
オーチャードホールはどんな会場?
初心者でも楽しめる?
オススメの席は?
舞台鑑賞で最も大切なのは「どこに座るか」です。僕自身、座席選びにはこだわりを持っています。
今回は、渋谷にあるバレエやミュージカルでよく使われるオーチャードホールの座席の特徴、その見やすさ・見づらさについて解説します。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。
※ 3分ほどで読み終わります。
オーチャードホールの基本情報
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座席数
オーチャードホールは全2,150席で、1階席1,424席、2階席410席、3階席316席となっています。 -
会場の魅力と問題点
雰囲気のある素敵な会場ですが、特に1階席においては「前の人の頭」や「足元が見えづらい」という問題、また舞台から遠くなってしまう後方席など見づらさがあります。
1階席の特徴と問題点
主な問題点
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前の人の頭が邪魔になる
前方席は傾斜がゆるいため、前の人の座高により頭が視界を遮ります。男性の場合、頭が飛び出しがちです。 -
足元の見えにくさ
ダンサーの表情は良く見えるものの、足元が見えづらい場合があります。特にオーケストラピットが設置されない場合、7列目より前の席は舞台との距離が近くなりすぎて逆に見えづらくなることがあります。 -
列数の多さ
1階席は38列あり、35列目以降はかなり遠く、オペラグラスがないと鑑賞が困難です。なお、1階席はS席として一律の価格設定になっているため、遠い席では損した印象を受けてしまいます。
2011年の改装による改善
2011年の改装で、前方ブロック(1~19列目)の席配置が半分ずつずれる形に変更されました。しかし、20列目以降は従来通りの「どんかぶり」配置であるため、視界の問題は残っています。
オススメの1階席
・20列目~25列目(もしくは20~29列目中央部)が特に見やすいです。
・舞台との距離、視界の確保を考慮すると、できるだけ中央寄りの席を選ぶのがオススメです。
2階・3階のオススメ席
僕自身は1階席よりも、少し目線が高くなる2階・3階サイド席を好んでいます。群舞や全体のダンスを見る際は、上からの視点が美しさを際立たせるため、2階席・3階席は魅力的です。
- 2階席正面は、1階席とほぼ同じ価格ながら視界に邪魔がなく、かつ、ほどよい距離感です。
- 2階サイド中央側の席は、内側に席が張り出しているため視界を遮るものが全くなく、バレエに集中しやすい環境です。
- 3階席正面はさらにお手頃ですが、舞台からは少し遠いです。
- 3階サイド中央側の席も、2階サイド席同様に張り出しているため、かなり見やすいです。
オペラグラスの活用
ダンサーの細かな表情を観たいとき、オペラグラスが大変役立ちます。会場でも貸し出しを行っていますが、2,500円ほどで高性能なオペラグラスを手軽に購入できるため、ぜひ一台持っておくと便利です。
2,500円ほどです。
集中すると疲れてしまうので、目薬を持っていくのもオススメです。
1,000円ほど。
観劇時に知っておきたいマナーと便利情報
オーチャードホールでの観劇時に知っておきたいマナーや、クローク、服装のポイントなど、実際の体験談をもとに分かりやすくご紹介します。舞台鑑賞をより快適にするためのヒントにしてください。
1:服装
劇場での服装は、着物からセミカジュアルまで多様なスタイルが見られます。基本的には格式張った服装は求められず、ミュージカル鑑賞に行くような気軽さがあります。ただ、S席などの高価格のエリアでは、より洗練された装いを意識する方がマッチします。
- 全体の雰囲気
カジュアルな服装から着物まで様々ですが、特に1階席では上品な装いが好印象です。 - 男性はジャケット、女性は少しドレスアップすると、劇場の雰囲気にマッチします。
男性の場合、迷ったときはジャケットやブレザーを合わせるとスマートな印象になり、女性も少しドレスアップすることで、劇場の特別な雰囲気に調和しやすいです。また、子どもは多くの場合ドレスアップして鑑賞するケースが多いため、家族での観劇は一工夫してみてください。劇場という特別な空間なので、お洒落を楽しむことが、鑑賞体験をより豊かにするポイントです。自分なりのスタイルで劇場を楽しんでください。
2:クロークについて
- 荷物預け
オーチャードホールでは無料で荷物を預けることが可能です。軽装で入場するのがスマートです。 - 注意点
小さい荷物(ペットボトルやタオルなど)は客席に持ち込み、大きなかばんはなるべく避けるのがマナーです。
