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筋膜リリースとは?
身体の不調を整える?
自分でメンテナンスできる?
身体のメンテナンスとして注目される筋膜リリース。
「圧をかけて皮膚を押す」という簡単なメンテナンス方法です。
元劇団四季、テーマパークダンサー。海外留学でダンスや身体づくりを学びました。ダンス、ヨガ(RYT200取得)、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています。
今回は、「筋膜リリースについて」です。
※ 3分ほどで読み終わります。
筋膜リリースの効果
筋膜リリースの効果で重要な2点はこちらです。
・身体の歪みの改善
・血流アップ
疲労が溜まりにくくなり、日常生活が楽になりやすいです。
タイミング
運動においては、ウォーミングアップの前に行います。
日常生活では、朝に行うのがオススメです。
筋膜とは
「筋膜」は、筋肉を包んでいるガーゼ状の膜で、身体全体にはりめぐらされています。
浅筋膜、深筋膜は全身をクモの巣状に覆っていて、大きな1枚の布のようになっていると考えられています。
筋肉は、筋繊維が集まっています。
この筋繊維を包んでいるのが筋内膜、筋内膜を包む筋周膜、筋周膜を包むのが筋外膜です。
筋肉の中と周辺には、血管、リンパ管も通っています。
老廃物を排出
血管には老廃物を除去する働きがあり、二酸化炭素やアンモニアを排出します。
リンパ管を通るリンパ液は、余分な脂肪やたんぱく質など、老廃物を含んだ水分です。リンパ管の途中にリンパ節という細菌などの有害物質をさえぎるフィルターがあります。リンパ節でせき止められた老廃物が血管に送られます。
筋肉や筋膜が硬くなると、排出機能が悪くなってしまいます。
筋膜の構造
「筋膜」は、タンパク質の「コラーゲン繊維」と「エラスチン線維」でできています。
どちらも通常は、適度にゆるい状態です。
コラーゲン線維:強くしなやかな性質を持つが、伸縮性はない
エラスチン線維:弾力があり、伸縮性がある
筋肉と筋膜の間には、吸水性の高いコットンのような
癒着
同じ姿勢を取り続けていたり、無理な姿勢を取ったり、ぶつけたり、炎症を起こすと、筋膜は硬くなり縮みます。全身の筋膜が引っ張られ、本来きれいに広がっている筋膜にヨレが出ます。
このヨレが
癒着してしまうと筋肉が硬くなり、コリや痛みにつながります。
血流が悪くなり、栄養の供給が不足したり、老廃物が除去されにくくなります。
筋膜リリース
筋膜リリースは、筋膜の
・血流改善
・リンパの流れが改善
・腰痛、肩こり改善
・柔軟性アップ
・可動域が広がる
筋膜を通常の状態に戻します。
すると筋肉の理想の状態である、弾力ある状態に戻っていきます。
コリを助長する?
しかし、間違った筋膜リリースでは逆にダメージを与えたり、筋肉が硬くなることがあります。
筋肉の「防御反応」によるものです。
身体に圧力がかかると、筋肉は骨や内臓を守るために硬くなる
筋膜リリースでも力を入れすぎると揉み返しが起こるので注意しましょう。
筋膜リリースのメカニズム
筋肉と筋膜の間には水分があります。癒着すると水分の通り道がなくなります。
その両側に圧をかけることで水分が通るようになり繊維がほぐれていきます。
コラーゲン線維にしなやかさを戻すこと、エラスチン線維に弾力を戻すことで、筋膜の癒着が取れていきます。
ストレッチで筋膜リリースする場合、このような方法があります。
1:最初の10秒ほどでエラスチン線維が伸びる
2:伸縮性のないコラーゲン繊維により伸びが止まるため、気持ちいいところで止めじっくり伸ばす
3:90秒 ほど伸ばすとコラーゲン線維の制限が解放され、筋膜のねじれが元に戻る
方法
手で圧をかけるだけでも筋膜リリースは可能です。
身体を温め、自分で硬くなったと思う部分を押していきます。
とくに下記の赤い丸で囲った部分が硬くなりやすいです。
道具を使わない筋膜リリースでは、この本がオススメです。
2,000円ほど。
ただ、じっくりやるため時間がかかります。
そのため、道具を使った方が効率的です。
道具:4つの方法
道具を使う方法は4種類あり、時短になります。
・マッサージガン(パワープレート)
・フォームローラー:一番人気
・カッサ
・EMS
一番の方法は「細かく振動させること」です。
身体に負担なく癒着を取ることができます。
マッサージガン
マッサージガンは筋膜を細かく振動させることができるので、筋膜リリースの一番の方法とされています。
自分で簡単にできるにも関わらず、全身を脱力できるので、筋肉をリラックスした状態でほぐすことができ、かつ力加減が的確です。
方法:イタ気持ちいい場所を探し、30秒ほど圧をかける
ほぐす場所
足は、前面、外側、内側、裏側、4方向からほぐしていきます。
もし痛い部分がない場合は、その部位の筋膜はほぐれているので圧をかける必要はありません。
24,000円ほど。高価ですが、信頼できるマッサージガンです。
お手軽なタイプもあります。
5,000円ほど。
ストレッチと併用がおすすめで筋膜リリースについての解説もしています。コリは振動によって解消されていくのでマッサージガンはかなり有効です。オススメ2選も紹介しています。
ぶるぶるマシン
パワープレートという「ぶるぶるマシン」があります。こちらもケアにオススメです。
正規品だと100万を超えてしまうので類似品の紹介です。
30,000円ほど。本物にかなり近いです。
15,000円ほど。パワープレートに比べると振動は単純ですが、似た効果を感じることが可能です。
フォームローラー
フォームローラーを使って癒着した部位をコロコロしていきます。
筋膜リリースで一番有名な方法だと思います。
コロコロする部位はこちらです。
