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海外ドラマ『ケインとアベル』|第3話の内容は?
見どころは?
どんな魅力がある?
海外ドラマ『ケインとアベル』第3話「果てしなき対決」は、これまでのエピソードで次第に高まった対立が、一層激化します。
元劇団四季、テーマパークダンサー。年間100公演ほど舞台を観に行ったことのある劇場フリーク。映画に夢中だった頃は、毎週映画館に行っていました。最近はネットで映画をたっぷり。
※ 3分ほどで読み終わります。
『ケインとアベル』とは
物語の背後には、ジェフリー・アーチャー原作の壮大なドラマが流れており、ロシアからアメリカに至るまでの大河的な物語が、各話ごとに丁寧に紡がれています。
海外ドラマ版|エビソードリスト:各エピソードの解説は以下の記事でまとめています。
- 第1話:運命の二人
- 第2話:成功への階段
- 第3話:果てしなき対決(本記事)
- 第4話:許されざる恋
- 第5話:最後の闘い
原作小説: 原作小説についての解説は、以下の記事をご参照ください。
第1話「運命の二人」では、ボストンの裕福な銀行家の息子であるウィリアム・ケインと、東ポーランドの厳しい環境の中で育ったヴワデグが、運命的にニューヨークで出会うまでの軌跡が描かれました。続く第2話「成功の階段」では、ウィリアムが所属するケイン&ギャボット銀行と、アベルが頭角を現したシカゴのリッチランホテルの再建を巡る金融ドラマが展開されました。
第3話:果てしなき対決
45分の第3話。冷静さを保っていたウィリアム・ケインが、感情の爆発とともにアベルに対して敵意を露わにしていきます。
第3話|主な登場人物
ケイン側の登場人物:
- ウィリアム・ケイン:ケイン・アンド・ギャボット銀行の次期頭取。
- アラン・ロイド:ウィリアムの後見人であり、銀行家としても支える存在。
- マシュー・レスター:ウィリアムの生涯の親友。レスター銀行の次期頭取。
- トーマス・コーエン:法律事務所の弁護士。
- ヘンリー・オズボーン:ウィリアムの亡き母アンの再婚相手。
アベル側の登場人物:
- ヴワデグ・コスキエヴィッチ(アベル・ロスノフスキ):東ポーランド出身の野心家。
- イェジー・ノヴァク(ジョージ):アベルの親友として、彼を支える。
- ザフィア:アベルの結婚相手。
エピソード解説
第1話と第2話では、アベルに焦点が当たっていました。今回の第3話では、ウィリアムの存在感が強調されています。
- アベルの成功
- 市会議員になったヘンリー・オズボーンの助けを得て、シカゴのバロンホテルの再建に成功。
- ヘンリーの便宜により、アベルは全米各地に新たなホテルを次々と建設していく。
- ウィリアムの苦境
- ウィリアムは、ケイン・アンド・ギャボット銀行の頭取候補として活躍するが、頭取の座が遠い。
- 親友のマシューが若くして病気で亡くなり、ウィリアムの心に深い傷が残る。
- レスター銀行での混乱
- レスター銀行では、跡取りがいない中、亡くなったレスター氏がウィリアムに頭取就任の遺言を残す。だが、拘束力がなく、役員会での投票に委ねられる。
- ウィリアムは巧妙に立ち回り、結果的に頭取に就任。しかしその直後、マシューの妹スーザン・レスターがアベルに銀行株の6%を売却してしまう。
アベルは、市会議員となったヘンリー・オズボーンの助力を得て、シカゴにあるバロンホテルの再建に成功します。その後、オズボーンの便宜により、アベルは次々と全米各地に新しいホテルを建設していきます。一方、ウィリアムはケイン・アンド・ギャボット銀行の頭取候補として活躍。しかし、ウィリアムの親友であるマシューが若くして病気で亡くなるという悲劇が襲います。
