ジャズダンスはどう発展していった?
MGMミュージカルとは?
シアターダンス?
前回は1920年代後半の「スイングダンス」を中心に紹介しました。
ジャズミュージックのリズムが複雑になり、スイングジャズ、ビッグバンドも登場。アクロバティックなリンディホップは必見映像です。トーキー映画はダンスとの相性が抜群でジャズダンスが広がる大きなきっかけになりました。
元劇団四季、テーマパークダンサー。ジャズダンスを勉強中
今回は「1930年代ジャズダンスの歴史:ジャズダンスから派生したシアターダンス」に関してです。
※3分ほどで読み終わります。僕が習ったことや調べたことをもとに書いていることをご了承ください。
1930年代~
ジャズダンスがいろいろな踊りを取り入れどんどん発展している時代です。映画の登場で成長速度が加速していきます。
ビートからメロディへ
ジャズダンスが発展する中、1930年代に新たな踊り方が登場します。
リズムに合わせるのではなく、メロディに合わせるという方法です。とくにニューヨークのブロードウェイで発展していきます。
以前紹介したタップダンスは上半身を動かさず、下半身だけでリズムを表現していました。そこに上半身の動きが加わることで、下半身はリズム、上半身はメロディを表現できるようになります。
これと同じことがジャズダンスでも起こります。
ダンスをメロディに合わせると感情表現がぐーっと広がります。ダンサーの踊りから視覚的に感情表現がわかるようになりました。
ダンスのテクニックを磨くだけでなく、感情表現も重要視されるようになりました。
バレエのテクニックがジャズダンスに
とくに1930年代の終わりごろ、バレエのテクニックがジャズダンスに取り入れられるようになります。
この時代、のちにニューヨーク・シティ・バレエ団で芸術監督としてアメリカンバレエを引っ張ることになるジョージ・バランシン、ジェローム・ロビンスがミュージカルの振付をします。
様式美を求めるバレエが、リズム重視・パッション重視のジャズダンスに入ってくることでジャズダンスが芸術と呼ばれるようになります。
『オン・ユア・トゥズ』
1936年にブロードウェイで開演、1939年に映画化されます。
劇中劇の「10番街の殺人」(ジョージ・バランシン振付)が有名です。
現在もニューヨーク・シティ・バレエ団などで上演されています。
MGMスタジオによるミュージカル映画
1924年、3つの映画会社が合併し「MGMスタジオ」をつくります。
MGMは合併前の3社(メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション、ゴールドウィン・ピクチャーズ、メイヤー・ピクチャーズ)の頭文字をとっています。
MGMスタジオは、1930年代から1950年代半ばまでミュージカルの大作映画を作り続けます。豪華な俳優、豪華なセット、豪華な衣装、素晴らしい音楽が特徴です。
ミュージカル映画の全盛期で、この時代のミュージカル映画の完成度が高すぎて1950年代以降はこの時代を超えるような作品が出てきていない状況です。
2016年に公開された「ラ・ラ・ランド」にはMGMスタジオのミュージカル映画をオマージュするシーンがたくさん入っています。(それ以外の時代もたくさん入っています。)
シアターダンス
ブロードウェイ・ミュージカルで踊られるようなダンスを「シアターダンス」といいます。
メロディ重視の踊りに変化したことで、ジャズダンスがかなり洗練されたスタイルに変化します。上半身は優雅にこなし、下半身は複雑なステップを踏む。これがシアターダンスの特徴となりました。
フレッド・アステア
フレッド・アステア(1899年~1987年)は、1920年代ニューヨークのブロードウェイで活躍しダンスのテクニックを身につけます。
フレッド・アステアのダンスの特徴は、ビートに合わせるだけではなくメロディに合わせ流れるように踊ります。
これは大きな革命でした。
1951年公開、フレッド・アステア主演「恋愛準決勝戦」。このような革新的なダンスがこの時代に多く登場しています。
天と地がひっくり返るアイディアはいろんな映画に取り入れられています。最近では「インセプション」でも同じようなシーンがありました。
ザッツ・エンタテインメント
このMGMミュージカル映画のハイライト集の映像作品があります。
シアタータップ
フレッド・アステアはタップダンスの進化にも貢献しています。ボー・ジャクソンが映画で踊っていたタップはリズムタップ。
このリズムタップにジャズダンスを取り入れたのがシアタータップです。
フレッド・アステアはシアタータップ発展の立役者です。燕尾服でタップを踊る姿は、フレッド・アステアが印象づけました。
ブロードウェイの劇場で必要とされる華やかな動き、ジャズダンスの要素が取り入れられた「シアタータップ」。スタイリッシュなだけでなく茶目っ気のある踊りが印象的です。
シアターダンスは、優雅なジャズダンスとシアタータップの組み合わせです。そのため、ジャズダンサーにとって基本的なタップは必須のスキルとなっています。
ハーミズ・パン
1930年代~50年代のミュージカル映画で活躍した振付師・ダンサーです。
フレッド・アステアの振付のパートナーです。フレッド・アステアの主演作のほぼすべての映画の振付を共同で作っています。
撮影前、数週間にフレッド・アステア、ハーミズ・パン、リハーサル・ピアニストの三人で創作活動が行われていました。
第2次世界大戦
そして1939年~第2次世界大戦がはじまります。
この影響により、ジャズダンスの発展が一旦ストップしてしまいます。
ダンサー体型を目指す筋トレ・体幹トレ
ダンス上達のために身体づくりは欠かせません。身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。
ダンサーのような軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。
1日10分、6種類の種目、10ステップ、3レベルに分かれている自体重トレーニングの囚人トレーニング。トレーニング内容を全部紹介しています。
1,500円ほど。
オンラインレッスン
ルーティーンを持つためにプロに頼ることは、時短かつ効率的です。オンラインレッスンはコスパがよく、先生が一流で、内容も充実しています。
筋トレ・ストレッチ・ヨガ・ピラティスを月3,300円ほどでほぼ受け放題できる「SOELU」。
ヨガに特化した業界大手の「LAVA」は月2,000円ほどでほぼ受け放題です。
ダンサー体型を目指すトレーニング情報をまとめていますので、ぜひご覧ください。
ダンス上達のための身体の使い方、トレーニングの方法、体幹トレーニングについてまとめています。ピラティスやヨガもご紹介します。

今回は「ジャズダンスから派生したシアターダンス」についてでした。次回に続きます。
ありがとうございました。
次の記事はこちらです。
モダンジャズダンスの登場でジャズダンスが洗練されます。「シアターダンスの父」ジャック・コール、マリリン・モンロー、アクロバティックな動きを取り入れたジーン・ケリーの紹介です。
アフリカンダンスとヨーロッパのダンスがアメリカで融合し、ニューオリンズでのジャズミュージックの発達とともにジャズダンスが進化していきます。ここからどんどん広がりをみせるジャズダンスを紹介します。