男性にこそ『おジャ魔女どれみ』(1999年~)大人も子供も大号泣
jazz

『おジャ魔女どれみ』(1999年 – 2003年)の内容は?
特徴は?
見どころは?

『おジャ魔女どれみ」は20代、30代の方とって馴染み深い作品かもしれません。

20周年記念映画『魔女見習いをさがして』が、2020年に公開されました。これに合わせ Amazonプライムに『おジャ魔女どれみ』が登場。ちょっとのつもりが……。

最終回に号泣してしまうほど、スゴイ作品でした。

大人の男でもこんなに楽しめるので、女性はきっともっと楽しめ、小さいお子さんに見せると幅の広い考えが身につくように思います。

実は『サマーウォーズ』の細田守監督が演出している回があります。細田さんは一時期アニメ業界から干され気味な時代があったそうで……。

復帰作となったのが『おジャ魔女どれみ』といわれています。

記事を書いているのは……

元劇団四季、テーマパークダンサー。社割を使えたときは週2回 映画館へ行っていました。最近はネットで映画をたっぷり。

kazu

今回は、『おジャ魔女どれみ』(1999年 – 2003年)の内容・感想・特徴、男性にもオススメする理由についてです。

※ 3分ほどで読み終わります。

最終回がスゴイ

『おジャ魔女どれみ』は、地上波で 1999年から 4年間放送されました。(全 200話)

全 4シーズン(全 200話)

第 1シリーズ:『おジャ魔女どれみ』(全 51話)
第 2シリーズ:『おジャ魔女どれみ♯(シャープ)』(全 49話)
第 3シリーズ:『も〜っと! おジャ魔女どれみ』(全 50話)
第 4シリーズ:『おジャ魔女どれみドッカ〜ン ! 』(全 51話)

第 4シリーズの最終回があまりに素晴らしくて大号泣……。

でも!!

だからといって、最終回から見ちゃだめです。ずーっと見ていたからこそ、最終回に大号泣できるのです。

あらすじ

自称、世界一不幸な美少女、春風どれみ小学3年生。どれみは好きな先輩に告白するため、おまじないグッズを取り扱うお店に足を踏み入れる。

そこは人間界に溶け込み商売をする魔女マジョリカが経営するお店。なんでも素直に口にしてしまうどれみは「マジョリカが魔女なんじゃないか」とつい本人に言ってしまう。

するとマジョリカがカエルに変身してしまう。

「人間に正体を見破られるとカエルになってしまう」という呪いがかけられていたマジョリカ。唯一この呪いを解く方法は、正体を見破った人間が魔女になり、呪いを無効にすること。

どれみは昔から魔法使いになりたいと思っていたため、二つ返事で魔女になることを決める。魔女になるためにはまずは魔女見習いになり、魔法進級試験を受けなければいけない。マジョリカのお店を手伝いながら魔女を目指すことに。

魔法が使えるようになったどれみは意気揚々。無鉄砲に魔法を使ってしまい、失敗も多い。

そんなどれみをマジョリカが「おジャマ」な「魔女」という意味から「おジャ魔女」と命名する。

進級試験、お店の手伝い、仲間、人助けをするうちにどれみの資質がどんどん輝いていく。

日常の問題に切り込んでいく

第 1シーズンから第 4シーズンに進むに連れ、内容が深くなっていきます。

お気楽な感じで始まったはずの第 1シーズン。最初は 1つのクラスの生徒たちの話が中心ですが、2シーズン目では子育て要素が加わり、3シーズン目に突入すると 1学年( 2つのクラス)の生徒たちの話に変わります。

1シーズン 50話ほどあるので、メインキャラクターだけでなくクラスメイトたちにも 1話ずつ振り分けられています。

学校生活、友達関係だけでなく、離婚や片親の苦労、両親との確執、ありとあらゆるテーマが語られます。

そして、難しい問題も制作者が提示します。

いじめへの取り組み

とくに印象に残るのが、いじめをテーマにした回です。

ちょっとしたすれ違いや誤解から不登校になってしまうキャラクターが登場します。この子をどれみちゃんが全力でサポートするのですが、1話では解決せず 3話使います。

第3シーズンの第20話、第38話、第45話と飛び飛びで登場し、決着を迎えます。

時間が飛ぶことで心情の変化を丁寧に描いています。

めがね

お子さんと一緒に見て感想を言い合えば、なかなか話しづらいイジメ問題まで踏み込んで話ができるんじゃないか、と思います。

そして第 4シーズンになると、「人生で大事なものはなにか」「大人になるとはどういうことなのか…」という哲学的な領域にまで踏み込んでいきます。

伝説の細田守回

細田守さんは、シーズン 4の 第40話と 第49話の演出を担当しています。

特に 40話『どれみと魔女をやめた魔女』が恐ろしく文学的な作品です。

初見ですごく違和感がありました。

絵の構図が明らかにほかのエピソードと違います。あまりに気になってエンドタイトルをじっくり見ていると「細田守」と……。

えっ! 細田守監督?

