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「スターズ・アンド・ストライプス」はどんなバレエ?
ストーリーは?
見どころは?

ジョージ・バランシン振付の「スターズ・アンド・ストライプス」はアメリカを讃えるような作品です。

おもちゃの人形が踊っているような楽しいバレエで、フィナーレではアメリカを感じることができると思います。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります

kazu

今回はジョージ・バランシン振付「スターズ・アンド・ストライプス」の解説です。

※3分ほどで読み終わります。

「スターズ・アンド・ストライプス」について

「スターズ・アンド・ストライプス」は、アメリカを讃えるセレモニー的バレエです。

衣装が可愛く、女性ダンサーはトウシューズの下に白いソックスを履いています。振付はかなり独特で、敬礼のポーズもキュートです。

5つのパートに分かれていて、第4パート(メインパート)に主役2人が登場します。この2人の踊りは時々ガラ公演(作品の人気パートをいくつも上演する公演)で観ることができます。おもちゃの兵隊が踊っているようなお茶目なパートです。

初演:1958年1月17日

アメリカ:ニューヨーク・シティセンター(現ディヴィッド・H・コーク劇場)のこけら落とし公演(会場のオープン公演)

振付:ジョージ・バランシン
衣装:カリンスカ
作曲:ジョン・フィリップ・スーザ
編曲:ハーシー・ケイ
舞台:デビッド・ヘイズ
照明:マーク・スタンレイ

上演時間:28分

音楽

「Stars and Stripes」は、ジョン・フィリップ・スーザが作曲した「The Stars and Stripes Forever」という曲がもとになっています。邦題は「星条旗よ永遠なれ」です。

アメリカ国旗は星条旗とも呼ばれ、星のマーク(stars)とストライプ模様(Stripes)で構成されています。

ジョン・フィリップ・スーザ

「マーチの王」と呼ばれ、100曲以上のマーチング曲をつくっています。また、マーチングで使うマーチング用チューバ「スーザフォーン」を考案し、19世紀のバンド音楽の発展に貢献しています。

アメリカでは、7月4日の「独立記念日」に軍事パレードが行われます。ジョージ・バランシンはこの軍事パレードに触発され、「スターズ・アンド・ストライプス」が誕生したと言われています。

特に「星条旗よ永遠なれ」という曲はアメリカの国家的行事で聞くことができます。ジョージ・バランシンは純粋にこの曲が好きだったといわれています。ネルソン・ロックフェラーがニューヨーク州知事になったときにも聞く機会があったようです。

愛国心にあふれる作品なので、アメリカ以外の国で観ると少し不思議な気持ちになる作品です。

ちなみに日本人は運動会を思い出す人が多いかもしれません。

あらすじ:5つの “campaign(作戦)”

「スターズ・アンド・ストライプス」は具体的なストーリーはないですが、5つのパートに分かれ、それぞれのパートに副題がついています。

出演人数41人

主役:男性1人、女性1人
ソロ:男性1人、女性2人
群舞:男性12人、女性24人

1st campaign:Corcoran Cadets

第1パートは「コーコラン士官候補生」。

1人の女性ソロ(バトンを持つ踊りがあり)と、12人の女性群舞で踊られるパートです。衣装がキュートです。

2nd campaign:Rifle Regiment

第2パートは「ライフル連隊」です。

こちらも1人の女性ソロ(バトンを持つ踊りがあり)と、12人の女性群舞で踊られるパートです。

第1パートと構成は同じですが、衣装の色が赤のチュチュから青のチュチュに変わります。

第1パート、第2パートのソロの女性は若手が起用されることも多いです。とはいえステップは難しい……。

僕が実際に観たときにステップがこなせないダンサーもいました。

3rd campaign:Thunder and Gladiator

第3パートは「雷と剣闘士」です。

1人の男性ソロと12人の男性群舞で踊られます。とてもスピーディーで小回りが求められる踊りです。男性ソロは、バレエ団の中でも小柄なダンサーによって踊られることが多いです。

切れ味抜群、高度なテクニックでとても盛り上がるパートです。

ニューヨーク・シティ・バレエ団ホームページより

4th campaign:Liberty Bell、El Capitan

第4パートは主役ふたりのパ・ド・ドゥです。女性には「自由の鐘(Liberty Bell)」、男性には「キャプテン(El Capitan)」というキャラクター名がついています。

女性は思わせぶりに男性を翻弄しながら、生き生きと楽しそうに踊ります。男性は自信満々で、茶目っ気あるキャラクター。

バランシンの思うアメリカンガールとアメリカのイケてる男という感じなのかもしれません。

タイラー・ペックとゴンザロ・ガルシアによる踊り。7:53~のパート(コーダ)の人気が高いです。

5th campaign:The Stars and Stripes Forever

最終パートの「星条旗よ永遠なれ」。

41人すべてのダンサーが登場します。主役2人も帽子をかぶって登場します。

最後、背景いっぱいに星条旗が登場すると、観客席は拍手につつまれます。

第3パートのソロ男性が、第1パート・第2パートのソロ女性と一緒に踊ります。ニューヨーク・シティ・バレエ団の群舞は背が高いダンサーが多いです。一方、第3パートのソロの男性は小柄な男性ダンサーが多いす。そのため、アンバランスな身長のペアが出来上がってしまうこともあります。

僕がニューヨーク・シティ・バレエ団でみたとき、さきほど第3パートで紹介したダニエル・ウルブリクトが踊っていました。ダニエル・ウルブリクトは小柄なのに対し、ペアの女性の背が高く、あまりの身長差に客席から若干「キャーかわいい」みたいな悲鳴が上がっていました。

こちらは昔の映像で、第4パートから観ることができます。最後のパートのカメラアングルがぐるんぐるんしてしまっているのが、ちょっと残念。

1984年ロサンゼルス・オリンピック

「スターズ・アンド・ストライプス」はオリンピックで踊られたこともあります。第5パートの最終部分が踊られました。

有色人種のバレエ団「ダンス・シアター・オブ・ハーレム」が踊る「スターズ・アンド・ストライプス」です。もともとニューヨーク・シティ・バレエ団にいた黒人初のバレエダンサーであるアーサー・ミッチェルがつくった「ダンス・シアター・オブ・ハーレム」です。

全編で見るとかなり印象が変わるので、抜粋ではなく、ぜひ全編を見てほしい作品です。

僕はアメリカ人ではないですが、最後のシーンをみるとジーンときてしまいます。

ニューヨーク・シティ・バレエ団

いつもは最後にDVDを紹介していますが、映像化されていないのでこんな映像を。

ューヨーク・シティ・バレエ団で後援者向けに実際のレッスンスタジオで、現役ダンサーが教えるというクラスです。

先ほど紹介した「3rd campaign:Thunder and Gladiator」の冒頭部分。

ニューヨーク・シティ・バレエ団はこうした活動も積極的に行い、ニューヨークに根ざしています。

こうした点も僕が大好きな点です。

kazu

今回は「スターズ・アンド・ストライプス」をご紹介しました。
ありがとうございました。

バレエ作品に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。