ミュージカル映画「SING/シング」英語版|内容解説・曲目リスト
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ミュージカル映画『SING/シング』の内容は?
英語版のキャストは?
印象に残ったシーンは?

​『SING/シング』は、2016年に公開されたミュージカル・アニメ映画で、動物たちが歌のオーディションを通じ、夢を追い求める姿を描いています。​魅力的なキャラクターと多彩な楽曲で世界中から人気があります。英語版では、マシュー・マコノヒー、スカーレット・ヨハンソン、リース・ウィザースプーンが声を担当、日本語吹替版では、内村光良さん、長澤まさみさんが参加しています。​どちらのバージョンも魅力的で作品に深みを与えています。

​今回は、英語版のあらすじ、豪華キャスト、使用された楽曲リストを紹介します。​

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。映画に夢中だった頃は、毎週映画館に行っていました。最近はネットで映画をたっぷり。

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クオリティの高い映像

​『SING/シング』は、アニメでありながらキャラクターの豊かな表情と魅力的な性格を楽しむことができます。無音で聞いたとしても、キャラクターの感情がわかってしまうくらい表情が細かいです。これまで実写映画を手掛けてきたガース・ジェニングスが、『SING/シング』で初めてアニメーション映画に挑戦しました。当初、実写とアニメーションの制作プロセスの違いに直面し戸惑いを感じていた監督。しかし、6カ月が過ぎる頃にはアニメ制作に深く魅了され、これまでの映像制作の経験を活かすことができたと語っています。 ​

キャラクターのデザインと表現

キャラクターのデザインにおいては、動物の特性を活かしつつ、人間らしい感情や動きを表現することが重視されています。​例えば、主人公のコアラであるバスター・ムーンは、楽観的で情熱的な性格を持ち、その性格が表情や動きに反映されています。​また、60曲以上の楽曲が使用されており、各キャラクターの物語や感情に合わせて選曲されています。​

「SING/シング」|あらすじ

コアラのバスター・ムーンは、幼い頃に父親と訪れた劇場での体験から劇場支配人となりました。しかし、彼の経営するムーン劇場は経営難に陥り、取り壊しの危機に瀕していす。劇場を救うため、バスターは賞金付きの歌のオーディションを開催することを決意。しかし、事務員のミス・クローリーの手違いで、賞金額が「10万ドル」と誤って記載されたポスターが街中に配られてしまいます。​そして、多くの動物たちがオーディションに集まりました。

オーディションに集まった主なキャラクター

  • ロジータ:​25匹の子ブタたちの育児に追われる主婦。自身の才能を発揮する場を求めてオーディションに参加します。

  • ジョニー:​ギャングファミリーを抜け出し、歌手を夢見るゴリラの青年。父親の期待と自分の夢との間で葛藤しています。

  • アッシュ:​パンクロックを愛するヤマアラシのティーンエイジャー。バンド活動をしていましたが、ソロデビューを目指しています。

  • マイク:​貪欲で高慢な性格のネズミ。フランク・シナトラ風の歌唱スタイルを持ち、自己中心的な性格です。

  • ミーナ:​極度のあがり症で内気なゾウのティーンエイジャー。素晴らしい歌声を持ちながらも、人前で歌うことに恐怖心を抱いています。

  • グンター:​常にパーティー気分の陽気なブタ。ダンスが得意で、ロジータとペアを組んでオーディションに挑みます。

彼らはそれぞれの悩みや問題を抱えながらも、オーディションを通じて自分自身を見つめ直し、成長していきます。バスターもまた、劇場への情熱を再確認し、仲間たちと共に劇場の再建に向けて奮闘します。

『SING/シング』は、夢を追い求めることの大切さや仲間との絆を描いた感動的な作品です。個性豊かなキャラクターたちと、彼らが歌う数々の名曲が披露されるミュージカル・コメディです。

評価

SING/シングのYahoo映画での評価

Yahoo!映画より

音楽の評価が飛び抜けて高いです。

ノミネート歴

  • 第74回ゴールデングローブ賞(2017年):

