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演出助手ってなに?
どんな仕事してるの?
演出助手が優秀だとどうして公演が成功する?

舞台公演には欠かせない演出助手。演出家のサポートを行う存在です。

演出助手が優秀だと公演の成功につながりやすいです。

それはなぜでしょうか?

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。30分のショーから2時間の舞台まで出演回数は5,000回以上。自分で映画を撮ったり、舞台で振付をしたりも

kazu

今回は「演出助手の仕事」を具体的に解説していきます。

※3分ほどで読み終わります。

「演出助手」とは?具体的な仕事とアドバイス。なんでも屋ではありません

演出助手

舞台公演をつくるためには「演出家」「脚本家」「プロデューサー」「音楽」「美術」「照明」「音響」「衣装」「大道具」「制作(宣伝含む)」といったメンバーが必要です。

そのすべてを統括するのが演出家です。

小規模な公演や、商業目的にしていない公演では演出家がすべてをひとりで兼ねていたり、制作を担当したりもしますが、大きな舞台になるとそうはいきません。

中規模以上の公演では演出家ひとりですべてを管理するのが難しくなります。

そんな演出家を助けるのが「演出助手」です。

まずほかのメンバーも紹介します。

制作

演劇を支える仕事。プロデューサーが軸となり予算を管理します。

舞台の企画、キャスティング、スタッフの手配、劇場を借りる、宣伝制作、広報、SNS管理、稽古場手配、スタッフの打ち合わせ設定、チケット管理、劇場運営準備、ケータリング、お客様対応、ギャラの支払い。ツアーがあれば各地の劇場との連絡、交通や宿の手配などを行います。

音楽

ミュージカルでなくても演劇では歌やBGM(カーテンコールを含む)を使うことがあります。そのときに作曲家が必要です。

美術

舞台のセット、小道具のデザインを行います。稽古開始前にはほぼセットの案が完成し、図面まで出来ている状態です。

照明

場面を彩るために絶対に必要な存在。稽古開始前に演出家からだいたいの照明案が提示されます。稽古が進み、通し稽古になったとき再度照明案が練り直されます。劇場入りした際には照明の設置や、調整など一手に引き受けます。

音響

音楽を流したり、俳優のマイク、舞台上の音響機材を扱います。稽古場では音出しを行います。照明と同様に稽古が進んでいく中で、音楽やSE(効果音)のプランを演出家と練っていきます。

公演当日は舞台後方から音響の調整を常に行っています。

衣装

衣装をデザインしたり、手配します。公演では俳優のサイズにぴったり合うよう衣装を調整します。

公演当日は早替えのサポートをしたり、つねにキレイな状態に保ちます。

大道具

舞台セットの搬入、搬出、セットの組み立てを行います。

舞台監督

舞台袖でオペレーションし、すべてのスタッフをまとめます。舞台の転換を行ったり、小道具の管理・補修なども行います。通し稽古から実際のオペレーションを想定して参加します。

演出助手の仕事

演出助手は演出家のサポート業務がメインの仕事です。

公演によっては何でも屋になることがあり、秘書のような存在になることもあります。

演出助手はプロの演出助手を目指している人もいれば、演出家を目指す人がやっていることもあります。中には誰もやる人がいなくて、即席でやっている人もいます。

ですが、実際にはめちゃくちゃ重要な仕事で、演出助手が優秀かそうでないかで作品の出来がまったく変わります。

大まかな仕事の流れ

1:事前準備
2:本稽古
3:小屋入り
4:本番

事前準備

演出助手は稽古の前から準備が始まります。

稽古前の仕事は「演出プランの確認」「スケジュール管理」「香盤表作成」「技術スタッフとのやりとり」です。

演出プランの確認

演出プランについて演出家と情報を共有します。このとき密に話し合いができると演出助手がサポートしやすくなります。

演出プランの確認作業を台本の最初から最後まで細かく行います。

演出家ひとりで行うとどうしても忘れたり、そもそも気づかないことがあります。

そして「脚本家」「プロデューサー」「音楽」「美術」「照明」「衣装」「大道具」「制作(宣伝含む)」と事前の打ち合わせを行います。このときはサポート要員です。

とくに全部のプランを確実に伝えているかの確認という、重要な役割があります。

そして、演出助手には俳優のサポートという仕事もあります。

演出家だけでは俳優全員に声がけができません。そんなとき演出助手が俳優の皆さんに演出家の代わりに声がけしていきます。

そのためにも脚本を読み込み、かつ演出家の視点で理解します。自分の解釈と違うこともあると思いますが、そのときは演出家と話し合ったり、演出家の意向を受け入れましょう。

演出助手独自の演出プランを勝手に俳優に共有するのはNGです。

スケジュール管理

まず重要なことが俳優のスケジュール管理です。少人数の稽古でも決まった時間に全員を集めるのは大変です。このスケジュール調整は稽古がはじまっても頻繁に更新されます。

最近はコロナウイルスにより、急遽休み、かつ長期の休みとなる俳優も増えています。正直、調整はかなり大変です。

同時にスタッフとのスケジュール調整も行います。

稽古初日はバミリが必要になるため舞台監督チームにお願いします。どういうバミリ(舞台セットの設置場所をビニールテープ等で目印として貼ること)にするか話し合いながら行います。

