プリズナートレーニングの全体像(6種目×10ステップ×3難易度)が一目でわかる。
今日から始めるための「週2/週3/週6」の時短メニューが手に入る。
ケガを避けて続けるための大事なルールがわかる。
器具に頼らず自体重だけで「動ける筋肉」をつくるのがプリズナートレーニング(Convict Conditioning)です。継続しやすいのが最大の強みで、6種目・10ステップ・3段階で自己管理しやすく設計されています。
今回は、「継続率の高い自体重トレーニング|プリズナートレーニング(囚人トレーニング)」についての解説です。
元劇団四季、テーマパークダンサー。海外留学でダンスや身体づくりを学びました。ダンス、ヨガ(RYT200取得)、ピラティス、ジムにも20年ほど通っています。
※ 3分ほどで読み終わります。
プリズナートレーニングの紹介
プリズナートレーニング(Convict Conditioning)は、ポール・ウェイド氏による自体重トレーニングの体系書です。著者名はペンネームで、通算19年の獄中経験という厳しい環境下で体得した自重トレの知見をまとめた体裁となっています。著書は謎に包まれていますが、地味にも見えるトレーニングの基礎を丁寧にわかりやすく積み上げた方式で、誰でも再現しやすい内容です。
2,200円ほど。
プリズナートレーニングは「自由に動く身体を手に入れる」ということを目的に、ギリシャ彫刻のような体型を目指します。
プッシュアップ/スクワット/プルアップ/レッグレイズ/ブリッジ/ハンドスタンド・プッシュアップの6種目を、各10段階のステップアップ方式で身につけていくのが最大の特徴です。器具がなくても始められ、迷わず継続できる設計になっています。
道具がなくても正しく追い込めば身体はきちんと変わります。
低〜中負荷でも限界近くまで行えば高負荷と同程度になり得るという分析、条件を揃えればプッシュアップでもベンチプレスに匹敵する筋活動・筋力向上が得られるという研究があります。
さらに、プリズナートレーニングはケガしにくい仕様です。本書では安全に実践するためのキーポイントである、フォームとレベルアップ基準が明確に示されています。自体重トレーニングは、ウェイトを使ったトレーニングに比べ、ケガのリスクが大きく下がります。
ポイント
・10段階のステップアップの基準が明確
・自宅・省スペースで完結:器具がなくても始められる
・安全重視の設計:段階的に強度を上げるので、フォーム習得とケガ予防を両立しやすい
美しい姿勢、平衡感覚、日常動作を大切にする「動きの連動性を重視した筋肉づくり」を目指す場合、かなりオススメです。
ウェイトトレーニングはダメ?
著者はウェイトトレーニングに否定的な見解を示しています。理解できるものの過剰な表現に感じます。実際、効率的に筋肉をつけたい人にとって、ウェイトを利用したトレーニングは有効な選択肢です。
特に「見た目を変えたい」「短期間で筋肉量を大きく伸ばしたい」という目的であれば、ウェイトトレーニングが効率的です。
強み:ウェイトトレーニングのメリット
・筋肥大と筋力向上:強度・負荷の調整がしやすく、短期間で効果を感じやすい
・効率よく見た目に変化が出る:平均的には筋肉は数週間~数ヶ月で変化が現れ始め、初心者であれば数ヶ月で体型の違いが実感できる
・エビデンスに基づく一般性:多くの人が実践しているので情報量が多く、種目やレベルに応じて柔軟に強度が調整でき、どの筋トレ目標にも適応しやすい構造
注意点:トレーニング導入に際して気をつけたいこと
・自己流だとケガリスクが高まる可能性:特に高負荷種目はフォームが大事。自己流ではなくトレーナーの指導があるかどうかで効果と安全性に差が出やすい
・「動ける筋肉」とリンクしないことも:単に筋肉をつけただけで、動作のパフォーマンスは必ずしも向上しないこともある(特異性の原則)
使い分けの目安
個人的には自体重トレーニングとウェイトトレーニングを併用するのも全く問題ないと思います。
・見た目(短期の筋肥大)や最大筋力の伸長を優先 → ウェイトが便利(強度管理がしやすい)
・道具なし・習慣化・全身連動を優先 → 自体重が始めやすい
・初心者ほど自体重トレーニングからがオススメ:自体重でも十分に筋肉を動かし、「機能的に鍛える」感覚が育つ
どちらも有効なので、目的×環境で選ぶ、もしくは併用するのが現実的です。
| 目的 | 自体重トレーニング | ウェイトトレーニング |
|---|---|---|
| 機能的な動き・可動域を重視 | ◎:全身の連動を高めやすい | — |
| 短期間で体型・筋量を変化 | △:変化は遅い | ◎:効率的・三ヶ月で成果可視化 |
