この記事からわかる3つのポイント
MP関節とは?
土踏まずを上げるとは?
MP関節を鍛えるには?
足裏の安定は、ダンスやスポーツのパフォーマンスに左右します。中でも、理想の土踏まず(足裏アーチ)の鍵となるのが「MP関節」と「踵(かかと)」です。MP関節は聞き慣れない用語かもしれません。ですが、正しい使い方をマスターすると足裏のクッション性や反発力が高まり、パフォーマンス向上・ケガ予防に大きな効果をもたらします。
今回は、MP関節の基礎知識から、具体的なトレーニング法までを詳しく解説します。
元劇団四季、テーマパークダンサー。海外留学でダンスや身体づくりを学びました。ダンス、ヨガ(RYT200取得)、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています。
※ 3分ほどで読み終わります。
土踏まず
ダンスやバレエのレッスンでよく聞く「土踏まずを上げて!」という言葉。
実際にどうやって上げるのか迷った経験はありませんか?
土踏まずとは、足裏にあるアーチのことです。このアーチが安定していると、足全体のクッション性や反発力が向上し、衝撃吸収やバランス保持に優れた状態となります。この理想の土踏まずを作るためのキーワードが「MP関節」です。
なぜ土踏まずを上げる必要があるのか?
- 衝撃吸収力の向上
- 反発力が増し、パフォーマンス向上
- ケガのリスク軽減・疲労軽減
MP関節と踵(かかと):基礎の理解
MP関節とは、足の「
チェックリスト
- MP関節の理解: 趾骨と中足骨の連結部分を意識する
- MP関節を床方向にグッと押す感覚を養う
- 踵も同時に押しつける
足裏アーチの構造
土踏まずがあるということは、足裏に「縦アーチ」と「横アーチ」が形成されているということです。
「シルヴィア・オンラインストア」より
- 縦アーチ: MP関節から踵までのライン。衝撃吸収の役割を果たす。
- 横アーチ: 中足骨の中心部が床から浮くことで生じ、足裏全体に弾力と安定性を与える。
さらに、縦アーチは親指側の内側縦アーチと、小指側の外側縦アーチの2種類に分かれ、合わせて3方向のアーチがあります。まるで空気がパンパンに入ったボールを踏むようなクッション機能が得られます。結果として、ケガのリスクが低下し、疲れにくい足裏を実現できます。
チェックリスト
- 縦アーチの形成: MP関節~踵のライン
- 横アーチの確認: 中足骨の中心部が浮いている状態
- 内側・外側縦アーチ: 合計3方向のサポート
注目されるMP関節
ダンスの世界やスポーツ科学の分野では、MP関節と土踏まずの重要性が再認識されています。バレエなどのダンスでは、足先までしなやかに伸ばすだけでなく、床を押す力が求められます。プロのダンサーは経験的に、足指の付け根(MP関節)を床に押しつけて土踏まずを作ることが、美しい姿勢や高いジャンプにつながると知っています。つま先立ち(ルルベ)の際にMP関節が曲がり、土踏まずがぐっと持ち上がることで、足全体が強く使われ、バランス良く立てるようになります。
一方、スポーツ科学の観点からも足裏の「コア」とも言われる内在筋(足の小さな筋肉群)の強化が注目されています。
研究によれば、土踏まずを支える筋肉を鍛えることでバランス能力が向上し、膝や足首への負担軽減、ケガ予防に役立つことがわかってきました。特に走ったり跳んだりする動作では、かかとからつま先へ体重移動する際にMP関節が滑らかに曲がることが重要です。土踏まずがしっかり保持されていればMP関節も十分に可動し、強い蹴り出しが可能になります。しかし、偏平足などでアーチが低下しているとMP関節がうまく曲がらず、踏み込みが弱くなったり「ペタペタ歩き」になってしまうことがあります。
ダンスの感覚的な知識とスポーツ科学のデータに基づく知見の双方から、MP関節と土踏まずの連動がクローズアップされています。足元を整えることが全身の安定性やパフォーマンスに直結するため、近年はアスリートもダンサーも積極的に足裏のトレーニングを取り入れるようになっています。
土踏まずを上げる方法
土踏まずを上げるためのプロセスは、2ステップです。まず、①MP関節と②踵を床に押し付けることで、自然に3方向のアーチが形成されます。次に、これに伴い浮いてくる③足指を意識的に床に押し付けると、さらなる高さと反発力が得られます。
チェックリスト
- MP関節と踵を押す
- 床方向にをグッと押し付ける
- 足指を床に押し付ける
- 浮いた足指をしっかり床に密着させる
また、ダンスでルルベ(つま先立ち)の際、足指が丸まりやすいため、「ハンマートウ(屈み指)」状態(下記画像の一番左)にならないよう十分伸ばします。
トレーニング前のウォームアップ:足裏ほぐし法
