
新国立劇場オペラパレスとは?
オススメの席は?
劇場でのマナーは?
新国立劇場オペラパレスは、京王新線「初台」駅直結という抜群のアクセスに加え、オペラ、バレエ、演劇など舞台芸術の最高峰を体感できる劇場です。初めての方でも安心して鑑賞できるよう、充実したサービスと細やかな設備が整っています。
本記事では、バレエ公演に焦点を当て、座席選びのコツから観劇マナー、さらにはお得な割引情報まで、劇場を最大限に楽しむためのポイントをわかりやすくご紹介します。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。
※ 3分ほどで読み終わります。
オペラパレスの特徴
新国立劇場ホームページより
オペラ部門の紹介動画ですが、わかりやすいため引用します。
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会場の魅力
- 全席1,806席の広々とした空間。
- 明るい全面ガラス張りのロビーや、充実したサービス(無料クローク、エアウィーブクッション貸出など)により、快適な鑑賞体験が可能。
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舞台設備
- 四面舞台のプロセニアム形式を採用しており、大がかりな舞台転換ができるため迫力ある演出を実現。
- 常設のオーケストラピットでは120人規模の生演奏が楽しめ、音響面も高評価。
アクセスと周辺環境
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アクセス
- 京王新線「初台」駅直結で、公共交通機関を利用する場合も非常に便利。
- 劇場内は3つのホールがひとつの建物にまとまっているため、館内移動もスムーズです。
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周辺施設
- 劇場周辺には飲食店やカフェ、休憩スペースも充実しており、観劇前後の時間もゆったり楽しめます。
「新国立劇場ホームページ」より
新国立劇場バレエ団|伝統と革新が響き合う舞台
バレエ初心者にぴったりの新国立劇場バレエ団は、オペラパレスを拠点に、王道の『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『眠れる森の美女』、『ドン・キホーテ』、『ジゼル』など、誰もが親しみやすい名作を上演しています。国からの補助を受けることで、他の大規模バレエ団と比べても手頃なチケット価格を実現。しかし、時代とともに徐々に値上がりしているのも事実です。
かつてデヴィッド・ビントレーが芸術監督を務めた時代から、バレエ団はその個性豊かなダンサーと斬新なレパートリーで劇場の色を一変。現在は、英国ロイヤルバレエ団で実績を積んだ吉田都さんが芸術監督に就任し、さらなる進化を遂げています。
大劇場|オペラパレス
新国立劇場オペラパレスは、総席数1,806席を誇る広大な劇場。快適な鑑賞空間を実現するため、各座席にはエアウィーブ製のクッションが設置され、座り心地は抜群です。さらに、小さな子供でも安心して鑑賞できるよう、座席の高さを調整する専用クッションの貸出しなど、細やかなサービスが充実しています。劇場内には小さいもののエレベーターが整備されています。重厚感にとらわれない明るいロビーは全面ガラス張りで、太陽光がふんだんに差し込み、訪れる人々を温かく迎え入れます。
エンタメールより
バレエ鑑賞を極める|座席選びのポイント
新国立劇場バレエ団の座席は、S席、A席、B席、C席、D席、そして当日限定のZ席と、細かくランク分けされています。最高峰のS席は良好な視認性を誇ります。
「新国立劇場バレエ団ホームページ」より
S席について
S席は、舞台がよく見える好座席です。特に1階席の16列目は、前方に広めの通路が設けられている上に高さがあるため非常に視認性が高くなっています。20列目以降になると、舞台からの距離は少し遠くなってしまいます。ですが、それでも全体のよく見える好位置です。最も見やすいのは、センターブロックの席です。また、端であったとしてもそこまで見づらい訳ではありません。
そして、2階のS席においては、1列目が特にオススメです。バレエ公演では群舞の動き・フォーメーション移動も見どころとなるため、1列目であればその魅力を存分に堪能できます。2列目でも十分ですが、やはり1列目の迫力は格別です。
オススメの席(S席以外)
ここからは、S席以外でオススメの座席を紹介します。
最もオススメ|正面席1列目 & サイド席(赤く囲っている席)
- 階数に関係なく、正面席の1列目は間違いなくオススメです。ただし、L5番やR1番より端側の位置を選ぶと、前方に人が座るので注意です。
- 2階席からサイド席(L席・R席)があります。例えば2階左側はL席となり、L1列~L12列まで配置されています。図面上はまっすぐ後ろに見えるかもしれませんが、実際の劇場は台形になっていて列が後ろに下がるほど内側に寄ります。
L2列~、R2列~
「チケットぴあ」より
