『ラ・バヤデール』の第2幕は?
踊りと演技が詰まっている?
見どころは?
豪華な婚約式を中心に、華々しいシーンが登場する 第2幕。
しかし、ソロルの行動にモヤモヤすることになると思います。
現実と理想に悩む人ほど刺さる内容です。
元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。
今回は、バレエ『ラ・バヤデール』第2幕の見どころポイントです。
※ 3分ほどで読み終わります。
『ラ・バヤデール』に関する記事はこちらでまとめています。
ニキヤ・ガムザッティ・ソロルのドロドロとした恋愛物語。映像やおススメのDVDも紹介しています。
| 第1幕の見どころポイント |
| 第2幕の見どころポイント(→現在は、この記事) |
| 第3幕・第4幕の見どころポイント |
豪華な婚約式
第2幕 は華々しいダンスのオンパレードです。
どの踊りもインドの雰囲気たっぷりです。
前半は踊りパート、後半はドラマティックな演技パートに分けることができます。
登場人物
バヤデールとは、聖なる寺院に仕える踊り子のことです。
ニキヤ:神殿の舞姫(バヤデール)
ソロル:戦士
ガムザッティ:ラジャの娘
ハイ・ブラーミン:大僧正
ラジャ:首長
マグダヴェーヤ:苦行僧の長
アヤ:ガムザッティの召使
ソロルの友人
第2幕:ストーリー
ガムザッティとソロルの婚約式が盛大におこなわれる。
扇を持った女性たちの踊り、黄金像の踊り、水瓶を頭にのせた女性の踊り、激しいリズムに合わせた太鼓の踊りが披露される。
ガムザッティとソロルの踊りで、婚約式が最高潮となる。
踊り子のニキヤが登場し、空気が一変する。
秘密の恋仲であったニキヤとソロルに試練が訪れる。
寺院に仕える踊り子バヤデールとして 2人にお祝いの踊りを贈らなければいけないニキヤ。苦しむソロル。わざとソロルの手を取るなど、ニキヤにマウントを取り続けるガムザッティ。
これ以上踊ることが難しく、逃げようとするニキヤ。
ガムザッティの侍女が花かごを渡し、ソロルからの贈り物だと告げる。ソロルがまだ自分を愛していると喜び、花の香りを全身で感じる。
すると、花かごの中から毒蛇が飛び出しニキヤを噛んでしまう。
実は花かごは首長とガムザッティによるものだった。
苦しむニキヤ。ガムザッティの陰謀に気づき、問い詰める。
しかし全身に毒がまわり息ができなくなってくる。
そこに大僧正が近づく。その手には解毒剤が。
「わたしのものになれば助けてやろう」
ソロルを見つめるニキヤ。しかし、ソロルは目を背けている。
ソロルがいない人生を選ぶことはできない、と解毒剤を断り倒れてしまう。
ついに駆け寄るソロル。しかし、すでにニキヤの息はない。
その姿を見たガムザッティと領主は去っていくのであった。
第2幕:見どころポイント
ハイライトは、ソロルとガムザッティのパ・ド・ドゥ( 2人の踊り)です。
そこからニキヤのソロ、悲劇へと転がり落ちていきます。
ダンサーの個性を発揮するような余白がたくさんあり、ニキヤ、ソロル、ガムザッティは演じるダンサーによって解釈がまったく異なります。
ニキヤ
踊り子でありながら、戦士ソロルと恋に落ちます。
しかし、領主によってソロルとガムザッティの婚約が決まってしまいます。
婚約を破棄してほしいニキヤですが、ソロルはガムザッティとの結婚に従うしかありません。
皮肉にも踊り子であるため、かつての恋人の婚約式でお祝いの踊りを披露しなくてはいけません。
まだソロルが自分を選んでくれるかもしれない、と淡い期待を抱くニキヤ。
しかし、その現実が来ることはないと知っています。
このとき悲しみを表現するダンサーもいれば、あえて気丈に振る舞うダンサー、力が抜けてしまうダンサー、受け入れソロルを許すダンサーもいます。
この解釈はダンサーに任されているので、どう表現するか見どころです。
ニキヤは数多くの名演があります。
パリ・オペラ座バレエ団より。イザベル・ゲラン(ニキヤ)、エリザベット・プラテル(ガムザッティ)、ローラン・イレール(ソロル)。
