この記事からわかる3つのこと
・プリズナートレーニング(囚人トレーニング)の腹筋(シットアップ、レッグレイズ)について
・10ステップの正しい進め方/よくあるNG
・週ごとの実践メニュー例(初心者〜中級)
筋トレの中で人気の高い「腹筋」。
腹筋を鍛えることで身体全体のパワーがアップします。「プリズナートレーニング」では、初心者がシットアップ、中級以降はレッグレイズです。
今回は、プリズナートレーニング(囚人トレーニング)の「腹筋」10個のステップと解説です。
元劇団四季、テーマパークダンサー。海外留学でダンスや身体づくりを学びました。ダンス、ヨガ(RYT200取得)、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています。
※ 3分ほどで読み終わります。
プリズナートレーニングとは
ウェイトに頼らず自体重だけで、ギリシャ彫刻のような均整のとれた体を目指すメソッドです。狙いは、全身がよく動く機能的な筋肉とコントロール力。使う負荷は自分の体重だけ。関節への過度なストレスを避けやすく、腱・靭帯など結合組織まで段階的に強くしていけます。
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ウェイトトレ:部位に狙いを絞りやすく、主目的は筋肥大
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自体重トレ:全身が連動し、動作パフォーマンスや関節の扱いが洗練される
6つの基本種目
・プッシュアップ(腕立て伏せ)
・スクワット
・プルアップ(懸垂)
・レッグレイズ
・ブリッジ
・ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)
各種目は10ステップの進級スタイルです。目標が明確で迷いにくく、継続しやすいのが特徴です。
2,200円ほど。
詳しい全体像はこちらで紹介しています。
はじめる前に:ルールは3つ
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ステップを飛ばさない(フォーム習得=ケガ予防の最短ルート)
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上級クリアで次へ(次のステップの初級が楽に感じるはず)
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呼吸はゆったり深く(胸郭が開きアーチが作りやすい)
インターバル:基本は3分以内、短め(〜1分)だと負荷感アップ。
進め方のコツ(挫折しないために)
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上級クリアだけに固執しない:ステップで行き詰まってしまうこともあります。上級ができなくても中級まで行ったら先へ進むのも有効です(モチベ維持が最優先)。
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ゆっくりテンポは基本だけど……:基本は2-1-2のリズム(例:下ろす2秒・止め1秒・戻す2秒)。動きを確かめやすく、ケガの再発予防やリハビリの補助にも向きます。ただキツイ時は勢いでやってしまうのも戦略
シックスパック
シックスパック(腹筋を6つに割る)には、大きく2つの条件があります。
1:十分に体脂肪を落とすこと
男性は体脂肪10〜12%以下、女性は16〜20%が目安とされる範囲です。
2:腹筋の筋肥大
腹筋はもともと構造として割れていますが、ボコッと目立たせるには厚み(筋肉量)と形状が必要です。
筋肥大を狙うトレーニングのポイントは、重さや負荷を持たせて、8〜12回で限界に近くなる動きを取り入れるのが効果的です。もし10回、20回、30回と余裕があるなら、そのメニューは負荷が軽すぎる可能性が高いです。
腹筋について
腹筋は「腹直筋」「腹横筋」「腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)」といった複数の部位があり、これらをバランスよく鍛えることが大切です。
プリズナートレーニングでは腹筋を部分的に鍛えるのではなく、腹部全体を使うことを重視しています。腹筋は上体と下半身をつなぎ、どの動作でもほぼ必ず動員される筋肉です。動く中で使えてこその「腹筋」という考え方に基づいて組まれています。
シットアップ
よく知られた腹直筋を中心とする腹筋運動で、プリズナートレーニングではレッグレイズなど上肢を使った高負荷動作への橋渡しとして用意されています。