- L2列以降の1番内側の5番席や、R2列以降の1番内側の1番席は、非常にオススメです。サイド席は1列ごとに段差があるため、遮るものがなく舞台に集中できます。ただし、後列になると距離が遠くなるため、オペラグラス(双眼鏡)を持参するとより細部まで楽しむことができます。2階席サイド(A席)や3階席サイド(B席)は特に見やすいです。4階席サイド(C席)は少し遠いですが、その分お得な価格設定になっています。ただし、内側でないと前の人の頭が視界を遮る可能性があるので注意が必要です。
L1列、R1列
- L1列およびR1列は、真横に向かって座るため、舞台に非常に近く特等席感があります。ただし、かなり特殊な席のため好みが分かれます。
オペラグラスの活用
オペラグラスとはミニ双眼鏡のことで、遠くにいるダンサーの表情や細部を確認するために重宝します。質の良いオペラグラスでも、約2,500円ほどで購入できます。会場内での貸出は500円~1,000円ほどかかるため、ひとつ持参するのがオススメです。近くの人が使用していると、自分も欲しくなること間違いなしです。
2,500円ほどです。
Z席について
新国立劇場では、当日限定で1,650円(税込)という破格のZ席も販売されています。Z席は舞台から遠く、見切れ(舞台の端が見えない)ているため、舞台後方が見えづらいのは事実です。しかし、この価格設定を考えれば納得のいく選択肢です。とはいえ、可能であれば少し値段を上げてC席やD席を選ぶと、より快適な鑑賞体験になります。
割引制度
新国立劇場バレエ団の公演では、さまざまな特別割引制度が用意されています。
高齢者(65歳以上)は5%割引、学生は5%割引、中学生以下は20%割引、障がい者は20%割引といった優遇措置があり、特に当日の学生割引(50%割引)は大変オススメです。バレエ公演は毎回主演が交代するため、主演ダンサーの違いで作品の印象が大きく変わります。割引を利用すれば何度も観ることができます。
学生割引
公演当日は、Z席を除く全席が50%OFFでご利用いただけます。ボックスオフィスに直接足を運ぶか、電話で購入することが可能です。残席がある場合、特に学生の方はC席やD席を選ぶと、視界や迫力ともに満足度が高くオススメです。
25歳以下割引
さらに、25歳以下の方には、全公演ではないものの、特定の日程のS席・A席が半額になる割引があります。この優待チケットは事前購入が可能で、学生のうちから本格的な鑑賞体験を味わえるため、非常におすすめです。詳しくはこちら
ふだん劇場に足を運ぶ機会の少ない世代の方々へ向け、新国立劇場の主催公演を特別割引料金でご提供いたします。新国立劇場では、オペラ、バレエ、ダンス、演劇など最高水準の現代舞台芸術を発信し続けます。
体験談
僕自身、2000年代中盤から新国立劇場に頻繁に通っています。数日の公演期間中、主役カップルが4組ほど出演するため見ごたえがあります。海外から招かれるゲスト公演は人気で完売することが多いため、学生券では良い席が取りにくいケースもありますが、日本人主演の場合は余裕があり、快適な座席で鑑賞できることが多いです。座席選びが公演の印象を大きく左右するので、ぜひこだわって最適な席をゲットしてください。
観劇時に知っておきたいマナーと便利情報
新国立劇場での観劇時に知っておきたいマナーや、クローク、服装のポイントなど、実際の体験談をもとに分かりやすくご紹介します。舞台鑑賞をより快適にするためのヒントにしてください。
1:服装
劇場での服装は、着物からセミカジュアルまで多様なスタイルが見られます。基本的には格式張った服装は求められず、ミュージカル鑑賞に行くような気軽さがあります。ただ、S席などの高価格のエリアでは、より洗練された装いを意識する方がマッチします。
- 全体の雰囲気
カジュアルな服装から着物まで様々ですが、特に1階席では上品な装いが好印象です。 - 男性はジャケット、女性は少しドレスアップすると、劇場の雰囲気にマッチします。
男性の場合、迷ったときはジャケットやブレザーを合わせるとスマートな印象になり、女性も少しドレスアップすることで、劇場の特別な雰囲気に調和しやすいです。また、子どもは多くの場合ドレスアップして鑑賞するケースが多いため、家族での観劇は一工夫してみてください。劇場という特別な空間なので、お洒落を楽しむことが、鑑賞体験をより豊かにするポイントです。自分なりのスタイルで劇場を楽しんでください。
2:クロークについて
- 荷物預け
新国立劇場オペラパレスでは無料で荷物を預けることが可能です。軽装で入場するのがスマートです。 - 注意点
小さい荷物(ペットボトルやタオルなど)は客席に持ち込み、大きなかばんはなるべく避けるのがマナーです。
劇場の入口1階部分に広々とした無料のクロークスペースが用意用意され、スタッフが対応してくれます。荷物と番号札を交換する形式です。場内に入る際は、身軽な格好で臨むのがスマートで、特に1階席の場合、周りの方への配慮も重要です。多くの劇場では「コートを着ない」「大きな荷物を持ち込まない」という基本マナーが求められます。客席では荷物が隣の方の邪魔にならないよう、膝の上などに控えめに置くのが望ましいです。なお、2階や3階席の場合は、客席周辺に多少のスペースがあるため荷物を持参しても問題ないケースが多いです。