    • アニメ映画賞: ノミネート

    • 主題歌賞: ノミネート(楽曲「Faith」)

アニー賞(2017年):

  • 長編作品音楽賞: ノミネート(ジョビー・タルボット)

キャスト|キャラクター

監督:ガース・ジェニングス

英語版「SING/シング」は豪華な俳優陣が声優として参加しています。

役名:英語版キャスト|日本版キャスト

バスター・ムーン:マシュー・マコノヒー|内村光良
ロジータ:リース・ウィザースプーン|坂本真綾
マイク:セス・マクファーレン|山寺宏一
アッシュ:スカーレット・ヨハンソン|長澤まさみ
エディ:ジョン・C・ライリー|宮野真守
ジョニー:タロン・エジャトン|大橋卓弥(スキマスイッチ)
ミーナ:トリー・ケリー|MISIA
ナナ・ヌードルマン:<声>ジェニファー・ソーンダース、<歌>ジェニファー・ハドソン| 大地真央
ミス・クローリー:ガース・ジェニングス|田中真弓
ビッグ・ダディ:ピーター・セラフィノウィッツ|石塚運昇
グンター:ニック・クロール|斎藤司
ランス:ベック・ベネット|谷山紀章
ボス熊:ジム・カミングス|三宅健太
ベティ:タラ・ストロング|水樹奈々

キャラクター

各キャラクターは、動物の特性を活かしながら人間社会の多様性や個性を反映しています。以下に、主要キャラクターに関する背景を紹介します。​

バスター・ムーン(コアラ)

劇場支配人であるバスター・ムーン。名前に「ムーン(月)」が含まれており、これは欧米文化で「狂気」を連想させることがあります。破天荒で情熱的な性格を象徴していると考えられます。 

ロジータ(ブタ)

25匹の子ブタたちの母親であるロジータ。監督のガース・ジェニングスの妻がモデルとなっており、日常生活からインスピレーションを得て作られました。

マイク(ネズミ)

フランク・シナトラ風の歌唱スタイルを持つマイク。才能豊かでありながらも自己中心的な性格で、製作陣は観客が彼を嫌う可能性があることを認識していましたが、キャラクターの変更は行われませんでした。

ミーナ(ゾウ)

内気で極度のあがり症なティーンエイジャーのミーナ。あがり症のキャラクターは一番大きな動物であるべきだと考えられたためです。

アッシュ(ヤマアラシ)

パンクロックを愛するティーンエイジャーのアッシュトゲトゲした外見は、反抗的で独立心の強い性格を象徴しています。

ジョニー(ゴリラ)

ギャングのボスを父に持つジョニー。大柄な体格でありながら優しい心を持つギャップ。音楽への情熱と家族の期待との間で葛藤する姿を表現しています。

グンター(ブタ)

陽気で自信満々なダンサーであるグンター。明るい性格でロジータの才能を引き出す役割を果たしています。

ミス・クローリー(トカゲ)

バスターの秘書であるミス・クローリー。おっちょこちょいな性格と独特の外見が、物語にユーモアを加えています。

このキャストに注目

リース・ウィザースプーンのロジータ役は、これまでの演技とは異なる声のトーンで新鮮さを感じさせます。歌手としての才能も発揮し、ロジータのキャラクターに深みを与えています。​

ジプシー・キングスの「Bamboleo」が流れるシーンは特に印象的です。​ダンスの苦手なロジータが、ラテンのリズムに身を任せ、スーパーマーケットで情熱的に踊る場面です。​このシーンでは、ジプシー・キングスの熱いサウンドとロジータの内に秘めた情熱が見事に融合しています。​

この曲は、映画のサウンドトラックにも収録されています。劇中で警備員が音楽のボリュームを上げる演出が大好きです。ロジータの最後のセリフのテンションが日本語版と英語版で異なる点も興味深い部分です。

