体幹って何?
広義の意味と狭義の意味がある?
オススメの体幹トレーニングは?
身体のコアを鍛える体幹トレーニング。
体幹トレーニングでは腹筋周りだけでなく、胴体全体に圧力をかけていきます。
そのためには4つのコツがあります。
元劇団四季、テーマパークダンサー。海外留学でダンスや身体づくりを学びました。ダンス、ヨガ、ピラティス、ジムにもかなり通いました
今回は「体幹トレーニングの基礎知識」です。
※3分ほどで読み終わります。
体幹が強いメリット
体幹が強いと、手・脚・頭への負担が少なくなり、動きの自由度が増します。
骨盤が安定し、背骨まわりの筋肉が強くなります。
姿勢が良くなるのはもちろん、バランス感覚も強くなっていきます。
身体の使い方がうまくなると、ケガのリスクも減っていきます。
体幹が強くなる → 身体の機能向上 → 体幹がさらに強くなる → 身体の機能がさらに向上
体幹が強くなると芋づる式に身体の機能が向上していきます。
体幹とは?
体幹は「広義」の意味と「狭義」の意味があります。
手・脚・頭を除いた部分
これが「体幹」の本来の意味です。
体幹トレーニングは「狭義」の体幹
体幹トレーニングでターゲットにするのは「腹筋まわり」「背筋まわり」の筋肉です。
ただ、腹筋まわりに特化したトレーニングが多いため、腹筋だけを指すことも多いです。
そのため、体幹のことをコアと言ったり、体幹トレーニングのことをコアトレーニングと言います。
背中も鍛える
ただ、腹筋まわりだけを鍛えても背中が強くないとアンバランスな身体になってしまいます。
特に、背中にある多裂筋を同時に鍛えると体幹の安定感が増します。
多裂筋は背骨全体とつながって、背骨の一番近くにあるインナーマッスルです。
体幹トレーニングの落とし穴
ひとつ注意点があります。
体幹トレーニングだけで強い筋肉を手に入れるのは、難しいです。
というのも体幹トレーニングは、体幹を「固定」「安定」させるトレーニングです。
実は、体幹がそもそも安定している人は、筋トレをすると自然に体幹を鍛えることができます。
つまり、姿勢が安定している人には必要のないトレーニングです。
例えばこんな女性。
体幹が自然と鍛えられています。
最終目標は体幹トレーニングをしなくても、体幹を安定させられる状態にあることです。
運動不足の人は体幹トレーニングがオススメ
イギリスの保健省(日本で言う厚生労働省)が日常的な運動目標を出しています。
小人(5歳-18歳):毎日60分の運動
大人(19歳-64歳):週150分の有酸素運動
年配(65歳以上):週150分の有酸素運動と、週2日の筋トレ
もしこの目標値に達していない場合、運動不足のケースが多いです。
運動不足の人は、姿勢が悪い人も多いです。
正しい姿勢
正しい姿勢の確認です。
姿勢が悪い場合、体幹トレーニングをぜひぜひ取り入れてみてください。
「気をつけ」= 体幹が使えている
体幹トレーニングでは胴体に圧力がかかっている状態が理想的です。ただ、この感覚を理解するのはなかなか難しいです。
この感覚をかんたんに感じる方法があります。
それが学校時代に習った直立不動のポーズ「気をつけ」です。このポーズこそ体幹が働いている状態です。
本来、動物は足だけで立つのが苦手です。
人間は無意識にいろいろな力をコントロールし直立しています。

先ほどの正しい姿勢を意識して「気をつけ」のポーズで目を閉じしっかり止まってみてください。
フラフラしてないでしょうか?