レッグレイズ
この種目では握力・肩・広背筋といった上半身だけでなく、股関節や下腹部など下半身の筋肉も同時に鍛えられます。
宙ぶらりんで足を上げる動きは強度が高く、いきなりは難しいため、まずシットアップで腹筋の基礎をつくった後にレッグレイズへ進むのが基本です。
プリズナートレーニング式腹筋|シットアップ、レッグレイズ
プリズナートレーニング流の腹筋メニュー(シットアップ → レッグレイズ)は、腹部全体をコントロールする力を養うためのステップです。呼吸の使い方がとても重要で、腹筋を収縮させるときにしっかり息を吐き、戻すときに息を吸います。特に吐きながら腹筋を引き締め続けると、腹筋への負荷が強くなります。
ステップ6以降では、バーの使用が必要になります。バーは主に「設置型」と「突っ張り式」の2種類あります。
10,000円前後で入手可能です。
バーのグリップ部分は少し角度がついており、小指に力が入りやすい設計。小指から背中の筋肉につながる神経経路を活かすことで、懸垂やレッグレイズ系の動作が安定します。
突っ張り棒タイプはコストを抑えられますが、木造壁などでは耐荷重や固定強度に注意が必要です。
5,000円ほど。
レッグレイズ10ステップ|全体マップ
・ステップ1:ニー・タック
・ステップ2:フラット・ニー・レイズ
・ステップ3:フラット・ベント・レッグレイズ
・ステップ4:フラット・フロッグ・レイズ
・ステップ5:フラット・ストレート・レッグレイズ
・ステップ6:ハンギング・ニー・レイズ
・ステップ7:ハンギング・ベント・レッグレイズ
・ステップ8:ハンギング・フロッグ・レイズ
・ステップ9:パーシャル・ストレート・レッグレイズ
・ステップ10(マスター):ハンギング・ストレート・レッグレイズ
注意点
10ステップのうちの最初の数ステップは簡単です。ですが、簡単だからとステップを飛ばすのはやめましょう。段階を踏むと正確なフォームが身につきます。すると機能的な筋肉が身につき、ケガ予防になります。
本にインターバルは5分以内と書かれています。ですが基本3分以内がオススメで、1分以内にすると効果が高くなると思います。
頻度に関しては、目指す身体によって変わります(6種目全体のメニューを紹介します)。
1日目:プッシュアップ2~3セット、レッグレイズ2~3セット
2日目:休み
3日目:休み
4日目:休み
5日目:プルアップ2~3セット、スクワット2~3セット
6日目:休み
7日目:休み
1日目:プッシュアップ2セット、レッグレイズ2セット
2日目:休み
3日目:プルアップ2セット、スクワット2セット
4日目:休み
5日目:ハンドスタンド・プッシュアップ2セット、ブリッジ2セット
6日目:休み
7日目:休み
1日目:プルアップ2~3セット
2日目:ブリッジ2~3セット
3日目:ハンドスタンド・プッシュアップ2~3セット
4日目:レッグレイズ2~3セット
5日目:スクワット2~3セット
6日目:プッシュアップ2~3セット
7日目:休み
上級、超上級のプログラムはもっと時間がかかります。こちらは本でご確認ください。
10ステップ
ここからは1ステップずつ動画つきで詳しく紹介しています。クリックすると詳しい内容がわかります。
ステップ1:ニー・タック
・フォーム:椅子の端に座り、両手で端をつかんで身体をやや後ろに傾け、両足をそろえて前にまっすぐ伸ばして数センチ浮かせ、膝を曲げ伸ばす
・呼吸:膝を胸に近づけるときに吐き、戻すときに吸う
・NG:腰が反る/背中が丸まる/足を伸ばし切らない
・回数目安:初心者10回×1セット/中級25回×2セット/上級40回×3セット
イスの端に座る。イスの端を両手でつかみ、身体を後ろに傾け、両足をそろえてまっすぐ前に伸ばし、足を数センチ浮かせる。
・息を吐きながらヒザを胸から15~25センチの位置まで近づける
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る
難しい場合は身体の傾きをゆるくします。できるようになったら傾きを深くしていきます。
初心者:10回×1セット
中級者:25回×2セット
上級者:40回×3セット
ステップ2:フラット・ニー・レイズ
・フォーム:床に仰向けになり、膝を90°に曲げて足をそろえ、腕を体のわきに伸ばして床を押し、足を数センチ浮かせた状態から膝を動かす
・呼吸:膝を胸の方に近づけるときに吐ききり、戻すときに吸います
・NG:膝の角度を変える/反動を使う/腰が反ったり背中が浮きすぎる
・回数目安:初心者10回×1セット/中級20回×2セット/上級35回×3セット