| 自宅・道具なしで簡単に始める | ◎:すぐ実践可 | ▲:器具・空間が必要 |
もちろん機能的な筋肉をウエイトトレーニングでつけることも可能です。実際にトップアスリートもウエイトトレーニングによって怪物的なパワーを手に入れています。
ですが、落とし穴があります。それは「一流のトレーナーが細かく指導している」という点です。トップアスリートがウエイトトレーニングに取り組むことは、専門家でも見解が分かれます。
肯定派:ウエイトトレーニングによって身体能力が向上する
否定派:身体のバランスが崩れてしまいパフォーマンスの低下につながる
トレーナーがいない場合、慎重に進めましょう。見た目はゴツいのに、重い荷物が持てない……。というのも、筋肉を大きくすればパワーやスピードは上がります。ただし「使える筋肉」にするには、動きと結びつけることが大切です。これはよく車に例えられます。たとえば、スポーツカーのように大きなエンジンを積んでいたとしても、運転技術がなければその性能を活かせません。逆に、技術があれば小さなエンジンの車でもスムーズに走らせることができます。
プリズナートレーニングは、この「動作と筋力」を自然にリンクさせ、機能的な筋肉を育てる設計になっています。
目的によって選び方を変えましょう。見た目を重視するならウェイトトレーニング、動ける体をつくりたいなら自体重トレーニング。冷静に判断して、自分に合った方法を選んでください。
継続しやすさの秘訣
自体重トレーニングで難しいのは「継続」です。自分一人でかんたんに始められる分、かんたんにサボれてしまうためです。
この問題を解消する構造こそ、プリズナートレーニングが選ばれる最大の理由です。
解剖学的・運動療法的視点を取り入れ、「6種目」「10ステップ」「3レベル:初心者・中級・上級」というステップアップ式のシステムとなっています。迷わず自分のレベルに合わせて継続できるプログラムです。
継続できるメニュー
6種目、10ステップ、3つの難易度を紹介します。
1:プッシュアップ(腕立て伏せ)
2:スクワット
3:プルアップ(懸垂)
4:レッグレイズ
5:ブリッジ
6:ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ちで腕立て伏せ)
プッシュアップだと下記のようなステップになります。
ステップを飛び越さない
プリズナー・トレーニングの中で一番むずかしい種目は「片手倒立の腕立て伏せ」です。いきなり挑戦するとケガの危険性があります。
そうならないよう、ケガしにくいプログラムが設計されています。10ステップ用意されていて、このステップがさらに3段階にわかれています。運動経験の良い人にとって、ステップ1はとても簡単に感じるかもしれません。ですが、まずはステップ1で正しいフォームを習得し、身体が順応してから次に進みましょう。
次のステップに行くころには身体がレベルアップしているので、すんなり移行することができます。
進め方のコツ(挫折しないために)
ただし、上級クリアだけに固執しないことも重要です。もし、あるステップで行き詰まったら、中級まで出来たら次のステップへ進むのも戦略です(モチベーション維持が最優先)。
時短トレーニングプログラム
最初は1日10分程度のトレーニングです。
レベルが上がるほどトレーニング時間が増えていく仕組みになっています。
1日目:プッシュアップ2~3セット、レッグレイズ2~3セット
2日目:休み
3日目:休み
4日目:休み
5日目:プルアップ2~3セット、スクワット2~3セット
6日目:休み
7日目:休み
1日目:プッシュアップ2セット、レッグレイズ2セット
2日目:休み
3日目:プルアップ2セット、スクワット2セット
4日目:休み
5日目:ハンドスタンド・プッシュアップ2セット、ブリッジ2セット
6日目:休み
7日目:休み
1日目:プルアップ2~3セット
2日目:ブリッジ2~3セット
3日目:ハンドスタンド・プッシュアップ2~3セット
4日目:レッグレイズ2~3セット
5日目:スクワット2~3セット
6日目:プッシュアップ2~3セット
7日目:休み
上級、超上級のプログラムはさらに時間がかかります。こちらは本でご確認ください。
6種類10ステップ
具体的な種目を紹介します。詳しい内容は画像をクリックし、リンクをご覧ください。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
胸と腕、体幹を鍛えます。
ステップ1:ウォール・プッシュアップ
ステップ2:インクライン・プッシュアップ
ステップ3:ニーリング・プッシュアップ
ステップ4:ハーフ・プッシュアップ
ステップ5:フル・プッシュアップ
