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『レッスン!』(2006年)の内容は?
どんな特徴がある?
どこで見られる?
誰かに裏切られ信用できなくなってしまう。
自分一人ではどうにもならなくなり、誰かの助けが必要になるときがある。
思い切って誰かを信用するのも悪くない、と感じる映画が『レッスン!』です。
元劇団四季、テーマパークダンサー。映画に夢中だった頃は、毎週映画館に行っていました。最近はネットで映画をたっぷり
今回は、『レッスン!』(2006年)のあらすじ・感想・特徴についてです。
※ 3分ほどで読み終わります。
『レッスン!』のあらすじ
ニューヨークのスラム街。高校生たちにボランティアで社交ダンスを指導することになったピエール。
担当するのは落ちこぼれの生徒たち。ヒップホップで育った高校生たちは社交ダンスをバカにする。だが、ピエールはあきらめない。社交ダンスを踊ることで、人生が豊かになると信じている。
ピエールは本音で話し、ウソをつかない。強い信念を持つピエールに、だんだんと心が柔らかくなる生徒たち。
社交ダンスとヒップホップが融合した青春映画です。
この映画は本当に起きた出来事を元にしています。ただし、ピエールは小学生に教えていました。
社交ダンスを踊る意味
『レッスン!』は社会におけるダンスの役割を深く掘り下げています。
「問題児にダンスを教えることに意味があるのか」とPTAが疑問を持ちます。ピエールはPTAの保護者たちにダンスの意義を説明しなければなりません。
社交ダンスでは男性が女性をリードします。しかし、男性は女性のサポートに徹することが多く、踊りの華となるのは女性です。社交ダンスを通し女性を大切にあつかうことを覚えることができ、力の強い男性が女性を抑えつけることのない方法を身につけることができると説明します。
そして、女性はどんな男性を信頼するかを学ぶことができると説明します。ダンスを踊っていると自分にとって心地いいか、不快かわかります。流されることなく、女性としてしっかり判断できるようになると語ります。
ピエールは、社交ダンスは踊りの技術を教えるだけでなく社会のルールも身につけることができる、とキッパリ伝えます。
スラム街などの貧困地区では、ドラッグ、家庭内暴力、強盗、若年層の妊娠問題などがあります。ピエールは社交ダンスでこうした問題を解決できるんじゃないか、と考えています。
また、社交ダンスではどうしても男性がリードしているかのように見えがちですが、この映画では「女性が男性のリードにまかせるか決める自由がある」と説明しています。
社交ダンスにおける男女平等の考えがとても新しく、見ていてなるほど、と思いました。
評価は高い?低い?
Yahoo!映画より
yahoo映画で評価は平均以上です。
制作
『ワン・トゥリー・ヒル』(2008年 – 2009年)
『新ビバリーヒルズ青春白書』(2009年 – 2011年)
『ヴァンパイア・ダイアリーズ』(2010年)
『プリティ・リトル・ライアーズ』(2010年)
『ザ・フォロイング』(2013年)
『レボリューション』(2014年)
『ザ・ボーイズ』 (2020年)
数々の作品で振付を行っています。2004年公開の『ダンシング・ハバナ』の振付も素敵でした。
ダンス映画『ダンシング・ハバナ』を詳しくこちらで解説しています。
アントニオ・バンデラス
ロブ・ブラウン
ヤヤ・ダコスタ
アルフレ・ウッダード
ダンテ・バスコ
マーカス・T・ボールク
ジェナ・ディーワン
ローラ・ベナンティ
カティア・バーシラス
『ステップ・アップ』で主役を演じスターとなったジェナ・ディーワン、『フック』で迷子のリーダーを演じていたダンテ・バスコ、『シカゴ・メッド』で看護師役を演じているヤヤ・ダコスタが出演しています。
スレた生徒を演じる若手俳優のセリフがとてもウィットかつリアルです。コメディとシリアスのバランスがとてもよく、あっという間に時間が過ぎていきました。
また、落ちこぼれ生徒たちに対する先生たちの本音もガンガン出てきて、それをセリフでズバズバ言っています。聞いていて心地いいものではないですが、現実の問題を提示してくれています。
アントニオ・バンデラス
1998年:『マスク・オブ・ゾロ』
2001年:『スパイキッズ』
2019年:『ペイン・アンド・グローリー』(アカデミー主演男優賞ノミネート)
主役のアントニオ・バンデラスはラテン系代表の俳優です。
バンデラスが踊っているシーンはそこまで多くないですが、色気が漂っています。踊りがうまい、下手というレベルじゃなく、かもしだす雰囲気から表現力の高さを感じることができます。
工夫されたダンスシーン
社交ダンスはシルエットがとても大事で、気を抜くとダラっと見えてしまいます。
『レッスン!』ではヒップホップを取り入れることで、うまく調整をとっています。
じっくり見ると俳優の踊りが「うん?」と思うこともありますが、俳優がうまく見えるよう振付に工夫があり、撮影のアングルもこだわりを感じます。
きっちりと社交ダンスを見せるシーンではプロを使い、俳優が踊るシーンでは演技や感情を優先したつくりになっています。
バンデラスと踊るカティア・バーシラスはプロの社交ダンサーとして活動しています。
原題『 take the lead 』
原題の『 take the lead 』は「先導する、仕切る、リードする」という意味があります。
この映画ではピエールが生徒たちの手本になっていきます。そして、ピエールのリードについていくかどうかは生徒たちが自由に決めていきます。
人を信用しても裏切られることはあります。とはいえ裏切られてもまた信用したい気持ちが湧き上がります。
スラム街の高校生たちはずっと裏切られ続け、人を信用することが苦手になっています。
ピエールはそんな子供たちに善意で手を差し伸べます。
最初は信用していなかった生徒たちもピエールの指導で人を信用することを覚えていくようになります。
問題を抱えた生徒たちが丁寧に描かれている映画です。
DVDは本編以外にもたくさん特典映像が入っているのでおすすめです。

今回は、映画『レッスン!』についてでした。 ぜひぜひチェックしてみてください。
ありがとうございました。
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