2020年4月17日SNS上で「リアム・スカーレットが死亡したんじゃないか」という話題が上がり、4月18日多くのニュースサイトで事実であると報道がありました。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。

kazu

今回は「リアム・スカーレットの死亡に至るまで」に関してです。

※3分ほどで読み終わる記事です。この記事は非常にナイーブな内容を含むので不快に思う方はお戻りください。

性的違法行為でバレエ界を追放されたリアム・スカーレットが死亡か…

「latestnewssouthafrica.com」より

リアム・スカーレットとは?

1986年4月8日生まれ(35歳)。英国ロイヤル・バレエ団の常任振付家でした。

全幕作品を振り付けることができる貴重な振付家です。暗い作風が特徴で、ゴシック調の重厚な雰囲気、グロテスクなシーンも多くありました。リアム・スカーレット作品の人気・評判は高く、振付作品の公演は売り切れが当たり前でした。

経歴

4歳でダンスをはじめ、8歳のときに英国ロイヤルスクール(英国ロイヤル・バレエ団付属の学校)に入学します。

2005年:英国ロイヤル・バレエ団に入団
2010年:英国ロイヤル・バレエ団で振付作品を発表
2012年:若干26歳で常任振付家に抜擢、ダンサーを引退
2018年:31年ぶりに「白鳥の湖」を改定

大活躍していたリアム・スカーレットですが、2019年に突如セクハラ疑惑が持ち上がります。

時系列で起きたことを整理

2019年9月以前:リアム・スカーレットのセクハラ疑惑がロイヤルバレエスクールから持ち上がる

2019年10月:英国ロイヤル・バレエ団の上演予定からリアム・スカーレットの作品が外される

英国ロイヤル・バレエ団だけでなく、リアム・スカーレットが作品を提供したバレエ団からも性的違法行為疑惑が多く持ち上がる。英国ロイヤル・バレエ団が調査を開始

2020年3月:セクハラ問題で英国ロイヤル・バレエ団の常任振付家から解雇。今後、英国ロイヤル・バレエ団と関わることがない、と発表される

英国ロイヤル・バレエ団の発表を受け、サンフランシスコ・バレエ団やクイーンズランド・バレエ団などからもリアム・スカーレットの作品がレパートリーから外される

2021年4月16日:デンマーク・ロイヤル・バレエ団のレパートリーからリアム・スカーレット作品が外されることが発表される。同時にリハーサル中に性的違法行為があったことも発表

2021年4月17日:「リアム・スカーレットが4月16日に死亡」という情報がSNS上を飛び交う

2021年4月17日:yahoo!ニュースなど日本の報道機関でリアム・スカーレットの死亡が掲載。死因は不明

多くのニュースサイトで死因不明となっていますが、こちらのサイトでは自ら命を絶ったと報じています。

4月17日、英国ロイヤル・バレエ団から追悼のツイッターが投稿されました。

訳:「我々はリアム・スカーレットの死の知らせに深く悲しんでいます。「失意の中にいるリアム・スカーレットの友人と家族に思いをはせています。」

性的違法行為で解雇

実はリアム・スカーレットの行為は刑事訴追はされていません。

ですが、2020年3月リアム・スカーレットは性的違法行為で解雇されました。というのもバレエ学校の生徒10人以上から具体的な証言があったからです。この証言に信憑性があったため解雇となりました。ただしバレエ団側はリアム・スカーレットに対し法的処置はおこないませんでした。これは生徒を守るべき立場である学校・バレエ団の監督責任にも問題があったからとも言われています。

性的違法行為(sexual misconduct)

「sexual misconduct」とは、性的違法行為であるものの重罪の性的暴力よりも攻撃的ではない性質の行為です。日本には相当する言葉がないため、性的違法行為と翻訳されています。

リアム・スカーレットの行為はなかなかに狡猾です。どう考えてもセクハラ行為を行っているのですが、証拠がない。そして被害にあった生徒やダンサーの数が多かったため、英国ロイヤル・バレエ団は解雇を決定しました。

そして2021年4月16日、またも性的違法行為の報告がデンマーク・ロイヤル・バレエ団から発表されました。そして、その後リアム・スカーレットの死亡が確認されています。死因は不明です。

リアム・スカーレットは若くして振付家として成功しました。そのため、妬みなどもあったと思います。ですが、性的違法行為に関してはどの機関もあったと認識しています。とくに未成年への性的違法行為は許されるものではありません。

リアム・スカーレット作品

リアム・スカーレットは英国ロイヤル・バレエ団に「白鳥の湖」「フランケンシュタイン」などなどを残しました。バレエは自分でお金を払って観に行くエンターテイメントなので、英国ロイヤル・バレエ団はレパートリーに残すかまだ悩んでいるようです。というのも、英国ロイヤル・バレエ団にはリアム・スカーレットから被害を受けたダンサーたちが残っています。ダンサーたちの気持ちを考えると上演はなかなか難しいかもしれません。

31年ぶりに改定された「白鳥の湖」。かなりの予算がつき、今後10年は上演する予定だったと思われます。

「フランケンシュタイン」。リアム・スカーレットを特徴づける作品となりました。

最後にリアム・スカーレットのダンサー時代の映像です。「不思議の国のアリス」より。

あまり踊っている姿は残っていませんが、いまも英国ロイヤル・バレエ団のアーカイブに映像があります。

リアム・スカーレットの事件はバレエ界にかなりの衝撃となると思います。僕は、性的違法行為とリアム・スカーレットの死は切り離して考えたいと思います。

Rest In Peace