jazz

リアム・スカーレットのセクハラ問題とは?
実際にどんな事件が?
ダンサーからも不満が噴出?

英国ロイヤルバレエ団の常任振付家として大活躍していたリアム・スカーレット。2019年9月から停職状態になっていましたが、2020年3月正式に解雇が決定しました。英国ロイヤルバレエ団は今後一切リアム・スカーレットと仕事をしないことを発表しています。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。

kazu

今回は「リアム・スカーレットのセクハラ問題」に関してです。

※3分ほどで読み終わる記事です。この記事は非常にナイーブな内容を含むので不快に思う方はお戻りください。

バレエ界の闇。リアム・スカーレットがセクハラ問題で2020年3月に解雇

デイリーメール紙

2021年4月16日に死亡か…

4月17日SNS上に「リアム・スカーレット死亡」「自殺か…」のニュースが飛び交いました。この件に関してはこちらに時系列で載せています。

未成年の男子生徒10人ほどに性的違法行為

英国ロイヤル・バレエ団の常任振付家であったリアム・スカーレットが性的違法行為で職を解任されました。

リアム・スカーレットの経歴

リアム・スカーレットはイギリスでかなり期待されていて、2012年、若干26歳で常任振付家に抜擢されました。そして、それ以来高い評価を得ていました。

2005年:英国ロイヤル・バレエ団にダンサーとして入団
2010年:英国ロイヤル・バレエ団で振付作品を発表
2012年:若干26歳で常任振付家に抜擢、ダンサーを引退
2018年:31年ぶりに「白鳥の湖」を改定

イギリスの伝説的な振付家であるケネス・マクミラン以来の振付家といわれていました。

リアム・スカーレットは英国ロイヤル・バレエ団で新作を次々に発表し、大作「白鳥の湖」の改訂を31年ぶりにおこないました(2018年)。

物語性の強い作品が多く、リアム・スカーレット作品のファンは多くいました。インタビューをみると、とても落ち着いていて理知的な印象があったので、性的違法行為のニュースは衝撃となりました。

デイリーメール紙(イギリスでもっとも古いタブロイド紙)に詳しい内容が書かれているので、翻訳しつつ引用していきます。

性的違法行為(sexual misconduct)とは?

記事ではリアム・スカーレットは「sexual misconduct」をした、と書かれています。この「sexual misconduct」とは、性的違法行為であるものの重罪の性的暴力よりも攻撃的ではない性質の行為です。

今回リアム・スカーレットは性的違法行為として訴えられました。ですが確証となる物的証拠が見つからなかったため、警察に捕まることはありませんでした。とはいえ、事態を重くみた英国ロイヤル・バレエ団がリアム・スカーレットを解雇しました。というのも証言する人数が多く、そのすべてに信憑性があったようです。

ただし、英国ロイヤル・バレエ団は「これ以上リアム・スカーレットを追求することはない」と公式に発表しています。そのため、刑事事件に発展することはないと思われます。

ポイント

刑事訴追されていない、第三者委員会の調査で確証が見つからなかった = 性的違法行為がなかった

ということではありません。

性的違法行為はあったものの証拠が見つからなかった、という見方が正しいようです。

この判断には英国ロイヤル・バレエ団自身の責任という点も加味されているように思います。バレエ団としてリアム・スカーレットをなぜ止められなかったのか、問題が残る結果となりました。

内容

2019年9月以前:英国ロイヤルスクール(英国ロイヤル・バレエ団付属の学校)の生徒たちから告発
2019年9月:英国ロイヤル・バレエ団、常任振付師の停職
2020年1月:リアム・スカーレットのセクハラ疑惑が報道
2020年3月:英国ロイヤル・バレエ団が契約解除。今後契約しないと発表

リアム・スカーレットは英国ロイヤルスクールの上級生10人ほどに性的違法行為をしました。この生徒たちは全員18歳以下です。その内容は、「裸の写真を送るよう要求した」というものも含まれます。

ある生徒が「リアム・スカーレットにうまく乗せられて、裸の写真や性的なメッセージのやり取りをしてしまった」と証言しています。リアム・スカーレットはフェイスブックを使い、10人ほどの男子生徒とやり取りをしていたようです。それだけでなく、体を触る、男性器の話をする、着替えの最中にロッカーに入る、ということもあったようです。

こうした証言が具体的かつ人数も多かったことから、実際に性的違法行為があったと認識されたようです。

生徒の告発

リアム・スカーレットからこう言われたそうです。

「ダンサーである以上、すべてのことに『はい』という訓練をしなければいけない。ダンサーの世界は厳しい。振付家など(権力がある)に指示を与えられたら、即答できるようにしなければ競争に負けてしまう。」

コカイン、パワハラ疑惑

この記事では性的違法行為だけでなく、コカインやパワハラ疑惑も載っています。記事にはダンサーやスタッフへの調査内容が引用されています。

ダンサー数人とコカインを吸っていたという情報がリークされています。

そして、スタッフにたびたび暴言を吐いていたり、ダンサーやスタッフをいじめることを楽しんでいたように見えた、との証言もありました。とくにダンサーがリアム・スカーレットに意見を言う空気がなく、若手のダンサーはツラい状況にあったそうです。

リアム・スカーレットの作品は人気があり、チケットも完売していました。人気作品から自分が締め出される可能性があるため、誰も文句を言えなかったようです。リアム・スカーレットは文句を言わないダンサーにキャストを交換することもあった、という調査結果も出ているようです。

どこまで真実かわかりませんが、これだけ話が出てくるということは何かしら問題があったと推測されます。

「白鳥の湖」は上演されるのか?

英国ロイヤル・バレエ団は大きな決断を迫られます。2018年、31年ぶりにリアム・スカーレットが「白鳥の湖」を改訂しました。このときの制作費は莫大です。

「白鳥の湖」はバレエ団にとってドル箱といえる作品で、毎年上演するような作品です。

今後上演していくのか、が気になるところです。

NHKで2020年11月に放送

このリアム・スカーレットに関して気になる問題が日本でありました。2020年11月29日NHKのBSプレミアム「プレミアムシアター」でリアム・スカーレット版「白鳥の湖」の放送がありました。

性的違法行為で解雇された人物の作品を公共放送で流してしまう…。これは問題だと思います。

めがね

このことが問題にならないほど、バレエが注目されてないんだな…、と悲しくなりました。

2018年、ニューヨーク・シティ・バレエ団でもセクハラ疑惑により芸術監督やプリンシパルダンサーが解任される事件が起きました。こちらは「Me Too運動」に触発されたものと思われ、世界中のバレエ団でセクハラやパワハラを考えるきっかけとなっています。

kazu

今回はリアム・スカーレットの性的違法行為に関してでした。
ありがとうございました。