをどんどん若くしていくことを目標にしていきます。
クレシャを理解し自分を見つめることで、今どの段階にいるか、どう対処するか、冷静に考える時間をヨガで作っていきます。
以上、クレシャの紹介でした。
ヨガを深める
最後にヨガのポーズだけでなく哲学や食事など幅広い内容がつまっている本を紹介します。
3,500円ほどで、この1冊あれば大満足という内容です。
機能的な身体を目指す筋トレ・体幹トレ
軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。
身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。
1日10分、6種類の種目、10ステップ、3レベルに分かれている自体重トレーニングの囚人トレーニング。トレーニング内容を全部紹介しています。
1,500円ほど。
オンラインレッスン
独自のメニュー(ルーティーン)を持つためにプロに頼ることは、時短かつ効率的です。オンラインレッスンはコスパがよく、先生が一流で、内容も充実しています。
筋トレ・ストレッチ・ヨガ・ピラティスを月3,300円ほどでほぼ受け放題できる「SOELU」。
ヨガに特化した業界大手の「LAVA」は月2,000円ほどでほぼ受け放題です。
ヨガ講師の資格であるRYT200はオンラインでも取得できます。通常50万ほどかかりますが、オンラインだと12万ほどです。
ヨガの情報はこちらでまとめているので、ぜひご覧ください。
ヨガをもう少し深めたい人に向けた記事です。宗教性が苦手な人にもライトな観点からヨガを見つめます。

今回は「クレシャ」についてでした。
どうもありがとうございました。
トレーニング情報もぜひご覧ください。
ダンス上達のための身体の使い方、トレーニングの方法、体幹トレーニングについてまとめています。ピラティスやヨガもご紹介します。