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「眠れる森の美女」はオーロラ姫の成長ストーリー?
見どころは?
なぜオーロラ姫は最高難度といわれる?

オーロラ姫はバレエダンサーにとって最高難度の役といわれています。その理由は何なのか…。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録があります。

kazu

今回は、バレエ「眠れる森の美女」プロローグ、第1幕の見どころポイントです。

※3分ほどで読み終わる記事です。

オーロラ姫の演じ分けに注目

「眠れる森の美女」のあらすじはこちらです。

「眠れる森の美女」のあらすじと歴史
プロローグ、第1幕のポイント解説(→現在の記事)
第2幕、第3幕のポイント解説

「眠れる森の美女」はオーロラ姫の成長物語です。初々しいオーロラ姫、幻影の中の美しい理想の女性、大人に成長した気品あふれる姫。この3つの異なる性格をバレエ団のトップダンサーがどう表現するかを楽しむのがオススメです。

kazu

プロローグ、第1幕にポイントを絞って解説します。

プロローグ

中世のフランスの宮殿。誕生したばかりのオーロラ姫のお祝いが開かれている。リラの精に連れられ、誠実の精、優美の精、寛容の精、歓びの精、勇敢の精、気品の精、が特別ゲストとして招かれる。妖精たちはオーロラ姫にそれぞれの持つ美徳を授けていく。

しかし、招かれなった妖精がいた。それが悪の精カラボスである。怒ったカラボスは、オーロラ姫に「16歳の誕生日に糸紡いとつむぎの針に指を刺し、死ぬ」という呪いをかけてしまう。妖精たちはカラボスを止めることができなかった…。良い妖精の中で1番力のあるリラの精でさえ呪いを止めることは出来なかった。

しかし、呪いを弱めることはできた。「オーロラ姫は糸紡いとつむぎの針に指を刺してしまう。でも、死ぬのではなく深い眠りにつく。100年後、運命の王子があらわれ口づけによって目覚めることになる」。

ポイント

本編に入る前のエピソードです。プロローグのあいだオーロラ姫は赤ちゃんの状態です。プロローグとはいえ、35分あります。ストーリーが動き出すのは、カラボスが登場してからの後半10分です。そこまではダンサーの踊りを楽しむ時間です。

妖精が7人登場します。リラの精はプリンシパル級のダンサーが演じます。6人の妖精はソリストのこともあれば若手のダンサーが抜擢されることもあります。「眠れる森の美女」は登場人物が多いので、ネクストスターを見つけることができると思います。

英国ロイヤル・バレエ団より。リラの精をマリアネラ・ヌニェスが演じています。

第1幕

16年後。美しく成長したオーロラ姫。16歳になったことで、結婚相手を迎えることになる。花婿候補として隣国から4人の王子が招待される。幸せに包まれる中、老婆がお祝いにバラの花をオーロラ姫に贈る。喜ぶオーロラ姫だが、勢い余ってトゲに指を刺してしまう…。よく見るとトゲではなく、糸紡ぎの針が隠されていた…。そして、オーロラ姫は倒れてしまう。

すると老婆がカラボスに変身し、去ってしまう。

するとそこにリラの精があらわる。そこにいた全員がオーロラ姫が死んでしまっていたと思っていたが、リラの精の力で眠りの呪いに弱められる。リラの精は王宮の人々にも眠りの魔法をかけ、王宮を樹木でおおい深い森にかくしてしまう。

第1幕:最高難度の踊り「ローズ・アダージョ」

35分という長いプロローグが終わり、ようやく第1幕です。全員の踊りのあと、主役であるオーロラ姫が登場します。最大の見せ場は、オーロラ姫が4人の王子と一緒に踊る「ローズ・アダージョ」です。

ローズ・アダージョ

アダージョとは音楽用語で「ゆったり」という意味がある。ゆったりしたテンポの踊りに、バラの花がポイントとなっているので「ローズ・アダージョ」と名付けられている。

アティチュードという片足立ちのポジションでずっとキープし続ける振付が2回登場します。このバランスをどれだけ品よくキープできるか観客が息をひそめて見守ります。観客にも集中力が必要なシーンです(物音、咳に注意です)。

オーロラ姫には常に品位が求められます。ローズ・アダージョではアティチュードでバランスを取りながらも、ちゃんと求婚者の男性ダンサーと目を合わせているか、顔があまりに真剣になりすぎて品が無くなっていないかが大きなポイントです。ローズ・アダージョは苦しそうな表情ひとつせずサラーっと踊っている人ほどスゴいと思います。

パリ・オペラ座バレエ団より。オーレリー・デュポンがオーロラ姫。2:40~3:00が、1つ目のアティチュード。6:50~7:30が、2つ目のアティチュードです。個人的に気になるのは、もらったバラをスパーン!!と投げる部分(6:41)。いつも不思議に見ています。

オーロラ姫は最高難度

オーロラ姫という役は数多くあるバレエ作品の中でも最高難度の役といわれています。その理由は「いつもと違う踊りをしないといけないから」。どういうことかというと、オーロラ姫は古典的に踊ることが求められるため、現代のバレエのポジションと若干違います。例えるなら、普通の会話を古語で話しているような感じです。

この古典のポジションと現代のポジションのちょっとした違いで、いつも取れているバランスが崩れてしまいます。その代わり、古典的なポジションをとることで品位をあらわすことができます。

また、男性とふたりで踊るとき、普段より男性と女性のあいだに距離をとります。そのため、女性は自分自身でバランスを保たなければいけない時間がいつもより長くなり、体力をかなり消耗してしまいます。

おすすめDVD

スヴェトラーナ・ザハーロワ、 デヴィッド・ホールバーグ主演。

ボリショイ劇場のリニューアル記念公演の映像です。輸入盤だとブルーレイ版もあります。

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以上、バレエ「眠れる森の美女」プロローグと第1幕の見どころポイントでした。
ありがとうございました。