「じっと立てる」=「体幹がしっかり働いている」ということです。
そして体幹が強ければ、長時間「気をつけ」をキープできます。
おすすめトレーニング
筋トレをするときも体幹トレーニングを先にやっておくと効率がアップします。
身体が正しい位置に調整され、効果的に身体を動かすことができます。
可動域もアップするので、ケガを予防しつつ、しっかりと筋肉に効かせることができます。
「プランク」
直立だと正しくできていない場合があります。
そのため、プランクポーズ(フロントブリッジ)がオススメです。
プランクは「このポーズで1分間耐える」という体幹トレーニングです。
正式名称はフロントブリッジですが、プランクと言われることが多いです。
このプランクだけでも体幹トレーニングとして十分です。
プランクの方法
・ひじは肩の下
・手は自然の位置で
・頭から足まで一直線
・カラダ全体の筋肉に力を入れ、全身を支える
注意点としては、背中を丸めたり、反ったりしない。首までまっすぐにする、という点です。
足をそろえると難易度がアップします。僕は目線を真下にするほうが好きです(首筋がまっすぐになる)。
そしてトレーニングが終わったら、プランクの感覚を持ったまま直立してみてください。体幹が入った状態で立つということが理解できると思います。
体幹トレーニングの4つのコツ
(1)「骨盤底筋群(骨盤にある筋肉)」、(2)「おなか」、(3)「首」は常に力を入れています。
1:骨盤底筋群(おしりの穴をキュッと締める感覚)
2:おなか(おへそをおなかに引き込む感覚)
3:首(あごを引き、頭を首の真上まで後ろに引く)
あと一部位でさらに効率アップです。
(4)前鋸筋
前鋸筋は、脇にある筋肉です。前ならえする(手を前に伸ばす)と前鋸筋に力が入り、元に戻すと緩みます。
腹筋(腹斜筋)につながっているので、前鋸筋に力を入れると体幹トレーニングのポーズが安定します。
「骨盤底筋群(骨盤にある筋肉)」「おなか」「首」「前鋸筋」に力が入っていると体幹がバチバチに入った状態になります。
長時間キープするためにリラックス
最後のポイントが「適度にリラックス」することです。
体幹に強い力がかかり続けるとすぐに疲れてしまい同じポーズをキープすることはできません。
「体幹が強い」とは、胴体部分に圧力がかかり、かつ適度にリラックスしている状態のことです。
先ほどもお伝えした通り、体幹トレーニングは多々ありますが、普段の姿勢がキレイだと自然に体幹トレーニングができています。
体幹が強い人は姿勢がとてもキレイです。無理なく体幹に力が入っているため美しい姿勢がキープされます。
ときどき見かける「背もたれを使わずに座っていられる女性」。
体幹が強くないとできません。
身体をしめる
ダンスにおいて基本姿勢が美しいとそれだけで目が行きます。
ダンスのレッスンでは「身体をしめて!」と注意を受けることがあります。でもイマイチ何を直せばいいかわからない、という人もいるのではないでしょうか。
この身体を締めるとは、「体幹に力を入れる」ということです。
ちなみに体幹トレーニングは毎日やってもまったく問題ありません。
人間の座る歴史は「たった0.1%」
20万年といわれる人類の歴史のうち、人間がイスに座る生活を始めたのはここ200年の出来事といわれています。
それまでの人間の基本姿勢は「歩く、寝る、ヤンキー座り」でした。
1900年代、生活スタイルに変化が現れます。特に西洋ではイスとテーブルが多くの家庭に普及しはじめ、「座る」という姿勢が定着します。
そして日本にも「イスに座る文化」が入ってきました。
現在、「アメリカ人は毎日13時間座っている」という調査があります。それだけ座る文化が根づいています。
座ることを想定していない?
人間の遺伝子は「座ることを想定していない」という説もあります。
座ることが多い現代人。これでは身体のバランスが崩れてしまいます。
身体のバランスはすごく重要で、少し崩れただけで調子が悪くなってしまいます。ダンサー的にいうと、身体のバランスが少しでも崩れるとピルエットなどの回転技ができなくなってしまいます。
日常生活ではバランスが悪くなると背中に痛みが走ることがあります。背中の痛みの大きな原因は、姿勢の悪さです。
日本人は他国の人たちと比べると、スリムで長寿です。これは「床に座るという生活習慣が残っている」ということに原因があるかもしれません。
体幹でバランスを正常に
体幹は、崩れたバランスを正常に戻す働きがあります。
崩れたバランスが改善されると姿勢がよくなります。
・背中の痛み軽減
・頭痛軽減
・首と肩のコリの軽減
・関節がスリ減らない
・肺の容量が増え、呼吸が深くなる
・血流改善
・快腸に
・トレーニングの質が上がる
・背が高く見える
このような効果がかなり期待できます。
オススメの本
体幹トレーニングは本でもかんたんに理解しやすいです。
こちらの本はとにかくわかりやすいのでオススメです。しかも700円ほど。評価も非常に高いです。
ダンサー体型を目指す筋トレ・体幹トレ
ダンサーのような軽い身体、柔軟性、芯のある機能的な筋肉をつくる基本は、自体重トレーニング・体幹トレーニングです。ケガしづらく、自分の身体に合った筋肉がついていきます。
身体づくりの知識をつけ、効率的かつ自分独自のメニューを作っていきましょう。
プログラムが確立されている「プリズナートレーニング」もオススメです。
2,200円ほど。
正しいブリッジの方法と、10ステップの完全解説です。「ショート・ブリッジ」「ストレート・ブリッジ」「アングルド・ブリッジ」「ヘッド・ブリッジ」「ハーフ・ブリッジ」「フル・ブリッジ」「ウォールウォーキング・ブリッジ(下向き)」「ウォールウォーキング・ブリッジ(上向き)」「クロージング・ブリッジ」「スタンド・トゥ・スタンド・ブリッジ」

今回は「体幹トレーニングの基礎知識」でした。
ありがとうございました。
ダンサーのような身体を目指すトレーニング情報はこちらにまとめています。
ダンス上達のための身体の使い方、トレーニングの方法、体幹トレーニングについてまとめています。ピラティスやヨガもご紹介します。