マリインスキー・バレエ団より。マリア・ホーレワ(ニキヤ)、ナデージダ・バトーエワ(ガムザッティ)、ウラジミール・シクリャローフ(ソロル)。
ソロル
古典バレエにおいて男性主役は情けないことが多いです。
『白鳥の湖』 、『ジゼル』 、そして『ラ・バヤデール』 。
ガムザッティと結婚することで出世していくソロル。
目の前でかつての恋人ニキヤ(はっきりと別れてはいない)が絶命するのをただ見ているしかない。
そんな風に演じる男性ダンサーが多かったのですが、近年はソロルの解釈もさまざまです。
第1幕に話を戻しますが、初めて領主の娘ガムザッティと出会うシーン。ソロルはニキヤという存在がいるものの、ガムザッティに惹かれてしまいます。
ですが、ダンサーによってはまったく反応を示さないこともあります。
それと同様、婚約式でニコリとも笑わないダンサーもいます。
心では抗いつつ、受け入れるしかない現実。
悲しいシーンです。
ガムザッティ
ニキヤとソロルの間に割って入るガムザッティは悪役として描かれることが多いです。
ですが、ガムザッティを悲劇の王女ととらえるダンサーもいます。
ソロルの心がニキヤにあるのを知りながら、ガムザッティは恋に落ちてしまいます。
それゆえの大胆な行動。
ガムザッティの行動ひとつひとつが悲しみにあふれるような表現をするダンサーもいます。
また、ダンサーとしてはテクニックがかなり要求される難役です。
さんざん踊ったあとにイタリアン・フェッテからの、グラン・フェッテです。
ミラノ・スカラ座バレエ団より。
ヌレエフ版は超絶難度となっていて、かなり見ごたえがあります。
パリ・オペラ座バレエ団より。リュドミラ・パリエロ(ガムザッティ)とジョシュア・オファルト(ソロル)。
黄金像の踊り
男性ダンサーのソロである「黄金像の踊り」は婚約式で登場することもあれば、第3幕に登場することもあります。バージョンによって変わります。
黄金像の踊りは男性ダンサーが全身を金色に塗り、力強い踊りとなっています。
1948年、ズプコーフスキーがボリショイ・バレエ団のために追加振付しました。
英国ロイヤル・バレエ団より。当たり役にしていた熊川哲也さんです。
ボリショイ・バレエ団より。イワン・ワシリーエフの超絶技巧です。
太鼓の踊り
かなりパワフルな踊りです。
太鼓を持つダンサーが信じられないくらい上まで太鼓を飛ばします。
東京文化会館で観たとき、照明にぶつかるくらいまでぶん投げていて爽快でした。
『ラ・バヤデール』は男性ダンサーの出演が少ないので、「太鼓の踊り」があると良いバランスです。
ボリショイ・バレエ団より。デニス・メドベージェフが男性ソロを踊ります。
以上、見どころの紹介でした。
オススメDVD
マカロワ版、ヌレエフ版、グリゴローヴィチ版の 3つのバージョンがオススメです。
英国ロイヤル・バレエ団(マカロワ版)
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ、ナタリア・オシポワ主演。
ナターリヤ・オシポワの演技がとくに素晴らしく、初めてガムザッティに同情しました。
プリンシパルである高田茜さん、ヤスミン・ナグディが「影の王国」のソリストとして登場していて豪華です。
パリ・オペラ座バレエ団(ヌレエフ版)
ルドルフ・ヌレエフの遺作となった『ラ・バヤデール』。
このDVDは初演版です。1994年に収録されたバージョンですが、現在も発売され続けています。
イザベル・ゲラン、ローラン・イレール、エリザベート・プラテルが素晴らしいです。若き日のアニエス・ルテステュ、オーレリ・デュポンも登場しています。
ボリショイ・バレエ団(グリゴローヴィチ版)
スヴェトラーナ・ザハロワ、マリア・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ主演。
ニキヤとガムザッティがとにかく豪華です。
今回は、『ラ・バヤデール』第2幕のあらすじと見どころでした。
ありがとうございました。
バレエ作品に関してはこちらにまとめています。ぜひご覧ください。
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