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「眠れる森の美女」はオーロラ姫は第2幕とは?
初心者でも楽しめる?
見どころは?

物語がどんどん盛り上がってくる「眠れる森の美女」第2幕。第2幕でついに王子が登場し、物語は実質第2幕で終わります。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。

kazu

今回は、バレエ「眠れる森の美女」の第2幕の見どころポイントに関してです。

※3分ほどで読み終わる記事です。

オーロラ姫の演じ分けに注目

「眠れる森の美女」に関してはこちらでまとめています。

「眠れる森の美女」のあらすじと歴史
プロローグ、第1幕のポイント解説
第2幕のポイント解説(→現在の記事)

第1幕では初々しかったオーロラ姫。第2幕では幻影の中の美しい理想の女性として登場します。

めがね

第2幕にポイントを絞って解説します。

第2幕のあらすじ

登場人物

オーロラ姫:長い眠りにつく姫
デジレ王子:オーロラ姫を救う運命の王子(フロリムント王子と呼ばれることもある)
カラボス:オーロラ姫に呪いをかける悪の精(男性が演じることもあり)
リラの精:カラボスと同等の力を持つ善の精(踊るバージョンと踊らないバージョンがある)

オーロラ姫が眠りについてから100年。深い森に閉ざされた王国からほど近くの別の王国。王子が仲間とともに狩りを楽しんでいる。仲間たちと楽しく過ごしているが、なぜか浮かない様子。

王子は真実の愛を見つけらないことに悩んでいる。そこにリラの精があらわれる。リラの精はオーロラ姫を助ける運命の王子をずっと探していた。最初は戸惑う王子だが、リラの精に誘われるように森の中に入っていく。そこでリラの精はオーロラ姫の幻影げんえいを見せる。オーロラ姫に一目惚れした王子はさらに森の奥へと入っていく。

妖精たちのいる世界ではオーロラ姫が実態を持つ。デジレ王子はそこでオーロラ姫とともに満ち足りた時間を過ごす。しかし、オーロラ姫は消えてしまう…。眠りの呪いを知る王子。王子はオーロラ姫を救い出すことを決意し、宮殿に向かう。

しかし王国ではカラボスが待ち構えている。リラの精の助けを借り、なんとかカラボスを倒すことができた王子。宮殿の中のオーロラ姫のもとに駆けつける。オーロラ姫は深い眠りについている。呪いを解く方法は「真実のキス」。王子がオーロラ姫にキスをすると100年の眠りから解放される。それを合図に、深いいばらに閉ざされていた王国全体が眠りから目覚める。

王国の王様に認められ、王子はオーロラ姫と結婚することが許される。

時代の変化を衣装で表現

「眠れる森の美女」のプロローグ、第1幕では贅沢で華やかなバロック様式の服装です。第2幕では、デジレ王子たちの服装が機能的な服装に変化しています。100年の時間がたったことが洋服からもわかるようになってます。

幻想のシーン

第2幕で初めてデジレ王子が登場します。前半は幻影のシーン、後半はカラボスと王子の対決、そしてオーロラ姫の目覚めのシーンへと流れていきます。

前半では、リラの精の助けによりデジレ王子がオーロラ姫と出会います。夢の中なので、音楽もゆったりと心地いいです。森の妖精たちも登場し古典バレエでは必須の群舞の踊りが楽しめるシーンとなっています。

パ・ド・ドゥ

オーロラ姫と王子が一緒にパ・ド・ドゥ(2人の踊り)を踊ります。主役二人の踊りは要チェックです。

英国ロイヤル・バレエ団より。金子扶生ふみさんがオーロラ姫、ロベルト・ボネッリが王子(英国ロイヤル・バレエ団では王子の名前はフロリムンド王子となっています)、ジーナ・ストーム=ジェンセンがリラの精です。

群舞

元々振付をおこなったマリウス・プティパは群舞(コール・ド・バレエ)に見せ場をつくりました。大勢で踊っているはずなのに、まるで心がひとつのように感じる振付になっているのがプティパの特徴です。「眠れる森の美女」ではこの第2幕幻想のシーンが群舞の見せ場となります。

英国ロイヤル・バレエ団より。

王子の人物像

古典バレエでは、男性が女性のサポートのためにいる、ということがよくあります。そのため古典バレエでは男性の役柄が掘り下げられていないことも多いです。男性ダンサーの人物像にフォーカスが当たりはじめたのは1960年頃からです。

「眠れる森の美女」のデジレ王子に関しても人物像を深くするのが、なかなか難しくさまざまな振付家が挑戦しています。

そもそも王子がオーロラ姫を好きになった理由は外見のみ…。しかも第2幕で登場するオーロラ姫は幻想の中の理想化されたお姫様です。これは本来のオーロラ姫の人物像とは違います。そのオーロラ姫に恋をして、結婚することになります。この展開は現代的な視点からするとなかなか理解しづらいので、振付師が悩みどころとしています。

そのため王子の踊りを追加する試みも行われています。ただし「眠れる森の美女」はそもそも上演時間が3時間を超える大作です。チャイコフスキーの音楽がかなり計算されて作られているので削るシーンが少なく、王子の人物像を深くしようとすると上演時間が伸びてしまいます。そのためバッサリとテコ入れしている「眠れる森の美女」も登場しています。

いろいろなバレエ団で新バージョンの「眠れる森の美女」が今も制作されていますが、完全におとぎ話として割り切って上演しているバレエ団が圧倒的に多いです。

ディズニー版の王子像は革新的?

ここで一つの視点として王子の人物像の掘り下げに成功している作品の紹介です。それがディズニー版「眠れる森の美女」です。

名作です。バレエと同じチャイコフスキーの曲がうまく作品と融合しています。

ディズニー版ではオーロラ姫と王子(フィリップ王子という名前)は同時代に生きています。しかもオーロラ姫が眠りにつく前に出会います。オーロラ姫は呪いで眠ってしまいますが、同時代に生きオーロラ姫に恋をした王子が助けに現れます。

設定をガラッと変えることで「王子がオーロラ姫の外見だけに惹かれたわけではない」という内容になっています。これはよく出来た解答だと思っています。

オーロラ姫の待つ宮殿へ

幻想のシーンが終わると王子とカラボスの対決シーンに移ります。

躍動感がなんともいえない対決

カラボスとの対決は躍動感がないことも多く、もしかしたらびっくりするかもしれません。いろいろなバージョンを観てきましたが、カラボスの横をサーっと通って、オーロラ姫にキス。するとカラボスが勝手にほろんでしまう、というバージョンもあります。このシーンもさまざまな振付家が工夫を凝らし躍動感を出そうとしています。

そしてオーロラ姫が起きるとすぐに幕が閉じ、第2幕が終わります。最近ではすぐに幕を閉じるのではなく、オーロラ姫と王子のパ・ド・ドゥを入れ、物語に深みを出す試みもおこなわれています。というのも物語パートは第2幕で終わってしまいます。第3幕はオーロラ姫とデジレ王子の結婚式のシーンなので、心の動きを入れるのはこのシーンしかないからです。

以上、第2幕の紹介でした。

DVD

さきほど紹介した、金子扶生さんとフェデリコ・ボネッリ主演、英国ロイヤル・バレエ団の映像です。金子さんが急遽代役をつとめたとても貴重な映像です。

kazu

以上、バレエ「眠れる森の美女」第2幕の見どころポイントでした。
ありがとうございました。