入口すぐに広々とした無料のクロークスペースが用意用意され、スタッフが対応してくれます。荷物と番号札を交換する形式です。場内に入る際は、身軽な格好で臨むのがスマートで、特に1階席の場合、周りの方への配慮も重要です。多くの劇場では「コートを着ない」「大きな荷物を持ち込まない」という基本マナーが求められます。客席では荷物が隣の方の邪魔にならないよう、膝の上などに控えめに置くのが望ましいです。なお、2階や3階席の場合は、客席周辺に多少のスペースがあるため荷物を持参しても問題ないケースが多いです。
事前にクロークを利用して大きな荷物を預け、必要最低限の荷物だけを持って入場することで、快適でスムーズな鑑賞体験を楽しむことができます。僕自身は咳対策のためペットボトルやタオルなどの小さな荷物を持っていくことが多いです。
3:遅刻に注意
- 入場の制限
幕が開いた後は、途中入場が制限され、第1幕終了まで入れない場合もあります。 - 再入場の際はチケット提示を忘れずに。
劇場では、開演後すぐに途中入場ができるわけではありません。実際、公演によっては、第1幕が終了するまで30分以上、入場が認められないケースもあります。係員さんの誘導でのみ中に入ることができ、その際、購入したチケットの座席とは別の後方付近の席に案内される場合もあります。また、ロビーに設置されているモニターで鑑賞することになってしまう場合もあります。事前に交通機関や開場時間を十分に確認し、余裕を持って会場に到着することが大切です。劇場は開演直前ではなく、十分な余裕を持って行動するよう強く推奨されています。係員に抗議しても解決しないため、時間厳守で臨みましょう。
4:通路での配慮
劇場で座席間を移動する際、すでに座っている方の前を通らなければならない場合があります。男性が早めに着席している場合、後から通る人のために一度立ち上がって道を譲るのがスマートです。ヒザを曲げて丁寧に通す方法もありますが、体格が大きい男性は立つ方がオススメです。
5:拍手のタイミング
バレエ公演に初めて足を運んだ際、拍手のタイミングに戸惑う方も多いかと思います。演劇では、通常、最後のカーテンコール時にだけ拍手するのが一般的ですが、バレエ、特に『白鳥の湖』などの古典作品では、ダンサーが踊り終えるたびに、また主役が登場する際にも拍手が起こるのが普通です。ただ、無理して拍手する必要はありません。
- 拍手は「自分が感動した時に自然に行う」
無理にタイミングを合わせる必要はなく、まずは周りの様子に耳を傾けながら、探り探り拍手してみてください。 - カーテンコールの際は、拍手が鳴り止むまで続くことが多い
特に有名な出演者がいる公演では5回、6回と、特別な公演では10回以上のカーテンコールが起きることもあります。
谷桃子バレエ団からの引用です。
拍手のタイミングは作品や公演のスタイルによって異なりますが、基本的には自分の感動した瞬間に自然体で行うことが最も大切です。無理に拍手をする必要はなく、最初は周囲の様子に合わせながら、徐々に感覚を養ってみてください。
なお、クロークに荷物を預けている場合、退場時に混雑が予想されます。すんなり帰りたい方は、カーテンコールが終了する前に早めに切り上げて退場するのも賢明な選択です。
6:トイレの利用
オーチャードホールの1階にあるトイレは広く、男性は待つことなく利用できます。一方、女性は利用時間帯によっては列に並ぶこともあります。バレエ公演は休憩時間が長く設定されていることもあり、会場外のトイレを利用する選択肢もあります。ただし、外出して再入場する際には必ずチケットの提示が求められるため、チケットは忘れないよう注意してください。
7:休憩時間
劇場の休憩時間に楽しめるビュッフェは、観劇体験の魅力のひとつです。オーチャードホールでは、少し値段は張りますが、お酒や軽食を楽しめるビュッフェが用意されています。また、休憩時間中、劇場内を一周してみるのもオススメです。ロビーや各エリアに点在する展示や装飾、時にはスタッフのこだわりに気づくなど、思わぬ発見があるかもしれません。ぜひ、観劇の合間にゆっくりとビュッフェを楽しみながら、劇場全体の雰囲気にも触れてみてください。
8:栄養ドリンク
長時間の鑑賞で眠気を感じた場合、レッドブルなどの栄養ドリンクで目を覚ますのも一つの手です。ただし、体調に合わせて摂取するようにしてください。僕自身、眠くなりそうなときは観劇前に栄養ドリンクを飲むことも多いです。
以上、オーチャードホールについてでした。劇場観劇の魅力やマナー、便利情報を活かし、素晴らしい体験となることを願っています。
観劇に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。