床に仰向けになり、足をそろえ、ヒザを90°に曲げ、腕は身体のわきに伸ばす。手で床を押し、足を数センチ浮かす。
・息を吐きながら、ヒザの角度を変えずにヒザが股関節の上にくるまで移動させる
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る
難しい場合、足を一回一回床に下ろします。1回でもいいので足を浮かせたままを目指し、浮かせられる回数を徐々に増やしていきます。
初心者:10回×1セット
中級者:20回×2セット
上級者:35回×3セット
ステップ3:フラット・ベント・レッグレイズ
・フォーム:床に仰向けで横たわり、膝を45°に曲げて足をそろえ、腕を身体のわきに伸ばして床を押し、足を数センチ浮かせ、足首が股関節の上にくるまで(2秒かけて)上げる
・呼吸:足を上げるときに息を吐く、吐き切った後、吸いながらゆっくりスタートポジションに戻す
・NG:膝の角度を変える/背中が反る/反動を使う
・回数目安:初心者10回×1セット/中級者15回×2セット/上級者30回×3セット
床に仰向けになり、足をそろえ、ヒザを45°に曲げ、腕は身体のわきに伸ばす。手で床を押し、足を数センチ浮かす。
・息を吐きながら、ヒザの角度を変えずに足首が股関節の上にくるまで移動させる(2秒)
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る
難しい場合は足の角度をもう少し深くします。慣れてきたら45°に近づいていきます。
初心者:10回×1セット
中級者:15回×2セット
上級者:30回×3セット
ステップ4:フラット・フロッグ・レイズ
フォーム:床に仰向け、両足をそろえて膝を軽く曲げ、腕を体の脇に伸ばして床を押し、足を数センチ浮かせる。ヒザの角度を変えずに足首が股関節の上にくるまで移動させ(2秒)、足をまっすぐに伸ばす。足を床から数センチまで下ろす
・呼吸:足を上げるときに吐き、降ろすときに吸いながらスタートポジション(膝45°)へ戻す
・NG:膝の角度を変える/反動を使う/腰が床から浮きすぎる
・回数目安:初心者8回×1セット/中級者15回×2セット/上級者25回×3セット
床に仰向けになり、足をそろえ、ヒザを少し曲げ、腕は身体のわきに伸ばす。手で床を押し、足を数センチ浮かす。
・息を吐きながら、ヒザの角度を変えずに足首が股関節の上にくるまで移動させる(2秒)
・息を吐き切る
・足をまっすぐに伸ばす
・息を吸いながら足を床から数センチまで下ろしていく
・スタートポジション(ヒザを45°)に戻る
次のステップでは足をまっすぐにして上げていきます。90°上げるにはモモ裏、背中の筋力と柔軟性が必要です。難しい場合、足を上げる角度を低めにします。慣れてきたら90°を目指します。
初心者:8回×1セット
中級者:15回×2セット
上級者:25回×3セット
ステップ5:フラット・ストレート・レッグレイズ
・フォーム:床に仰向けで足をまっすぐそろえ、腕を体のわきに伸ばして床を押し、床から数センチ足を浮かせた状態から足が股関節の上に来るまで(90°)2秒かけて動かす
・呼吸:足を持ち上げながら吐き、吐き切った後、吸いながら戻す
・NG:膝を曲げる/反動を使う/背中が床から浮きすぎる
・回数目安:初心者5回×1セット/中級者10回×2セット/上級者20回×2セット
床に仰向けになり、足をまっすぐにそろえ、腕は身体のわきに伸ばす。手で床を押し、足を数センチ浮かす。
・息を吐きながら、足が股関節の上にくるまで(90°)移動させる(2秒)
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る(2秒)
難しい場合はステップ4に戻り、30回×3セットやってからステップ5に進みます。
初心者:5回×1セット
中級者:10回×2セット
上級者:20回×2セット
レッグレイズ
続いて、「レッグレイズ」に進みます。ステップ1〜ステップ4ができるようになっていれば準備は整っています。
肩幅くらいに両手でバーを握ります。ぶら下がり、足を少し床から浮かせ、身体を一直線に保ちます。肩は上げずに「下ろして締める」よう意識します。肩が上がって緩んだ状態だと、負荷が腹筋だけに入らず、肩まわりが疲れやすくなります。締めた肩にすると、身体全体に力が伝わります。
引き上げ動作の途中で身体がぶらつかないように、肘を少し前に向けたり、脇を締めると安定しやすいです。重力に対し抗える姿勢を維持すること。フォームの質を高めます。
ステップ6:ハンギング・ニー・レイズ
・フォーム:バーにぶら下がり、太ももを床と平行になる高さ(約90°)まで持ち上げる