ステップ6:クローズ・プッシュアップ
ステップ7:アンイーブン・プッシュアップ
ステップ8:ハーフ・ワンアーム・プッシュアップ
ステップ9:レバー・プッシュアップ
マスターレベル(ステップ10):ワンアーム・プッシュアップ
スクワット
太もも、下半身強化です。
ステップ1:ショルダースタンド・スクワット
ステップ2:ジャックナイフ・スクワット
ステップ3:サポーティド・スクワット
ステップ4:ハーフ・スクワット
ステップ5:フル・スクワット
ステップ6:クローズ・スクワット
ステップ7:アンイーブン・スクワット
ステップ8:ハーフ・ワンレッグ・スクワット
ステップ9:アシステッド・ワンレッグ・スクワット
マスターレベル(ステップ10):ワンレッグ・スクワット
プルアップ(懸垂)
背中と上腕を中心に上半身強化です。
ステップ1:ヴァーチカル・プル
ステップ2:ホリゾンタル・プル
ステップ3:ジャックナイフ・プル
ステップ4:ハーフ・プルアップ
ステップ5:フル・プルアップ
ステップ6:クローズ・プルアップ
ステップ7:アンイーブン・プルアップ
ステップ8:ハーフ・ワンアーム・プルアップ
ステップ9:アシステッド・ワンアーム・プルアップ
マスターレベル(ステップ10):ワンアーム・プルアップ
レッグレイズ(腹筋)
腹筋を中心に鍛えます。
ステップ1:ニー・タック
ステップ2:フラット・ニー・レイズ
ステップ3:フラット・ベント・レッグレイズ
ステップ4:フラット・フロッグ・レイズ
ステップ5:フラット・ストレート・レッグレイズ
ステップ6:ハンギング・ニー・レイズ
ステップ7:ハンギング・ベント・レッグレイズ
ステップ8:ハンギング・フロッグ・レイズ
ステップ9:パーシャル・ストレート・レッグレイズ
マスターレベル(ステップ10):ハンギング・ストレート・レッグレイズ
ブリッジ
背骨強化でしなやかな身体を目指します。
ステップ1:ショート・ブリッジ
ステップ2:ストレート・ブリッジ
ステップ3:アングルド・ブリッジ
ステップ4:ヘッド・ブリッジ
ステップ5:ハーフ・ブリッジ
ステップ6:フル・ブリッジ
ステップ7:ウォールウォーキング・ブリッジ(下向き)
ステップ8:ウォールウォーキング・ブリッジ(上向き)
ステップ9:クロージング・ブリッジ
マスターレベル(ステップ10):スタンド・トゥ・スタンド・ブリッジ
ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)
肩と上半身を中心にバランス感覚が鍛えられます。
ステップ1:ウォール・ヘッドスタンド
ステップ2:クロウ・スタンド
ステップ3:ウォール・ハンドスタンド
ステップ4:ハーフ・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ5:ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ6:クローズ・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ7:アンイーブン・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ8:ハーフ・ワンアーム・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ9:レバー・ハンドスタンド・プッシュアップ
マスターレベル(ステップ10):ワンアーム・ハンドスタンド・プッシュアップ
体験談
僕も初めてから2年ほどたちました。
プッシュアップ:ステップ7
スクワット:ステップ10
プルアップ:ステップ3
レッグレイズ:ステップ9
ブリッジ:ステップ8
ハンドスタンド・プッシュアップ:ステップ3
プルアップ(懸垂)がとくに全然だな……、というところなんですが成長も感じています。僕はジムに行っていて、マシントレーニングもしています。プリズナートレーニングをはじめてからいろんな種目で持ち上げられる重量が20kgくらいアップしました。
実感をすごく感じているので、まだまだ取り組んでいこうと思っています。
2,200円ほど。
今回は、「プリズナートレーニング」についてでした。 ぜひぜひチェックしてみてください。ありがとうございました。
ダンサーのような身体を目指すトレーニング情報はこちらにまとめています。
ダンス上達のための身体の使い方、トレーニングの方法、体幹トレーニングについてまとめています。ピラティスやヨガもご紹介します。


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