立ち稽古では本番同様の小道具が必要です。これは「美術部」と調整します。

稽古が進行し、通し稽古ができるようになったら音出しをする「音響部」と調整します。

演出プランが固まったら「照明部」と本格的な照明プランを深めていきます。

連絡に関しては、直接行うこともありますが、「制作部」がいる場合は仲介してもらいます。制作部さんとは常にコミュニケーションを取りながら計画を進めていくので、仲良くしましょう。

香盤表作成

「香盤表」とは、どの場面でどの役者が出演しているのかすぐわかるよう記されている資料です。

舞台では一人の役者が複数役を兼ねることもあります。そんなとき香盤表があると一発でわかります。

スタッフにとっても誰が舞台にいて、誰が楽屋にいるかということがわかるようになっています。

出演人数が多くなると「衣装香盤表」といって出番だけでなく衣装の詳細を載せた資料も用意します。衣装香盤表をつくるかは、舞台監督チーム、衣装部と話し合って決めます。

本稽古

事前準備の次に来るのが稽古場の管理です。

稽古場に入ってからは「稽古場進行」「技術スタッフとのやりとり」が重要な仕事です。

稽古場進行

演出家の横で、稽古の進行をしていきます。演出家自身がおこなうことも多いですが、伝達事項などは演出助手が行うことも少なくありません。

このときステージング記録(立ち位置、出捌け、人の流れ)をつけたり、台本の変更による修正(テキレジ)を行っていきます。台本の訂正は技術スタッフにも適宜送ります。

俳優が客席から見えているか、バッティング(出演者同士のぶつかり)してないか、なども一緒に見ていきます。稽古が進行していくと俳優が立ち位置を忘れてしまうこともあります。そんなときに素早く位置を伝えるといった仕事も重要です。

演出家のダメ出しを記録することもあります。メモを取るとどうしても目線をノートに落としてしまうため、演出家によってはダメ出しを演出助手にとってほしい人もいます。

演出助手としては「台本を読み込むこと」「ステージングの記録」ができていると理想です。この段階まで到達すると一緒に演出していく場面も増えていきます。

演出助手は台本を読み込んでいて、かつ全員の動きを把握している存在です。逆にいうと、全体がしっかり見えているので演出家から頼りにされる存在になります。そのため演出家がアイディアにつまっているときや、俳優が困っているときに演出をすることもあります。

出演者が多くなると、演出家から直接ダメ出しをもらえなかったり、極端に少ない俳優が出てきます。舞台ではどんなに出番が少なくても小さな役はありません。そんな俳優にも心を配り、演出家の代わりにダメ出しをすることもあります。つまり演出家の目の届かない部分まで見ておくことことが大事です。

舞台監督チームが来ていない場合は小道具のやりとりや舞台転換の補助も行います。

また、稽古によっては音響部がいない日もあります。そんなときは音出しを担当します。そのため音楽のタイミングも忘れず記憶しておきましょう。音出しはなかなか難しく、稽古を止めてしまう1番の原因になってしまうので注意が必要です。

稽古場の掃除も制作部、舞台監督チームと協力して行います。

技術スタッフとのやりとり

すでに書いていますが、技術スタッフとのやりとりも重要な仕事です。

経験が少ない演出助手だと技術スタッフから強く当たられてしまうこともあります。

これはしょうがないことで、勉強不足だとこうなってしまうことがあります。

演出助手として仕事をまっとうしていればこき使われることはないのでご安心を。

音響部、照明部、美術部のスタッフは独自の素晴らしいアイディアを持っていることがあります。

演出家にアイディアをうまく伝えることで舞台が豊かになっていきます。

小屋入り

稽古場で行われていたことをそのまま舞台上に持ってくるのが小屋入りです。

ここですべてのスタッフが集まり、舞台として完成します。

搬入や搬出は舞台監督チームが中心となって行います。

機材の設置が終わった頃に照明と音響の調整が始まります。ここからが演出チームの出番です。

俳優がいる状態で照明を細かくつくっていくこともあれば、先に照明をつくってそこに俳優を埋め込んでいくこともあります。

稽古場から劇場に入ると、思い通りにいかないこともあります。

舞台の本番までにその調整を行います。

「場当たり(1シーンずつ作り込む)」「ランスルー(衣装なしのリハーサル)」「ドレスリハーサル(メイク・衣装付きのリハーサル)」「ゲネプロ(公開リハーサル)」の順に行うことが多いです。

スケジュールがタイトな場合は割愛されることもあります。

本番

本番を迎えると演出助手の仕事は終わりです。

あとは舞台の成功を祈るのみです!

以上、演出助手の仕事について解説しました。

演出の勉強になる

演出助手は常に演出家の横にいるため、稽古では2番目にイイ席で見ることができます。

この経験は素晴らしいものです。

舞台がつくられていく様子、俳優の成長をゼロ距離で感じることができます。

演出に関して疑問を持つこともあると思いますが、それは将来の自分のために記録しておきましょう。というのも演出助手は演出家が実現したい舞台づくりを手伝うことがメインだからです。

ただし演出の勉強をするためには事前準備がとにかく大事です。

稽古当日にバタバタしていると演出の勉強どころではなくなってしまいます。

演出助手がバタバタしている現場は、稽古がスムーズに進まず参加している人たちにストレスを与えてしまいます。

自分の経験のためにも、回りの人達のためにも、事前準備をしっかりしていきましょう!

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kazu

今回は「演出助手の仕事について」でした。
ありがとうございました。