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「白鳥の湖」はハッピーエンド?
バッドエンドもある?
どっちがオリジナル?

日本の「白鳥の湖」はハッピーエンド版が多いです。というのもロシアの影響を大きく受けているからです。それに対し、ヨーロッパ版はバッドエンドが多くなっています。どうしてそうなっているのかご紹介していきます。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。

kazu

今回は「白鳥の湖」のハッピーエンドとバッドエンドの紹介です。

※3分ほどで読み終わる記事です。

初演は大失敗?

「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」はチャイコフスキーの3大バレエと呼ばれます。チャイコフスキーがバレエ音楽を作曲するまでは、バレエ音楽の作曲は2流の仕事と思われていました。チャイコフスキーが初めて手掛けたバレエが「白鳥の湖」です。残念ながら、初演時は主役のダンサー、振付師、指揮者に恵まれなかったため、評価を得られず、お蔵入りしてしまいます。

初演:1877年3月4日

ロシア:ボリショイ劇場バレエ団

振付:ヴェンツェル・ライジンガー
音楽:チャイコフスキー
原作:ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウス「奪われたヴェール」
台本:台本:ウラジーミル・ベギチェフ、ワシリー・ゲリツェル

曲順が大幅に変更?

その後もチャイコフスキーはメゲることなくバレエ音楽を作曲していきます。そこで生まれたのが「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」です。この2作品が大成功したことにより「白鳥の湖」の復活上演が決まります。

1894年、チャイコフスキーが亡くなってから1年後、1周追悼ついとう公演で第1幕第2場のみ新たに作り変えられました。この公演が成功し、翌年「白鳥の湖」は復活を果たします。

復活:1895年1月15日

ロシア:マリインスキー劇場バレエ団

振付:マリウス・プティパ(第1幕第1場、第2幕)、レフ・イワノフ(第1幕第2場、第3幕)
音楽:チャイコフスキー

このとき大きな変更がありました。曲をカットしたり、曲順を大幅に入れ替える作業が行われ、台本にも手直しが加えられました。

「白鳥の湖」のあらすじはこちらからどうぞ。

スヴェトラーナ・ザハーロワとロベルト・ボッレによる第2幕。

改定後のストーリー

そうしてできたストーリーがこちら。

スーパーおおまかなストーリー

悪魔に呪いをかけられたお姫様オデット。昼間は白鳥の姿で夜になると人間の姿に戻る。呪いを解くには王子様と本当の愛を誓うこと。オデットはジークフリート王子と出会い、ふたりは永遠の愛を誓う。

しかし、ジークフリート王子はオデットそっくりなオディールに騙され、オディールに愛を誓ってしまう。こうしてオデットの呪いを解くことができなくなってしまう。オデットに許しを請う王子。王子を許すものの、呪いが解けないことを悟ったオデットは2人の愛を貫くため湖に身を投げて死んでしまう。オデットが死んだことで悪魔も滅びるのだった。

世界中で一番上演されているバレエ「白鳥の湖」。いろいろなバージョンがありますが、すべてプティパ・イワーノフ版の「白鳥の湖」がもとになっています。

ハッピーエンド?バッドエンド?

さきほどバッドエンドを紹介しました。ですが、「白鳥の湖」はバッドエンドとハッピーエンドの2つの系統に分かれます。

そもそも「白鳥の湖」はバッドエンドでしたが、ロシアの情勢によりハッピーエンドが誕生します。ソ連時代、社会主義の政策として「バレエは幸せで終わるべき」という指示がでます。旧ソ連の「白鳥の湖」は基本的にハッピーエンドで、今もその流れが続いています。

日本のバレエ界はロシアからの影響が大きいため、多くのバレエ団がハッピーエンド版「白鳥の湖」を上演しています。

なぜバッドエンドが生き残っているのか?

ロシア革命が起きた時、振付家のニコライ・セルゲイエフが西側に亡命を果たします。このとき、バッドエンド版「白鳥の湖」の舞踏譜(音楽の楽譜のようにバレエの振付を記録した譜面)を持参していました。

1934年、この舞踏譜をもとに英国ロイヤル・バレエ団の前進であるヴィック・ウェルズ・バレエ団で上演されます。こうして西欧ではバッドエンド版「白鳥の湖」が広がることになりました。

kazu

ぼくはバッドエンドバージョンが好きです。よりドラマティックな展開になっていると思います。

DVD「パリ・オペラ座バレエ団のヌレエフ版」

バッドエンドの代表作であるヌレエフ版「白鳥の湖」です。

重厚なつくりのバッドエンドです。

「白鳥の湖」は信じられないほどバージョンがあります。ぜひお気に入りの「白鳥の湖」を見つけてください。

kazu

今回は「なぜ『白鳥の湖』にはハッピーエンドとバッドエンドがあるのか」について紹介しました。
ありがとうございました。