1:コロコロして痛い部位を探す
2:フォームローラーを動かさずに圧をかける(30秒)
注意:力加減はイタ気持ちいい程度に留める
ほぐす部位はマッサージガンと同じです。
コロコロして痛みが出る部分を探し、見つけたら圧をかけます。足は、前面、外側、内側、裏側、4方向からほぐしていきます。
このときに痛い部分がない場合は、その部位の筋膜はほぐれているので圧をかける必要はありません。
フォームローラーの決定版ともいえる商品です。
コスパの高い商品です。
使い方はかんたんですが、本があると便利です。
500円ほど。これさえわかっていれば大丈夫という知識が載っています。
コロコロするとマッサージに効果が傾きます。そのため、筋膜リリースでは動かさずに圧をかけます。
カッサ
次にカッサプレートという独特の形をした平たい板を使う方法です。
ステンレス製のカッサプレートです。
1:まず優しく10回ほど肌をなぞる(コリのある部分を探す)
2:コッているっている部分をさらに10回ほど軽くなぞる
3:手を使い身体の外側に向かってコリをギューっと3回ほど流す
カッサをする際はボディークリームを使ったほうが滑りがよくなります。
ちなみにカッサプレートは、スプーンの柄で代用可能です。
ご自身に合うものを使いましょう。
EMS(中周波)
中周波という電気信号(1000Hz-2000Hzの周波数)で筋肉を動かします。
中周波で筋肉を刺激すると、強制的に収縮します。中周波を30分流すと腹筋800回分相当の運動効果が得られるといわれます。
皮膚から 3cm~4cm にある内部の筋肉に刺激を与え、筋膜をほぐします。
医療現場では、筋肉痛や腫れの治療をはじめ、筋萎縮の防止・改善、手先・足先への血液循環の促進に用いられたり、高齢者のリハビリに使用されています。また、シミの除去に使用されることもあります。
効率的ですが高額です。4万ほど。
肌に水分があると電気の浸透がよくなります。
肌に霧吹きや、ローションなどを塗り、湿った状態にするのがオススメです。
水分補給
筋膜リリースの後は常温の水をコップ 1~2杯 飲みましょう。
老廃物を流す助けになります。
ヒアルロン酸の補給
筋膜の滑りを良くするためにヒアルロン酸の補給もオススメです。
ヒアルロン酸 1g で「約 6リットル」の水分を保持すると言われます。
サプリメントで摂取したヒアルロン酸は、胃や小腸では分解されず、大腸の腸内細菌によって分解されることが解明されています。そして、血液中に入り全身に循環していきます。
1,000円ほど。
注意点
筋膜リリースでは、圧をかけすぎないのがポイントです。
ストレッチでは負荷を強めにかけることもありますが、筋膜リリースではイタ気持ちいいところまでにしましょう。
「捻挫」「骨折」「ヘルニア」「関節の変形」などのケガに関しては、お医者さんに見てもらいましょう。
筋膜とファシア
筋膜にとても似た「ファシア」というものがあります。
ガーゼ状の膜と、立体上の糸で構成されていて、筋肉だけでなく、身体のすべての臓器、骨、神経を覆っています。
ファシアは臓器の動きを滑らかし、位置を保っています。
「筋膜」はファシアの一部です。
筋膜リリースをすると臓器の位置が元に戻る、という説明もありますが、それはあくまでも二次的な効果です。
この点はご注意ください。
より詳しくはこちらで紹介しています。
日本整形内科学研究会は「筋膜」の定義が広すぎる、と忠告を出しています。ファシアリリース、ハイドロリリース(筋膜リリース注射)とともに、筋膜リリースの注意点をご紹介します。
シルク・ドゥ・ソレイユ
筋膜リリースが登場したとき、シルク・ドゥ・ソレイユのマッサージを思い出しました。
たまたま見ていた密着取材の番組で、パフォーマーの身体のメンテナンスに関しての紹介がありました。20年以上前だと思います。
そこで身体のメンテナンスをするトレーナーが登場します。優しくさするだけのマッサージが紹介されていました。
僕はマッサージでグイグイ押されるのがあまり得意ではないので、シルク・ドゥ・ソレイユのゆるいマッサージを見て、「あ、気が合うな」と感じました。
この優しくさするという行為こそ「筋膜リリース」だったんじゃないか、と今は思います。
毎日パフォーマンスを行うアスリートのためには、マッサージよりも筋膜リリースがオススメです。
ダンサー体型を目指す筋トレ・体幹トレ
ダンサーのような軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。
自体重トレーニングは、継続しやすいプリズナートレーニングがオススメです。
2,200円ほど。
1日10分、6種類の種目、10ステップ、3レベルに分かれている自体重トレーニングの囚人トレーニング。トレーニング内容を全部紹介しています。
オンラインレッスン
ルーティーンを作るためにプロを利用するのもオススメです。オンラインレッスンはコスパがかなりよく、一流の先生かつ、内容のクオリティが高いです。
業界大手のヨガスタジオ「LAVA」は月2,000円ほどでほぼ受け放題です。ヨガ・ピラティスでけでなくトレーニング・筋トレ・ストレッチなどヨガ以外のフィットネス動画も豊富です。
筋トレ・ストレッチ・ヨガ・ピラティスなどなど膨大なアーカイブを月3,000円ほどでほぼ受け放題できる「SOELU」。
身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。

今回は、「筋膜リリース」についてでした。
ありがとうございました。
ダンサーのような身体を目指すトレーニング情報はこちらにまとめています。
ダンス上達のための身体の使い方、トレーニングの方法、体幹トレーニングについてまとめています。ピラティスやヨガもご紹介します。