紛れもなく細田監督で、演出を担当していました。

1000年生きる魔女が登場するのですが、ゲスト声優として原田知世さんが演じています。

こんなセリフがあります。

魔女「ガラスってね。冷えて固まっているように見えて、本当はゆっくり動いているのよ。この海の水みたいにね。」
どれみ「えっ……。本当?」
魔女「ただし、何十年も……、何百年も……、何千年もかけて、少しずつゆっくりと……。あんまりゆっくりなんで、人間の目には止まっているようにしか見えないだけ。」
どれみ「知らなかったー……」
魔女「でも、何千年も生きる魔女はガラスが動いてるのを見ることが出来る。いずれ私も、それを見る。」

ガラスが固体ではない、ということを初めて知りました。ガラスを比喩的に使うこのセンス……。

大人もドキッとしてしまいます。

自分が子供だったら何を思ったんだろうか……。

この話のように大人でも楽しめる内容になっています。

第 4シーズンということもあり、第 1シーズンと比べ、作画の感じや声優の方々の声の出し方もだいぶ変わります。

キャスト

役名:声優

春風どれみ:千葉千恵巳
藤原はづき:秋谷智子
妹尾あいこ:松岡由貴
瀬川おんぷ:宍戸留美
飛鳥ももこ、矢田まさる:宮原永海
春風ぽっぷ:石毛佐和
マジョリカ:長澤菜教
ハナちゃん:大谷育江
小竹哲也:氷青
玉木麗香:永野愛
関先生:葛城七穂

地上波での放送だけでなく、続編として特別版の『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』(全 12 話)。劇場版『映画:おジャ魔女どれみ♯』『映画:も〜っと! おジャ魔女どれみ、カエル石のひみつ』の 2作品が公開されています。

そして2020年、設定を少し変えたスピンオフ作品の『魔女見習いをさがして』が公開されることになりました。

5,000円ほど。

圧倒的主人公のどれみ

主人公のどれみは、失敗ばかりで特質するものがないと思っています。

ですが、周りの友達は気づいています。どれみだけが気づいていません。

何が正しいかを判断し、行動を起こすという能力です。

同時に、誰とでも友達になる、とてつもなく素直な心の持ち主です。周りの友達を巻き込み、気づいたらみんながとても楽しい時間を過ごしています。

空気を変える主人公

学生時代、クラスには中心人物がいると思います。クラスを超えて学年の中で存在感を放つ生徒もいます。

「学年で存在感を放つ存在」というのがかなり重要で、その生徒の性格が学年全体に影響してしまうことがあります。学年の雰囲気の違いは、この中心人物の個性によると思います。

まれに「妙に人ができている生徒たち」がそろってしまう学年、みたいなことが起こります。そこには、中心人物の個性が影響しています。

その中心的な役割をどれみが担っています。

どれみの良さは、輪の中心にいることをまったく自覚していない、という点。

子役界のスターであるおんぷちゃんを押しのけるほどの存在感。どれみちゃんの存在で、学年の友達が人間的にどんどん成長していきます。

そして、それぞれの悩みが解決していくので「あの子どうなったんだろう」ということがありません。

jazz

この作品を見れば絶対いい子に育つんじゃないかな、と思っちゃうほど素敵な作品で、20年たった今も愛されている理由が理解できました。

第 1 話:無料公開中

youtube で『おジャ魔女どれみ』 第1話「私どれみ!魔女見習いになる!!」が無料公開されています。

youtube のリンクです。こちらからどうぞ

肩、はずれるよ…

ちょっと最後に気になる点をひとつ。変身シーンや決めポーズがあります。それぞれのキャラによって、ちょっとだけ動きが違います。ダンサー視点から見ると注目ポイントは、めがねをかけている「はづきちゃんの決めポーズ」。

肩、はずれちゃってます……。(笑)

マネする場合、腕がちぎれる可能性があるので注意です。

ちなみに変身シーンはシリーズごとに変わります。

お母さん

実は個人的に非常にびっくりしたのがどれみのお母さん役の「詩乃優花しのゆうか」さん。この芸名からピンと来る方もいるかもしれませんが詩乃優花さんは宝塚歌劇団出身です。宝塚時代は個性的な役を演じていました。

特に覚えているのが『スパルタカス』。1992年花組の公演です。当時男役トップは安寿ミラさん、2番手は真矢みきさん。娘役のトップは森奈みはるさんでした。

『スパルタカス』

紀元前のローマ共和国で起こったスパルタクスの反乱を描いた作品。スパルタカスは奴隷の身分でありながら、反乱軍を組織し、奴隷解放運動のために立ち上がる。

スパルタカスが反乱を起こすまで、どんなに頑張っても奴隷は、奴隷という身分から抜け出すことができません。詩乃さんは嫌な感じの貴族の役をやっていたのですが、印象的なセリフが……。

「どれーは、どれーよ!!」(発音を重視してひらがな表記にしています。)

このセリフ、いまだに頭の中にこびりついています。そんな詩乃さんがとても理解あるお母さん役。声が全然印象と違ったので、第2シーズンまでまったく気づきませんでした。

DVD

DVDの販売はないですが、配信されています。

kazu

今回は、『おジャ魔女どれみ』についてでした。 ぜひぜひチェックしてみてください。
ありがとうございました。

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