・呼吸:膝を持ち上げながら息を吐ききり、一時停止後にゆっくり息を吸いながらスタート位置に戻す
・NG:脚を勢いで上げる/体をぶらぶら揺らす/腰を反る/バーのグリップが緩く肩を上げてしまう
・回数目安:初心者5回×1セット/中級者10回×2セット/上級者15回×2セット
息を吐きながら太ももが床と平行になるまでヒザを持ち上げる。ヒザの角度は90°。
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る(下の動画ではヒザを曲げたまま行っています)
・はずみをつけないように注意
難しい場合は足を低めに持ち上げます。慣れてきたら90°を目指します。
初心者:5回×1セット
中級者:10回×2セット
上級者:15回×2セット
ステップ7:ハンギング・ベント・レッグレイズ
・フォーム:バーにぶら下がり、膝を約45°に曲げて足を引き上げる、膝を45°をキープしたまま戻す
・呼吸:足を持ち上げるときに息を吐き切り、戻すときにゆっくり息を吸う
・NG:反動を使う/肩が上がる/背中が丸まる/腰が反る
・回数目安:初心者5回×1セット/中級者10回×2セット/上級者15回×2セット
両手でバーをつかみ(肩幅)ぶら下がり、肩を締める。ヒザを少し(45°)曲げる。
・息を吐きながら足首が腰の位置にくるまでヒザを持ち上げる
・息を吐き切る
・息を吸いながらスタートポジションに戻る
はずみをつけないように注意。
難しい場合はヒザの曲げる角度を少なめにします。
初心者:5回×1セット
中級者:10回×2セット
上級者:15回×2セット
ステップ8:ハンギング・フロッグ・レイズ
・フォーム:バーにぶら下がり、膝を約45°に曲げ、膝を持ち上げ、足を前に伸ばし、伸ばしたまま下ろす
・呼吸:膝を持ち上げながら息を吐き、足を伸ばして吐き切り、戻すときに息を吸う
・NG:反動を使う/肩が緩む/背中や腰が丸くなる
・回数目安:初心者5回×1セット/中級者10回×2セット/上級者15回×2セット
両手でバーをつかみ(肩幅)ぶら下がり、肩を締める。ヒザを少し(45°)曲げる。
・息を吐きながら足首が腰の位置にくるまでヒザを持ち上げる
・足をまっすぐ前に伸ばす
・息を吐き切る
・息を吸いながら足を伸ばしたまま足を下ろす
・スタートポジションに戻る
難しい場合は、柔軟性が足りていないです。数分間、前屈などでモモ裏と背中のストレッチします。
初心者:5回×1セット
中級者:10回×2セット
上級者:15回×2セット
ステップ9:パーシャル・ストレート・レッグレイズ
・フォーム:バーにぶら下がり、足をまっすぐ伸ばした状態から45°ほど持ち上げ(スタートポジション)、90°まで上げる
・呼吸:足を上げながら息を吐き、吐き切った後、足を下げながら息を吸う
・NG:反動を使う/肩が緩む/足を完全に伸ばし切らない
・回数目安:初心者 1セット5回 / 中級者 2セット10回 / 上級者 2セット15回
両手でバーをつかみ(肩幅)ぶら下がり、肩を締める。足をまっすぐ伸ばしたまま45°持ち上げる。
・息を吐きながら足が90°にくるまで持ち上げる
・息を吐き切る
・息を吸いながら足を45°に戻す
はずみをつけないように注意。
難しい場合、動作を小さくします。
初心者:5回×5セット
中級者:10回×2セット
上級者:15回×2セット
ステップ10(マスターレベル):ハンギング・ストレート・レッグレイズ
・フォーム:バーにぶら下がりスタート、足を90°まで持ち上げる
・呼吸:足を持ち上げながら2秒かけて息を吐き、腹部をしっかり収縮させた状態を保った後、息を吸いながら2秒かけてスタートポジションに戻す
・NG:反動を使う/背中や腰を反りすぎる/足を完全に伸ばさない
・回数目安:初心者5回×1セット/中級者10回×2セット/マスター(上級)30回×2セット
両手でバーをつかみ(肩幅)ぶら下がり、肩を締める。足をまっすぐ下に伸ばす。
・息を吐きながら足が90°にくるまで持ち上げる(2秒)
・息を吐き切って腹部を収縮させる
・息を吸いながらスタートポジションに戻る(2秒)
はずみをつけないように注意。
難しい場合は、動作を狭くします。
初心者:5回×1セット
中級者:10回×2セット
上級者:30回×2セット
ステップ10がクリアしたら足をさらに持ち上げ V字 になるバリエーションもあります。力強い腹筋をぜひ手に入れましょう。
今回は、「プリズナートレーニング:腹筋」についてでした。ありがとうございました。
ダンサー体型を目指すトレーニング情報はこちらにまとめています。










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