「プロフェッショナル:吉田都特集」はどんな内容だった?
みどころは?
感想は?
日本を代表するバレリーナだった吉田都さん。引退後、新国立劇場バレエ団の芸術監督に就任しました。
日本のバレエ界の期待を背負っています。
そんな吉田さんの特集がNHK「プロフェッショナル」で放送されました。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。ぜひ男性にもバレエを観に行ってもらいたいと思っています。
今回はNHKプロフェッショナル「恐れずに、つま先立ちで~芸術監督・吉田都」の紹介と感想です。
※3分ほどで読み終わります。
新国立劇場バレエ団はなかなか厳しい
今回のドキュメンタリーで一番驚いたのが、新国立劇場バレエ団の設備や給料に関しての情報です。
新国立劇場はバレエ部門、オペラ部門、演劇部門に分かれ運営されています。そのため劇場はバレエ団のためだけに設計されていません。
残念ながらリハーサルルームや休憩スペースが不足しています。
僕がいた劇団四季や、大手テーマパークの方がリハーサルルームや休憩スペース、トレーニングルームなどが充実していました…。
とはいえ、新国立劇場の敷地自体はかなり広いです。もうひとつくらい建物つくれるんじゃないか、と思います。
謎多きバレエ団
いまだに新国立劇場バレエ団に関しては理解できていないことが多いです。
新国立という名前がついていながら国営ではありません。独立行政法人が運営していて、ダンサーたちは公務員扱いではありません。
海外の国立バレエ団は公務員扱いのことも多く、待遇が保障されています。
海外向け「The National Ballet of Japan」(日本の国立バレエ団)
日本向け「New National Theatre Ballet」(新国立劇場バレエ団)
そして、給料面に関しても言及がありました。
ダンサーのほとんどがバレエ団の給料だけではやっていけず、外で仕事をしている…。
ドキュメンタリーでは、新国立劇場バレエ団の問題点がかなり出ていました。
吉田都さんは新国立劇場バレエ団を世界トップレベルに持っていきたいと目標にしています。本当に遠い道のりなんだな、と感じてしまいました。
世界3大バレエ団って知ってる?
世界3大バレエ団がついにわかりました。
バレエ界には「3大バレエ団」という言葉があります。
ロシアのマリインスキー・バレエ団、同じくロシアのボリショイ・バレエ団、フランスのパリ・オペラ座バレエ団、イギリスの英国ロイヤル・バレエ団が毎回候補に上がります。
マリインスキー・バレエ団(ロシア)
パリ・オペラ座バレエ団(フランス)
英国ロイヤル・バレエ団(イギリス)
プロフェッショナルでは、この3つのバレエ団をピックアップしていました。
共通するのはバレエ団の規模が大きく、付属学校があることです。新国立劇場バレエ団にも研修所という付属学校がありますが、規模は小さめです。
プロフェッショナル:仕事の流儀「恐れずに、つま先立ちで~芸術監督・吉田都」
ここからは内容をご紹介します。
2020年から新国立劇場バレエ団の芸術監督の吉田都さんの特集でした。就任したばかりのドキュメンタリーということで、期待度の高さを感じます。
前半25分までが吉田都さんの取り組みについて。後半20分が米沢唯さんの「ドン・キホーテ」を指導する吉田都さんの特集でした。
米沢唯さんと速水渉悟さんによる「ドン・キホーテ」。
イチからスタート
前半は、吉田都さんによる新国立劇場バレエ団での取り組みを紹介していました。踊りの管理、施設の管理、バレエ団の方針などが明確に出ていてすごく好感を持ちました。
・バレエの技術は基本からもう一度
・ダンサーのために施設を充実させる
・ダンサーの待遇面を改善したいが難しそう
・ダンサーの表現力の向上
・今のレベルからもう一歩先を全ダンサーが目指す
新国立劇場バレエ団が設立されたときは「ついに国立バレエ団ができるのか!」という期待が持たれていました。しかし、バレエ界の足の引っ張り合いや派閥争いなどがありました。
そのせいもあり新国立劇場バレエ団は日本のバレエ界をリードする存在とはいえません。
いつになったらこの中途半端な状況から脱するんだろうか…、と思っています。
日本にはバレエを習っている人が40万人います。これは世界で一番の規模です。
それなのにバレエを世界に発信する力がないというのは本当に問題で、新国立劇場バレエ団という名前をつけている以上はもうちょっとがんばってほしいです。
吉田都さんの芸術監督就任で、その期待がかなり集まっていると思います。吉田都さんは実績、プロデュース力、指導力、人気があります。
ドキュメンタリーではそこまでは語られてはいませんでしたが、現状を変えたいという吉田都さんの姿勢をかなり感じました。
米沢唯さん
後半部分は米沢唯さんにフォーカスがあたっていました。
僕は新国立劇場バレエ団を観に行くとき、米沢唯さん主演の公演を選ぶことが多いです。というのも踊りが本当に安定していて、技術力が高い。技術力があるダンサーは踊りにいっぱいいっぱいになることがないので、表現に力をいれることができます。
いつも役をどう表現するか、と楽しみにしています。その米沢唯さんが吉田都さんという師を得ました。米沢唯さんの新たな挑戦と苦悩。踊りを大きくすることにより、かすかにズレていく感覚。大きな成長を遂げていく様子が描かれていました。
指導を通し、吉田都さんが芸術性の高いダンサーを育てたい、とわかる内容になっていました。
なつかしのダンサー
コーチ陣にも少しフォーカスがあたっていました。
バレエマスター:陳 秀介
バレエミストレス:遠藤睦子、湯川麻美子
プリンシパル・ソリスト・コーチ:菅野英男
現役時代の湯川麻美子さんと菅野英男さんの踊りをよく観ていたのでなつかしくなってしまいました。米沢唯さんは菅野英男さんとペアを組んで踊っていたこともありました。
湯川麻美子さんは新国立劇場バレエ団を代表するすごく味のあるダンサーでした。その湯川さんが指導に入っているのが個人的にすごく嬉しいです。
「ドン・キホーテ」本番
僕も舞台を観に行きましたが、米沢唯さんと速水渉悟さんの舞台はとても遊び心がありました。華やかな技のオンパレードで素晴らしかったです。その時の感想はこちらにあります。
10/31(土)18:30、夜公演の感想です。お祭り感たっぷりの素晴らしい公演でした。新国立劇場の新型コロナ対策についても載せています。
最後のグラン・パ・ド・ドゥの裏で、米沢唯さんにあんなこと(足がつっている)が起こっていたのか、と…。また、実際に見に行ってコール・ド・バレエ(群舞)がイイと感じていたのですが、今回その理由がわかりました。
吉田都さんがコール・ド・バレエまでしっかり指導しているという点に秘密があったのかもしれません。
常に本音
吉田都さんは現役時代からたくさんドキュメンタリーが制作されていました。いつも本音を話している印象です。今回も本音がたくさん飛び出していたんじゃいかな、と思います。
本音がたくさん詰まったおもしろいドキュメンタリーでした!
2,000円ほど。レッスンの本ですが吉田都さんの指導哲学を感じることができるので、もっと知りたい方にオススメです。
今回は「NHKプロフェッショナル:吉田都特集」のご紹介でした。 ぜひぜひチェックしてみてください。
ありがとうございました。
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