また、ジョニー役のタロン・エジャトンは、『キングスマン』シリーズや『ロケットマン』で主演を務めた実力派俳優です。​ジョニーは下町出身のゴリラで、美しい歌声と音楽への情熱を持つキャラクターとして描かれています。​ジョニーの外見から黒人俳優が声を担当しているかと思いきや、エジャトンの起用は多才さとキャラクターへの適性を考慮した結果です。ハスキーボイスは、ジョニーの繊細で葛藤する心情を見事に表現しています。

名曲オンパレード

フルで使用されているわけではないですが、名曲のオンパレードです。楽曲は、物語の進行やキャラクターの心情に合わせて巧みに配置され、作品全体の魅力を高めています。

登場順
  • ビートルズ「Golden Slumbers」

  • スペンサー・デイヴィス・グループ「Gimme Some Lovin’」

  • ゾンビーズ「The Way I Feel Inside」

  • ケイティ・ペリー「Firework」

  • デイヴ・ブルーベック・カルテット「Take Five」

  • ジェリー・ラファティー「Baker Street」

  • ビヨンセ「Crazy in Love」

  • レディー・ガガ「Bad Romance」

  • ヴァン・ヘイレン「Jump」

  • シール「Kiss From A Rose」

  • きゃりーぱみゅぱみゅ「きらきらキラー」

  • ドノヴァン「I Love My Shirt」

  • ニッキー・ミナージュ「Anaconda」

  • ドリー・パートン「9 to 5」

  • クリストファー・クロス「Ride Like The Wind」

  • マイケル・ジャクソン「Ben」

  • サム・スミス「Stay With Me」

  • シーア「Chandelier」

  • フランク・シナトラ「Pennies From Heaven」

  • アントニオ・カルロス・ジョビン「Garota de Ipanema」

  • きゃりーぱみゅぱみゅ「にんじゃりばんばん」

  • ドレイク「Hold On, We’re Going Home」

  • キャット・スティーヴンス「The Wind」

  • バナナラマ「Venus」

  • カーリー・レイ・ジェプセン「Call Me Maybe」

  • ジョン・レジェンド「All Of Me」

  • シンディ・ローパー「True Colors」

  • ジプシー・キングス「Bamboleo」

  • ビートルズ「Carry That Weight」

  • ワム!「Wake Me Up Before You Go-Go」

  • ルチアーノ・パヴァロッティ「Nessun dorma」

  • レナード・コーエン「Hallelujah」

  • クイーン&デヴィッド・ボウイ「Under Pressure」

  • テイラー・スウィフト「Shake It Off」

  • エルトン・ジョン「I’m Still Standing」

  • スティーヴィー・ワンダー「Don’t You Worry ‘Bout a Thing」

  • スティーヴィー・ワンダー&アリアナ・グランデ「Faith」

日本語を話すキャラクターが登場し、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲を披露する場面もあります。ただ扱われ方が少し気になります。

スティーヴィー・ワンダー&アリアナ・グランデ「Faith」

​「Faith」は、音楽界の巨匠スティーヴィー・ワンダーと、若手実力派シンガーのアリアナ・グランデが共演したことで大きな話題を呼びました。​映画のテーマである「信じること」を象徴する楽曲として制作されました。​スティーヴィー・ワンダーとアリアナ・グランデという異なる世代のアーティストが共演することで、世代を超えた音楽の力を表現しています。​

「Faith」はゴスペルやソウルの要素を取り入れたアップテンポな楽曲で、前向きなエネルギーに溢れています。​スティーヴィー・ワンダーの演奏と、アリアナ・グランデの伸びやかなボーカルが融合し、楽曲に深みと広がりをもたらしています。​

1500円ほど。

DVD

DVD版は日本語キャスト、英語キャスト両方楽しめるのでオススメです。

日本語版キャストに関する記事はこちらで紹介しています。

今回は「SING/シング」英語版の紹介でした。

エンタメ作品に関してはこちらで紹介しています。ぜひご覧ください。