「白鳥の湖」のストーリーは?
見どころは?
実際の映像は見れる?
バレエに行きたいけど「楽しめるか心配」という声をよく聞きます。
バレエは上演時間が長いので全部を楽しもうとすると疲れてしまいます。
「白鳥の湖」では、主役の白鳥のお姫様が登場するまで30分ほどかかります。
初めから張り切り過ぎてしまうと、白鳥のシーンでウトウトしてしまうかもしれません…。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります
今回は押さえておくと楽しめる「白鳥の湖」第1幕と第2幕のポイントです。
※3分ほどで読み終わります。
「白鳥の湖」はいつまでも魅力的
バレエ「白鳥の湖」は魅力がたっぷりつまっているので、このブログでもたくさん記事を書いています。今回は基礎知識については紹介していないので、まずはこちらをぜひご覧ください。
初演で大失敗したチャイコフスキー作曲の名作。マリウス・プティパとレフ・イワーノフによる振付で復活し、傑作となりました。ハッピーエンド、バッドエンド、さまざまなバージョンがありますが、すべての元となるバージョンの紹介です。
今回は、第1幕と第2幕についてくわしくご紹介していきます。
オデット:白鳥の呪いをかけられた美しいお姫様
ジークフリート王子:成人したばかりの王子
オディール:黒鳥。オデットに化けて王子をだます
王子の友人たち
ロットバルト:オデットに一目惚れし、呪いをかける猛禽類の鳥。オディールの父
女王:ジークフリート王子を女手ひとつで育てる
第1幕のあらすじ
ある王国の一室。悪魔ロットバルトがオデットの部屋にやってきて連れ去ってしまう。
別の王国。ジークフリート王子の成人のお祝いが開かれている。
そこに女王が登場し、明日の舞踏会で結婚相手を見つけるよう指示される。
結婚に乗り気でない王子。悩みを振り払うように狩りに出かけていく。
ネクスト・プリンシパル登場
第1幕では白鳥はまだ登場しません。30分ほど王宮のシーンが続きます。
物語冒頭、王子の誕生祝いのシーンでは友人役の男性1名と女性2名が登場し、10分ほどの踊りがあります。
この3人はプリンシパルになる可能性が高い若手のダンサーが選ばれることが多いです。ぜひ注目してください。
アメリカン・バレエ・シアターより。エリカ・コルネホ、シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホが踊っています。のちにシオマラ・レイエス、エルマン・コルネホはプリンシパルとなりました。
道化師
アクロバティックなダンスを踊る道化師が出てくるバージョンがあります。芸達者なダンサーが多くとても楽しい踊りです。
ベラルーシ国立ボリショイ劇場の待山貴俊(まちやま たかとし)さん。
ピエロはじゃっかん怖かったり…。
第2幕のあらすじ
湖に到着したジークフリート王子は美しい白鳥オデットを見つける。その白鳥が夜になった瞬間、美しいお姫様に変身する。
ひと目で恋に落ちてしまうジークフリート王子。オデットは最初は怖がっていたものの、ジークフリート王子に惹かれていく。
オデットは昼は白鳥、夜になると人間に戻るという呪いにかけられている。呪いを解く方法は、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらう、というもの。ジークフリート王子はオデットを助けることを決意。
朝まで一緒に過ごすジークフリート王子とオデット。しかし、朝になると呪いによりお姫様は白鳥に戻ってしまうのだった…。
オデット登場
第2幕、湖畔に舞台が移り、白鳥のお姫様であるオデットが登場します。
まずはオデットが自分にかけられた呪いを王子に伝えるシーンに注目です。
このシーンはかなり演劇的要素が強く、2つのバージョンがあります。
1:マイム(パントマイムのように動きで物語を伝える)で伝える
2:ダンスで伝える
1:マイム
マイムの動きひとつひとつに明確な意味が与えられていますが、なんとなく言っていることがわかると思います。
演技力のあるダンサーのマイムは説得力があり、一気に舞台に引き込まれます。
英国ロイヤル・バレエ団より。ナターリヤ・オシポワとマシュー・ゴールディングです。
王子:「あなたは……。ここに……。なぜですか?」
オデット:「私は白鳥の王女なのです。」
王子:「あなたは王女なのですね。お目にかかることができて光栄です。」
オデット:「あちらを見てください。この湖は私の母の悲しみの涙から出来ています。」
王子:「あの……」
オデット:「お待ちになってください。あそこには、非道で私を白鳥に変えた悪魔がいます。」
王子:「そんな……」
オデット:「もし一人の男性が私を愛し、結婚し、真実の愛を約束してくれたら、私はもう2度と白鳥の姿に戻ることはありません。」
2:ダンス
踊りだけで伝えるバージョンです。
ボリショイ・バレエ団より。エフゲーニャ・オブラスツォーワとセミョーン・チュージンです。
「パ・ド・ドゥ」
最大の見せ場はオデットとジークフリート王子のパ・ド・ドゥ(二人の踊り)です。
このシーンは8分ほどでバイオリンのソロもあります。空気がピーンと張り詰めて、物音や咳ができる状況ではありません。
観客にも集中力が求められるシーンです。
実際に観に行くときはアメや、水を用意しておくのがオススメです。咳が出そうなときにどうにか対処できます。
マリインスキー・バレエ団より。オデットといえばこの人、といわれるウリヤーナ・ロパートキナ。相手役はダニール・コルスンツェフです。
小さな4羽の白鳥
誰もが知るパートかもしれません。
ときどき4人の息が信じられないくらい合うときがあります。
今まで見た最高の4羽の白鳥は、マラーホフのすべてという特別公演で東京バレエ団のダンサーが踊った4羽の白鳥でした。拍手もすごかったのを覚えています。
パリ・オペラ座バレエ団よりかなり豪華なメンバー。左からファニー・フィアット、ミリアム・ウルド=ブラーム、マチルド・フルステー、ドロテ・ジルベールです。ミリアム・ウルド=ブラームとドロテ・ジルベールは現在エトワール。マチルド・フルステーはサンフランシスコ・バレエ団でプリンシパルです。
映像作品
「白鳥の湖」の舞台映像はたくさん発売されています。
さきほど紹介したウリヤーナ・ロパートキナとダニーラ・コルスンツェフによる名演です。
2,000円ほど。
「白鳥の湖」を映画化したブラック・スワン
ナタリー・ポートマン主演のサスペンス。日本でも大ヒットしました。
バレエ「白鳥の湖」を知っているとさらに楽しめると思います。
以上、押さえておくと楽しくなる「白鳥の湖」第1幕・第2幕のポイントでした。
ありがとうございました。
バレエ作品に関してはこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
舞台鑑賞好きの僕が劇場に行くときに知っておくとちょっと得する話をのせています。バレエを中心に紹介しています。