トレーニング前には、足裏だけでなく、ふくらはぎや足全体のストレッチで可動域を広げ、温めることが重要です。効果的なウォームアップアイテムとその使い方をご紹介します。
おすすめアイテム3選|使い方
1:フットローラー
1,000円ほど。
- 使い方:
- 土踏まずをローラーに乗せ、体重をかけながら10往復
- ローラーの位置を内側、外側、踵側、つま先側に移動し各5往復
- 最後に気になる部分を再度10往復
2:マッサージガン
- 特徴:振動で筋膜リリースを促し、足裏のコリを解消。
- 使い方:足裏全体にマッサージガンを当てるだけ。1分~3分ほど。
手頃な価格のモデルも数多く登場しています。
3:かっさプレート
- 使い方:天然石やステンレス製のプレートで、そのまま、またはクリームを使いながら足裏をこする
3,000円ほど。全身、顔にも使えます。
1,100円ほど。
ふくらはぎ用
フォームローラーは、足裏やふくらはぎの筋膜リリースに最適なアイテムです。左右に転がして筋肉の緊張をほぐし、柔軟性と血流を改善しましょう。
- 使い方: ふくらはぎ全体を左右に転がしてほぐす
1,200円ほど。
高品質版です。
足裏トレーニング|3選
普段あまり意識されにくい足裏の筋肉や柔軟性を高めることで、歩行やランニング、ダンスなどの日常動作はもちろん、スポーツパフォーマンスの向上や怪我の予防にも大きな効果が期待できます。
ドーミング
足指を床に押し付けながら、意識的に土踏まずを上げるシンプルなトレーニングです。
- 手順:
- 足指の腹つけたまま、土踏まずを上げる動作を10回繰り返す
指が丸まらないように注意です。
カーフレイズ(つま先立ち運動)の解説
カーフレイズは、ふくらはぎ(腓腹筋やヒラメ筋)を中心に下肢全体の安定性を高める基本的な自重トレーニングです。
- 手順:
-
スタンスを決める:
足を肩幅程度に開いて立ち、足全体を均等に床につけます。姿勢はまっすぐに保ち、背筋を伸ばします。 -
つま先立ち:
ゆっくりとかかとを持ち上げ、つま先で体重を支えながら立ち上がります。このとき、ふくらはぎの筋肉が収縮して、足裏の土踏まずにも意識が向きます。上げた状態で数秒キープすることで、筋肉に十分な刺激を与えます。 -
ゆっくりとかかとを下ろす:
かかとを床に戻す際も、急がずにゆっくりと下ろすことで筋肉の伸長を意識します。これにより、筋肉の柔軟性と耐久性が向上します。
足裏・足指強化トレーニング
仰向けになり、足裏と足指を壁にピタッと付け、足全体のラインを整える
- 手順:
- 仰向けで足を伸ばす
- 下腹に力を入れ足を支える
- ヒザと背中をしっかり床に接地、ねじれないよう注意
- 足裏と足指を壁に押し付け、1分~3分キープ
この画像だと足の指が壁についていないですが、壁に足裏をピッタリつけます。まずは低い位置からはじめましょう。
かかとプッシュ(カカトを押すトレーニング)
ヨガブロックを利用して、バレエの基本ポジションでカカトにしっかり力を入れる動作です。
- 手順:
- ヨガブロックを用意する
- バレエのポジション1番、または6番でカカトをブロックに乗せる
- 足指を広げ、カカトを床に押し込む
- プリエ動作でさらに深く押し込む
ヨガストラップつきで3,000円ほど。
日常生活|足指パッドの活用
トレーニング中だけでなく、日常的に足裏の3点(MP関節、踵、足指)を意識するのは難しいため、足指パッドなどのサポートグッズが有効です。
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- PROタイプ:
- 硬めの質感で耐久性に優れる
- 価格: 約2,000円(解説本付き)
- PROタイプ:
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- 通常タイプ:
- 柔らかい使用感だが耐久性はやや劣る
- 価格: 約1,600円
- 通常タイプ:
まとめ
- ポイント:
- MP関節に床方向の力を加え、踵と連動させる
- 足裏は縦アーチ、横アーチ、内側・外側縦アーチの3方向でサポート
- 浮いた足指を床に押し付け、理想の土踏まずと反発力を実現
- トレーニング前の十分なウォームアップと、サポートグッズの活用
- 全身のバランスを整えるため、筋トレ・体幹トレも積極的に取り入れる
- 効果:
- パフォーマンス向上(ダンス、スポーツ)
- ケガの予防、足の疲労軽減
- 快適な足運びと高い反発力の実現
MP関節を理解したら、床反力に挑戦してみてください。
今回は、MP関節を中心に、理想の土踏まずを実現するための具体的な方法やトレーニングについて解説しました。
ダンサー体型を目指すトレーニング情報はこちらにまとめています。

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