ここで跡取りのいないレスター銀行に場所を移します。マシューの父であり亡くなったレスター氏がウィリアムに頭取就任の遺言を残していましたが、拘束力がなく、役員会の投票で頭取が決定されることに。ウィリアムは巧みな立ち回りで、レスター銀行の頭取に就くことに成功します。ところが、マシューの妹であるスーザン・レスターが、アベルに対し銀行株の6%を売却してしまいます。これが後に大きな事件の発端となります。スーザンの行為により、アベルはあと2%あれば役員会での投票権を得られる状況となります。レスター銀行の役員たちはウィリアムの存在が必要と考えるものの、ウィリアムさえいなければアベルが銀行を攻撃してこないのでは、と考え始めます。ウィリアムはアベルとの確執を解消しようと電話で交渉を試みますが、うまくいかず、そのやり取りの中で怒りが爆発してしまいます。
ウィリアムは復讐のため徹底的な調査を開始。アベルとヘンリー・オズボーンのつながりから、法律を超えた汚い策を取るだろうと確信。不穏な空気の中で第3話は幕を閉じます。
原作との違い
- ウィリアムの銀行家としての成長描写の違い
- 第2次世界大戦のストーリーの変更
原作との大きな違いは、ウィリアムがレスター銀行の頭取になるまでの過程が、ドラマ版で全く描かれていない点です。小説版では、ウィリアムが成功と失敗を繰り返しながら銀行家としての実績を積み重ね、レスター銀行の頭取になるまでのスリリングな展開が丁寧に描かれています。しかし、ドラマ版ではその過程が省略されてしまい、結果としてウィリアムの魅力がアベルに比べ薄れてしまっているのが残念です。
さらに決定的な違いは、第2次世界大戦のストーリーです。小説版では、ウィリアムとアベルが戦争に志願します。ウィリアムは将校として前線に出る一方、アベルは足に障害があるため補給兵として戦争に参加します。前線でアメリカ軍が大打撃を受けた際、アベルは負傷兵の救出に向かい、重症の将校を救います。もちろんその将校がウィリアムです。ですが、ボロボロの外見からウィリアムに気づくことはありません。一方、ウィリアムはおぼろげながらも助けてくれた人物の印象として、銀の美しい腕輪を強く記憶します。ドラマ版ではこのエピソードが全部カットされています。
この銀の腕輪ですが、プラザホテルでの最初の出会いの際、ウィリアムがアベルの腕輪を記憶します。小説版では、お互いに直接口を交わすことはありません。個人的には、銀の腕輪の描写に関しては小説版が非常に良くできていると感じています。
制作・キャスト情報
- 監督:バズ・キューリック
- 脚本:ロバート・W・レンスキー
- 原作:ジェフリー・アーチャー
監督バズ・キューリック、脚本ロバート・W・レンスキー、そして原作のジェフリー・アーチャーの名作が融合。原作と比べドラマ版は、アベルもウィリアムも知的なので、日本版のキャストである平幹二朗さんと山本圭さんはすごくマッチしていると思います。
原作小説では、アベルは小太りで図々しい印象があります。しかし、ドラマ版のピーター・ストラウス演じるアベルは、イメージを一新し、洗練されたスタイリッシュな姿で描かれています。この違いにより、ドラマ版のアベルは知的で魅力的なキャラクターとして観る者に強い印象を与えます。
- アベル・ロスノフスキ:ピーター・ストラウス(平幹二朗)
- ウィリアム・ケイン:サム・ニール(山本圭)
- ヘンリー・オズボーン:デヴィッド・デュークス(羽佐間道夫)
- マシュー・レスター:リード・バーニー(古川登志夫)
海外ドラマ版|第4話はこちらからどうぞ。
エンターテイメントとしての完成度は高く、次回以降のエピソードにも大いに期待が高まります。深まる対立と金融ドラマの魅力を存分に味わってください。
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