事前にクロークを利用して大きな荷物を預け、必要最低限の荷物だけを持って入場することで、快適でスムーズな鑑賞体験を楽しむことができます。僕自身は咳対策のためペットボトルやタオルなどの小さな荷物を持っていくことが多いです。
3:遅刻に注意
- 入場の制限
幕が開いた後は、途中入場が制限され、第1幕終了まで入れない場合もあります。 - 再入場の際はチケット提示を忘れずに。
劇場では、開演後すぐに途中入場ができるわけではありません。実際、公演によっては、第1幕が終了するまで30分以上、入場が認められないケースもあります。係員さんの誘導でのみ中に入ることができ、その際、購入したチケットの座席とは別の後方付近の席に案内される場合もあります。また、ロビーに設置されているモニターで鑑賞することになってしまう場合もあります。事前に交通機関や開場時間を十分に確認し、余裕を持って会場に到着することが大切です。劇場は開演直前ではなく、十分な余裕を持って行動するよう強く推奨されています。係員に抗議しても解決しないため、時間厳守で臨みましょう。
4:通路での配慮
劇場で座席間を移動する際、すでに座っている方の前を通らなければならない場合があります。男性が早めに着席している場合、後から通る人のために一度立ち上がって道を譲るのがスマートです。ヒザを曲げて丁寧に通す方法もありますが、体格が大きい男性は立つ方がオススメです。
5:拍手のタイミング
バレエ公演に初めて足を運んだ際、拍手のタイミングに戸惑う方も多いかと思います。演劇では、通常、最後のカーテンコール時にだけ拍手するのが一般的ですが、バレエ、特に『白鳥の湖』などの古典作品では、ダンサーが踊り終えるたびに、また主役が登場する際にも拍手が起こるのが普通です。ただ、無理して拍手する必要はありません。
- 拍手は「自分が感動した時に自然に行う」
無理にタイミングを合わせる必要はなく、まずは周りの様子に耳を傾けながら、探り探り拍手してみてください。 - カーテンコールの際は、拍手が鳴り止むまで続くことが多い
特に有名な出演者がいる公演では5回、6回と、特別な公演では10回以上のカーテンコールが起きることもあります。
谷桃子バレエ団からの引用です。
拍手のタイミングは作品や公演のスタイルによって異なりますが、基本的には自分の感動した瞬間に自然体で行うことが最も大切です。無理に拍手をする必要はなく、最初は周囲の様子に合わせながら、徐々に感覚を養ってみてください。
なお、クロークに荷物を預けている場合、退場時に混雑が予想されます。すんなり帰りたい方は、カーテンコールが終了する前に早めに切り上げて退場するのも賢明な選択です。
6:トイレの利用
トイレは各階に設置されています。1階の男性トイレは、場合によっては女性トイレの代用となることがあります。男性は通常、待つ必要がありません。一方、女性の場合は混雑により待たされることもあります。
7:休憩時間
劇場の休憩時間に楽しめるビュッフェは、観劇体験の魅力のひとつです。オペラパレス内には1階と3階にビュッフェスペースが設けられており、充実したメニューが楽しめます。
メニュー例
【軽食】
・ミラノサラミとチェダーチーズのカスクートサンド:700円
・ビーフストロガノフ:800円
・栗とショコラのショートケーキ:700円
・シュークリーム:500円
【飲み物】
・コーヒー(ホット・アイス):500円
・紅茶(ホット・アイス):500円
・オレンジジュース:500円
・ジンジャエール:500円
新国立劇場ホームページより
また、オペラパレスの敷地は広々としており、劇場正面には大きな池があるため、景観も楽しむことができます。休憩中は劇場横から各階のテラスに出ることができ、僕自身も外でぼーっとするのが好きなので、よくテラスでひと休みしています。なお、写真では1階席周辺に人が多く集まっている様子(ビュッフェスペース)が見受けられますが、1階席の収容人数が特に多いため、上階でゆったり休憩するのもおすすめです。
さらに、テラスに出る扉は終演後の出口にもなっています。下りの階段が開放されるので、そのまま右手に進めば初台駅にアクセス可能。左に進めば、隣接するレストランなどの施設に直接入ることもできます。正面口は混雑しがちなので、クロークに荷物を預けていない場合はスムーズに帰路につくのも賢い選択です。
休憩時間は長めに設けられているので、ぜひ劇場内を一周して、隠れた魅力や新たな発見を楽しんでみてください。
8:栄養ドリンク
長時間の鑑賞で眠気を感じた場合、レッドブルなどの栄養ドリンクで目を覚ますのも一つの手です。ただし、体調に合わせて摂取するようにしてください。僕自身、眠くなりそうなときは観劇前に栄養ドリンクを飲むことも多いです。
DVD
新国立劇場の舞台をDVD化したシリーズのうちの『ドン・キホーテ』です。2009年の作品で少し古いのですが、舞台の雰囲気がつかめると思います。
4,200円ほど。
以上、新国立劇場オペラパレスについてでした。劇場観劇の魅力やマナー、便利情報を活かし、素晴らしい体験となることを願っています。
観劇に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。